日吉の活性化と未来をけん引、横浜市が「駅前商店街」と熱きワークショップ | 横浜日吉新聞

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日吉駅前の商店街を盛り上げるために、どういった施策を打つべきなのか――商店主や街づくり関係者が熱き議論を重ねました。

日吉中央通り事務局(株式会社エヌエステート内)で行われた横浜市商店街フィールドサーベイ事業の冒頭部。総勢16人が参加し、日吉の商店街の現状の課題を共有、これからの日吉の街の未来について語り合った

日吉中央通り事務局(株式会社エヌエステート内)で行われた横浜市商店街フィールドサーベイ事業の冒頭部。総勢16人が参加し、日吉の商店街の現状の課題を共有、これからの日吉の街の未来について語り合った

日吉駅西口にある日吉中央通り会(日吉本町1、大嶋将聖会長)は、2019年度に横浜市経済局が実施する「商店街フィールドサーベイ事業」に応募。

先月(2020年)2月27日夜、日吉駅前の商店街の関係者ら16人が集い、2回目の開催となる「ワークショップ」を、同通り会事務局(同、株式会社エヌエステート内)で開催しました。

商店街活動を「データ」で支援する目的で、各商店街における通行量調査や、来訪者を対象にしたアンケートなどの現地調査(フィールドサーベイ)を行い、商店街の強みや課題を明示、ワークショップ(ディスカッション)を行うことで、より効果的なイベント企画や商店街活動、課題解決といった方法を検討する目的で行われたものです。

慶應義塾大学とのコラボレーション・イベントの開催を求める声が最も多かった

慶應義塾大学とのコラボレーション・イベントの開催を求める声が最も多かった

昨年(2019)年11月に行われた1回目の会合では、商店街の特色や課題を確認、実施するアンケートの内容などを検討する目的で行われ、今年(2020年)1月には、実際に来訪した100人を対象とした「来街者アンケート」を実施。

今回の2回目(最終回)となる会合では、アンケートの結果を踏まえ、これからの商店街活動の方向性や商店会のブランディングなどを議論・検討するといった内容で行われました。

横浜市、東急も参加し日吉の「商店街」を熱く語る

この日は、日吉中央通り会のみならず、浜銀通り会普通部通り会サンロード商店会メイルロード商店会といった、日吉駅西口にある全ての「通り会」や、日吉商店街協同組合(日吉本町1、熊井憲一理事長代行)、横浜市経済局や港北区地域振興課東急株式会社(東京都渋谷区)のまちづくり担当者も出席。

「来街者アンケート」の結果を踏まえ、“日吉商店街”の未来を描く目的でのワークショップを実施

「来街者アンケート」の結果を踏まえ、“日吉商店街”の未来を描く目的でのワークショップを実施

アンケート結果の共有や、それに基づく来年度(2020年度)施策の具体化についての意見やアイデアを出し合い、これから先に日吉駅前の商店街に求められるもの、また実施することでの地域活性化に役立つイベント開催の在り方についてなど、参加者が熱き議論を交わしていました。

今回のフィールドサーベイの対象が「日吉中央通り会」のみ、また調査時間帯も平日の日中、また70代の高齢者と20代の若者の回答が多く、日吉駅西口エリアの商店街全体としての課題を解決する材料としては“断片的な内容”となっていましたが、「第三者」の目を交えることで、参加者の街づくりへの議論も白熱

アンケートの結果では、「買い物行動に満足している」という回答も多く得られたものの、「もっと慶應義塾大学とコラボレーションをすべき」といったイベント開催への具体的な要望や、カフェやレストランなど「大人が落ち着いて過ごせる店が少ない」といった声も寄せられていました。

2つのグループに分かれ、「昼」と「夜」のイベントを考案。昼のアイデアでは「日吉ランチマーケット」という声もあがっていた

2つのグループに分かれ、「昼」と「夜」のイベントを考案。昼のアイデアでは「日吉ランチマーケット」という声もあがっていた

日吉の商店街で満足していない人は、“最大のライバル”とも目(もく)される武蔵小杉エリアや、アピタテラス横浜綱島(綱島東4)、トレッサ横浜(師岡町)、そしてセンター北・南エリア(都筑区)など、近郊のショッピングセンターへ買い物に出てしまう傾向もみられるなど、日吉エリアで起こっている消費者行動を明示する結果に、参加者は、これからの日吉駅西口商店街の“危機感”についても共有していました。

後半に行われたワークショップでは、来年度内に「昼」、そして「夜」2つの大きなイベントを開催するというテーマでのグループ分けも実施。

それぞれが「どういったイベントであれば実現できるか」、「(商店街の)利用客に楽しんでもらえるか」といった視点でのディスカッションを行い、実際に行うことを想定してのアイデアなどをまとめた「成果発表」を行っていました。

駅前商店街の「パワーアップ」で日吉全体の活性化を

日吉駅前(西口)エリアでは、1960(昭和35)年に設立された日吉商店街協同組合と、1986年(昭和61)年に設立された日吉中央通り会はじめ、通りごとに組織された計5つの「通り会」がそれぞれ存在。

1回目のワークショップで重ねられた議論の成果も明示されていた

1回目のワークショップで重ねられた議論の成果も明示されていた

一部店舗はそれぞれ重複して加盟しているものの、「別組織」であること、またそれぞれの通り会をつなぐ組織や話し合いの場なども、ここ十数年来でほぼ持たれてこなかった経緯があり、また、“街ぐるみ”のイベントが、綱島や大倉山、新横浜などの区内主要駅周辺エリアと比較して目立たないことへの対処も、商店街の活性化の視点では至上命題となっていました。

その課題をクリアしたのが、昨年(2019年)10月に初開催され、約3千人が参加(主催者発表)したという「日吉ハッピーハロウィン2019」イベント。

日吉中央通り会が主催、協同組合や4つの通り会が共催という、事実上、初めての「オール駅前商店街」イベントとして開催されたばかりでなく、日吉地区連合町内会(小島清会長)といった自治会町内会の後援や、日吉東急アベニュー神奈川法人会日吉支部の協力など、地域住民と商店、企業が手を携えての大掛かりなイベントとしての「一つの成果」を挙げることができたとみられています。

オブザーバーとして参加した日吉商店街協同組合の熊井憲一理事長代行(浜銀通り会会長・中央)も、今回のワークショップでの取り組みについて助言とアドバイスを行っていた

オブザーバーとして参加した日吉商店街協同組合の熊井憲一理事長代行(浜銀通り会会長・中央)も、今回のワークショップでの取り組みについて助言とアドバイスを行っていた

今回のワークショップでは、この「日吉ハロウィン」の成功が、各商店街の交流の礎(いしずえ)となっており、これから先の“商店街ぐるみ”のイベント開催に向けての熱き想いが、一人ひとりの参加者の発言からあふれるひとときとなっていました。

横浜市や東急の担当者を交えた議論を重ねていくことで、さらに「日吉の商店街」組織が連携を深め、日吉全域への大きな影響を及ぼす存在として、より一層のパワーアップをしていくことが今後期待できそうです。

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【参考リンク】

日吉中央通り商店街(日吉中央通り会)公式サイト


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