綱島街道の大渋滞ポイント「大豆戸交差点」、環状2号へ右折多発、迷惑な抜け道 | 横浜日吉新聞

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大豆戸交差点

【コラム】日吉や綱島から菊名方面へ向かって「綱島街道」を走ると、一番の渋滞ポイントとなるのが港北区役所の至近にある「大豆戸(まめど)交差点」。このほど、横浜市道路局が発表した同交差点における交通量調査の結果から見えてきたのは“右折”の多さです。

大豆戸交差点で綱島街道から環状2号線へ右折して新横浜駅方面へ向かう路線バスなどの車両

トレッサ横浜・鶴見方面や新横浜駅方面へ向かう4車線道路の「環状2号線」と綱島街道が交差している大豆戸交差点。

2つの主要道路が重なることで、「交差点の処理能力を超える交通が集中している」(国土交通省の資料)と言われ、さらには「曲線内の交差点で走行性が悪い」(同)との条件も重なり、首都圏有数の渋滞箇所として度々その名が登場します。

日吉や綱島方面から綱島街道を走ってくると、大豆戸交差点では3つの選択肢が示されることになります。

  • (1)【直進】綱島街道をそのまま菊名(横浜中心部)方面へ走る
  • (2)【右折】して環状2号線を新横浜駅方面へ走る
  • (3)【左折】して環状2号線を鶴見(トレッサ横浜)方面へ走る

“神奈川県道2号”(1号は欠番)というトップナンバーが付けられている重要道路の綱島街道だけに直進する車が多いと思いきや、このほど発表された市の交通量調査では以下の通りとなりました。

  • (2)【右折】して環状2号線を新横浜駅方面へ:3,225台
  • (1)【直進】綱島街道をそのまま菊名(横浜中心部)方面へ:2,461台
  • (3)【左折】して環状2号線を鶴見(トレッサ横浜)方面へ:1,011台
    (※)2018年11月21日=水曜日=7時から19時の12時間調査結果

真中の右折レーンで車列の長さが目立つ大豆戸交差点での綱島街道、右奥の茶色い建物が港北区役所などの庁舎

日吉・綱島方面から来た車は、大豆戸交差点で右折するケースがもっとも多く、環状2号線で新横浜駅方面へ向かっているのが現状です。

ところが、反対側の菊名方面から綱島街道を走って来る車は異なります。

  • (1)【直進】綱島街道をそのまま綱島・日吉方面へ:2,613台
  • (2)【左折】環状2号線の新横浜方面へ:1,055台
  • (3)【右折】環状2号線の鶴見(トレッサ横浜)方面へ:717台
    (※)2018年11月21日=水曜日=7時から19時の12時間調査結果

菊名方面から綱島街道を走ってくる車は多くが大豆戸交差点を直進するため、綱島側からは右折しやすいとはいえない

菊名方面からは、綱島街道を直進する車の数が圧倒的に多い状況となっており、日吉・綱島方面からの車線には右折レーンこそ設けられているものの、右折しやすい環境とは言えません

大豆戸交差点の現状をよく知るドライバーのなかには、この右折を回避するため、大倉山駅前から東急東横線沿いの生活道路を経由し、環状2号線へ合流するルートを選ぶケースも見られますが、閑静な大倉山の住宅街としては大迷惑。

朝夕を中心に大豆戸交差点の迂回ルートにもなっている大倉山の住宅街にある生活道路では、段差を設ける「ハンプ」や道路両側を狭める「狭(きょう)さく」で車の速度を落とさせる取り組みも(2019年1月撮影)

小学校の通学路でもある生活道路が朝夕を中心に“抜け道”となってしまい、制限速度以上で走り抜ける車の多さに不安が高まった結果、最近では道路上に段差を設ける「ハンプ」や道路両側を狭める「狭(きょう)さく」を導入するという異例の取り組みまで行われているほどです。

来年(2020年)3月には、綱島街道の菊名駅の少し先、法隆寺交差点に近い場所に首都高速「横浜環状北線(きたせん)」(第三京浜道路・港北インターチェンジ~新横浜出入口~横浜羽田空港線・生麦ジャンクション=約8.2キロ)の馬場出入口が新設される計画となっています。

菊名周辺の綱島街道も二車線しかなく走りやすい状況ではない(港北図書館付近)

きたせん新出入口の開業により、大豆戸交差点を直進する車が多くなることも考えられますが、新出入口までの綱島街道は2車線のまま。速度を出しづらく、渋滞しやすい環境は変わらないため、現在すでに開業している新横浜出入口を使ったほうが便利ともいえます。

それだけに、大豆戸交差点を通らなくても日吉・綱島・高田方面から新横浜方面へ容易にアクセスが可能で、きたせんの新横浜出入口にも近くなる都市計画道路「宮内新横浜線」(高田駅前~新吉田東~新吉田町~新羽町~北新横浜駅前~新横浜駅前)の港北区内における早期全通が望まれるところです。

【関連記事】

<宮内新横浜線>高田駅と新吉田東間の進捗率78%、2020年春までの暫定開通なるか(2019年5月13日)

馬場出入口は「2020年3月末まで」に開通目指す、国会でも国交省の道路局長が表明(新横浜新聞~しんよこ新聞、2018年3月6日、綱島街道沿いの菊名駅の先にある「馬場出入口」は来年春の開業予定)

住宅街の生活道路を守れ、大倉山で車のスピードを落とさせる画期的な実証実験(新横浜新聞~しんよこ新聞、2017年10月4日、実験の後に常設化)

大豆戸交差点の「ガソリンスタンド」が消える、エネオスも3月末で閉店を告知(新横浜新聞~しんよこ新聞、2018年2月13日、3つあった交差点近くのガソリンスタンドはすべて閉店)

【参考リンク】

平成30年度「交通量調査」(横浜市道路局、大豆戸交差点は最初のページに掲載)

大豆戸交差点の場所(グーグルマップ)


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