綱島の歴史伝える「桃の花」が見ごろに、ライトアップで“新綱島”を盛り上げる | 横浜日吉新聞

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新綱島駅「綱島東線」の開通やバスターミナルの開業を、綱島の歴史伝える「桃の花」のライトアップで祝い盛り上げます。

綱島東1丁目、東急新横浜線「新綱島駅」にも隣接した古民家・池谷(いけのや)家住宅前の池谷桃園(とうえん、綱島東1)では、先月(2024年)3月20日(水)に桃の花が開花。

昨年(2023年)より11日も遅い桃の花の開花となった「池谷桃園」(3月30日)

昨年(2023年)より11日も遅い桃の花の開花となった「池谷桃園」(3月30日)

開花以降、天候不順もあり、ここ数年では遅いペースで花が開く状況となっていましたが、ここ数日の温暖な気候により7分から8分咲きから一気に満開となった木々もあり、ようやく桃の花が美しく花開く見ごろを迎えています。

綱島で唯一の桃農家として知られる池谷家。

明治時代からの綱島の桃の歴史を継ぐ品種・日月桃(じつげつとう)など、昨年まで約60本植えられていた桃の木ですが、「私の父(第15代当主の故・池谷光朗さん)が日月桃を綱島で復活させた“第一世代”の木の3本が、2002(平成14)年ころから収穫してきたのですが、この2、3年で次々と寿命を迎えてしまいました」と第16代当主の池谷道義さん

「第一世代」という日月桃(じつげつとう)がここ数年で3本枯れてしまった。「常に接ぎ木や挿し木」を行い、次世代に継承したいと池谷さんは日々の手入れを行っている

「第一世代」という日月桃(じつげつとう)がここ数年で3本枯れてしまった。「常に接ぎ木や挿し木」を行い、次世代に継承したいと池谷さんは日々の手入れを行っている

「桃の木は、毎年実をつけて人に食べてもらうことで改良されてきた歴史があります。桃に限らず、果樹の寿命は数十年なので、常に接ぎ木や挿し木で次世代に子孫を継承するもの。これを果樹の更新といいます」と、日々の果樹の手入れ、またその積み重ねによる花の開花であると語ります。

果樹が初夏に実る順番、「極早生(ごくわせ)」とも言われる品種の日月桃から、まずは花を咲かせているとのこと。

満開になった桃の花もあり「ライトアップ」のデモンストレーションを行った。高層マンション「ドレッセタワー新綱島」は昨年(2023年)の開催時はまだ工事中だった(3月31日19時40分ころ)

満開になった桃の花もあり「ライトアップ」のデモンストレーションを行った。高層マンション「ドレッセタワー新綱島」は昨年(2023年)の開催時はまだ工事中だった(3月31日19時40分ころ)

「濃いピンク色」の花を艶やかにまとう日月桃の木。老朽化し枯れてしまったものもあるという

「濃いピンク色」の花を艶やかにまとう日月桃の木。老朽化し枯れてしまったものもあるという

鉄道工事を担っていた宮内建設株式会社(緑区鴨居)が、事務所は撤収したものの、街のにぎわいにと、「池谷桃園ぼんぼりライトアップ」の実施に協力することになり、きょう(2024年)4月1日(月)から約1週間程度の予定で、桃畑のライトアップを実施する予定です。

日中に眺める桃の花も楽しんでもらいたいとしており、「綱島東小学校(綱島東3)近くの街路樹として植えられた花桃も大変美しく、見ごろを迎えています。ぜひ買い物、散策の足などにぶらりお立ち寄りいただければ」と池谷さん。

池谷桃園のライトアップの時間は日没から22時ころまで。雨天でも実施する予定。桃畑への立ち入りは不可となっています。

池谷さんは街路樹の「花桃」も楽しんでもらいたいと語っていた(綱島東2丁目付近)

池谷さんは街路樹の「花桃」も楽しんでもらいたいと語っていた(綱島東2丁目付近)

新綱島駅周辺の新しい街づくりを盛り上げていきたいと思っています。(桃畑の)周囲からぶらり鑑賞でお楽しみください」(池谷さん)とのこと。

変わりゆく新綱島駅周辺の変化を確認しながら、かつては桃の街ともいわれた綱島の歴史を感じられる周辺散策を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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【参考リンク】

綱島東1丁目「池谷桃園」の場所(Googleマップ)


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