新チャレンジで彩る2019年“パパルフェス”は5/26(日)、飲食コーナーや運転体験も | 横浜日吉新聞

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今年も自動車教習所を開放してのチャリティーイベントが開催されます。鶴見川沿いの大綱橋近く、綱島駅から徒歩約9分の「コヤマドライビングスクール横浜(旧綱島)」(大曽根2)は、今月(2019年)5月26日(日)10時から15時まで、入場無料の地域イベント「パパルフェスティバル(PAPARU FESTIVAL)」を開催します(雨天時開催、荒天時は中止予定)。

昨年(2018年)4月に「横浜校」に校名変更したコヤマドライビングスクールによる「パパルフェスティバル」の案内チラシ。今年(2019年)は5月26日(日)に開催される予定(同校のサイトより)

昨年(2018年)4月に「横浜校」に校名変更したコヤマドライビングスクールによる「パパルフェスティバル」の案内チラシ。今年(2019年)は5月26日(日)に開催される予定(同校のサイトより)

2011年の東日本大震災の発生もあり、「震災以降、毎年チャリティーイベントとして」(同校)開催してきたという“パパルフェス”。

“お祭り好きが集まる”という、社員有志による「祭事委員会」が企画する今年の同フェスティバルでは、イベント会場配置や内容を増強・拡大したとのこと。

フライドポテト、焼きそばや焼き鳥、あげたこ焼きやかき氷、クレープといった人気の飲食ブース・ドリンク販売フリーマーケットキッズ電気自動車キッズミニバイク、パトカーや消防車・キャンピングカーなど特殊車両の展示お菓子詰め放題や企業などによるブース出展といった企画を準備しています。

特に大きな注目を集めているのが、ハーレー(ハーレーダビッドソン)KTMなどの海外メーカーや、カワサキ(Kawasaki)製のバイクにも乗車可能な「二輪無料運転体験」

「今回はコースも広く取り、二輪車の運転体験を充実させました。普段なかなか乗る機会がない人気のバイクを選んでもらえたら」と、同校に昨年着任した同社の取締役で横浜校校長の田口治さんは、このイベントでの新しいチャレンジについて言及します。

二輪車の運転体験も新しいチャレンジの一つ。今回はコースも広く取り、イベント全般的にも内容がより充実している(同校のサイトより)

二輪車の運転体験も新しいチャレンジの一つ。今回はコースも広く取り、イベント全般的にも内容がより充実している(同校のサイトより)

四輪車の教習車として人気を博しているというアウディ(Audi)A3やアクセラ大型特殊自動車トラック(準中型)の無料運転体験も実施予定です。

「普段、運転する方にとっても、大型特殊やトラックを運転することは“自動車の面白さ”を体感できる貴重な機会となるかと思います。一般の乗用車とは目線も高さも全く異なるトラックに乗車する姿は、子どもたちから見ても“憧れ”の対象となるようです」と、自動車教習所の本来あるべき「運転の楽しさ」を伝える体験を、より多くの人々にトライしてもらいたいといいます。

恒例となったイベントスペースでも、地元・港北区を拠点に活動している「大曽根夢太鼓どどん鼓」(大曽根)による和太鼓や、慶應義塾大学、早稲田大学、東京大学、國學院大学、明治大学、東京農業大学などの学生団体やサークルによる、ダンスやフラメンコ、ジャグリング、フリースタイルバスケなどのステージを披露。

「ぜひ、今年も多く地域の皆さんにご来場いただけたら」と、田口さんや同校の社員・インストラクターは、イベント当日の来場を呼び掛けます。

鶴見川沿いの自動車教習所をより身近に感じることができそう(2018年開催時)

鶴見川沿いの自動車教習所をより身近に感じることができそう(2018年開催時)

なお、今回もチャリティーイベントとして、売り上げの一部と、フリーマーケットの出店料500円、チャリティーバザーの売り上げ全額は、北海道胆振東部地震の被災地に寄付されるとのこと。

会場内の支払いは「専用コイン」(1枚50円で販売)を使用することになります(余った分は戻すための換金可)。

当日は、武蔵小杉駅・日吉商店街コース、センター南駅・北駅・中川駅コース、中山駅・仲町台駅・新羽駅コース、横浜駅・神奈川大学・新横浜駅コースの4つのルートでの無料送迎バスを運行。「駐車場がないため、ぜひ送迎バスをご利用ください」(同校)とのことです。

「自動車教習所」に新価値観、女性活躍や多様な受講コース整備も

なぜ、コヤマドライビングスクールは設備の充実や、海外メーカー車を教習車に採用するなどの試みにチャレンジしているのか。

昨年(2018)年、横浜校に着任した田口校長。肢体(したい)に障がいがある方が車の操作をしやすいという教習車と

昨年(2018)年、横浜校に着任した田口校長。肢体(したい)に障がいがある方が車の操作をしやすいという教習車と

多く自動車教習所を訪れたことがある人は、その斬新な「(従来型の)自動車教習所らしくない」雰囲気に驚くかもしれません。

1957(昭和32)年に東京都中央区晴海で開校(後に秋津校として同東村山市に移転)、1961(昭和36)年の二子玉川校(世田谷区)の開校に引き続き、1964(昭和39)年に綱島校(当時:綱島自動車教習所、2018年4月に現在の横浜校として校名変更)が、同社3つ目の自動車教習所として開校したといいます。

創業以降しばらくは、自動車が右肩上がりで普及し、自動車教習所には、高度成長期を支えた労働者、第一次ベビーブーム(1947年から1949年頃産まれ、団塊の世代)、第二次ベビーブーム(1971年から1974年頃生まれ、団塊ジュニア世代)の年代層の通学もあり、「何もしなくても」受講者が訪れた時代だったと田口さんは同校の歴史を振り返ります。

アウディ(Audi)の教習車と「にっこり笑ってしっかり教える」をモットーに活躍中のレディースインストラクターの皆さん。5校で約150人(2019年5月22日現在)が勤務しているという(コヤマドライビングスクール提供)

アウディ(Audi)の教習車と「にっこり笑ってしっかり教える」をモットーに活躍中のレディースインストラクターの皆さん。5校で約150人(2019年5月22日現在)が勤務しているという(コヤマドライビングスクール提供)

しかし、オイルショック(1973年)や、平成時代(1989年~2019年)のバブル崩壊やリーマンショックといった不況を経て、「何かしなくては」受講者が集まらない時代に突入。

同社はいち早く少子高齢化の波も察知、既に業界初であったというCI(コーポレート・アイデンティティ)を導入し、社名を1977(昭和52)年には「コヤマドライビングスクール」として統一。

1985(昭和60)年には、CIを「明るく・楽しく・お洒落(おしゃれ)な」新しい自動車教習所のイメージ展開でリトライします。

「それまで、“暗い・怖い・ダサい”と言われることが多かった業界のイメージ刷新を図ったのです。新しいことにチャレンジする経営改革への意欲は今も絶えることなく、以降も新しい“挑戦”に満ちた日々を送っています」と田口さんも、企業の中枢を担う経営企画室の重責を担う立場として約20年間勤務し、受講者の満足度を上げていくための努力を行ってきたことへの熱き想いを打ち明けます。

子育てを機に、ペーパードライバーだった人が久しぶりに運転をするため、子連れで通うケースも増えているという。0才3カ月くらいから未就学児までを預かる「キディルーム」 は、9時30分から17時30分まで利用可能。年中無休(予約制)で対応、保育士も常駐している

子育てを機に、ペーパードライバーだった人が久しぶりに運転をするため、子連れで通うケースも増えているという。0才3カ月くらいから未就学児までを預かる「キディルーム」 は、9時30分から17時30分まで利用可能。年中無休(予約制)で対応、保育士も常駐している

同校のキャラクター「パパル」の誕生(1985年)や、レディース(女性)インストラクター第1号の誕生(1986年)、日本初となる英語による外国人教習開始(1999年)なども実施、全社を挙げての女性活躍の場づくりや、教習の多言語化も推進しています。

また、障がい者教習手話教習(学科・技能)の開始(2002年)、手話ライブ「D’LIVE」の毎年の開催(2004年~、別会場)といった、ハンディキャップがある人への支援や、受講者や社員への子育てサポートも充実させています。

横浜校でも、インストラクター79人中、23人が女性(2019年5月17日現在)だといい、「結婚や出産でここ最近は退職する社員もすっかりいなくなったように思います。各校に設けている託児室も、受講者に大変好評をいただいているのですよ」と、年中無休で0才3カ月くらいから未就学児までを預かる「キディルーム(KIDDY ROOM)」(予約制)など、子育て世代の期待に応える経営を目指しているとのこと。

身体に障がいがある人こそ、車の運転が必要になることも。免許を取得し、移動の“ハンディキャップ”を克服した事例もあるという(大綱橋付近、イメージ)

身体に障がいがある人こそ、車の運転が必要になることも。免許を取得し、移動の“ハンディキャップ”を克服した事例もあるという(大綱橋付近、イメージ)

発達障がいの方向けの講習も、今月(2019年)から試行でスタートしています。大学の医療機関などと連携しながら行うので、まだまだこれからのチャレンジとなりますが、ぜひ注目してもらえれば」と田口さん。

“ハンディキャップ”がある人にこそ、車の運転が必要なシーンも多いと田口さんは感じているといい、多言語化の部分でも、「中国語での教習開始に向けて、スタッフの講習も今年からスタートしています。英語はもちろん、そのほかの言語での受講についても、まずは相談をお待ちしています」と、より多くの人々にとって“真に頼れる”自動車教習所の姿を、これからも、地域社会や同社を取り巻く人々とともに描いていく考えです。

社員・インストラクターは「大切な仲間」と言い切る田口校長

日本初となる、海外メーカーのハーレーによる大型二輪教習をスタート(2009年)したのも、ハーレーに乗りたい、というアンケート結果が4割に上ったことが背景にあったとのこと。「公道に出てからの安心・安全のため、自分が実際に乗ってみたい車やバイクの車種の構造にも、まずは教習所から理解してもらえたら」と強く感じているとのこと。

約6年前(2013年)からは、「中学生・高校生のための自転車安全教室」を、港北区近郊の中学校・高校で無料開催しているといい、「毎年案内を発送し、依頼があった学校を訪問しています。子どもや、学生のうちに、交通法規の大切さなど、交通安全を学ぶことはできないかと、この試みをスタートさせました。より安全・安心に車やバイク、自転車にも親しめる社会の実現に向け、邁進(まいしん)していきたい」と田口さんが描く、同校の新しい地域社会への貢献。

「令和」を迎えた日本社会を、時代先取りで見据えたかのような経営戦略や、同社ならではの“日本初”となる数々の挑戦に、多くの地域の人々からの熱視線が注がれていきそうです。

【関連記事】

鶴見川沿いの教習所で5/20(日)に恒例イベント、ステージや飲食ブースも(2018年5月16日)※開催日当日の追記あり

【参考リンク】

「パパルフェスティバル」について(株式会社コヤマドライビングスクール)

横浜校送迎バス一覧(同)

コヤマドライビングスクール60周年特設サイト(同)*「綱島自動車教習所」時代=現横浜校の開校時の写真も

優秀賞:株式会社コヤマドライビングスクール~第10回選考結果:勇気ある経営大賞 受賞企業紹介(東京商工会議所)

「日本一の教習所」誕生に女性戦力あり~「男の職場」が劇的に変わった!(プレジデントオンライン、2019年3月25日)


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