<慶應下田>サッカー場に“最上級の人工芝”、桜フェスタで地域に初披露 | 横浜日吉新聞

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慶應下田のグラウンド“最上級の人工芝”が登場。2027年の創部100周年に向けて、地域からの熱き声援を呼び掛けています。

慶應義塾大学下田グラウンド(サッカー場、下田町1)を本拠地とし活動を行う慶應義塾大学体育会サッカー(ソッカー)部は、先週(2024年)3月16日午前、同グラウンドの人工芝の張り替えの「竣工記念式典」を開催。

慶應義塾大学体育会サッカー(ソッカー)部による下田グラウンドの人工芝張り替えを祝う「竣工記念式典」が開かれた

慶應義塾大学体育会サッカー(ソッカー)部による下田グラウンドの人工芝張り替えを祝う「竣工記念式典」が開かれた

2014年7月に行われた前回の張り替えから10年目に「最上級クラス」といわれる人工芝のピッチ上で、現役部員OB・OG会慶應サッカースクールの生徒や教職員ら約150人が新たに生まれ変わったグラウンドに集い、その完成を祝いました。

1921(大正10)年創部、1927(昭和2)年に「ソッカー部」の名称で正式に慶應義塾体育会に加入したという歴史を持つ同サッカー部。

「三田ソッカー倶楽部」の縣(あがた)会長は、「2006年の人工芝張り替え時には募金委員会の委員になりました」と当時を懐かしいと振り返っていた

「三田ソッカー倶楽部」の縣(あがた)会長は、「2006年の人工芝張り替え時には募金委員会の委員になりました」と当時を懐かしいと振り返っていた

山内常任理事は「大学のサッカー部だけでなく高校、一番若いところでは幼稚舎(小学校)といった、幅広い世代の学生がサッカーに親しむ場所」として「広い世代の塾生(在学生)がサッカーや慶應のスポーツを大事にして生きていく場としていくことに期待しています」と語っていた

山内常任理事は「大学のサッカー部だけでなく高校、一番若いところでは幼稚舎(小学校)といった、幅広い世代の学生がサッカーに親しむ場所」として「広い世代の塾生(在学生)がサッカーや慶應のスポーツを大事にして生きていく場としていくことに期待しています」と語っていた

秋山部長は「土の時代は雨の日の試合や練習ではなく、その翌日、カチコチにぼこぼこに固まってしまったグラウンドの土をほぐすという作業、手に血豆(ちまめ)ができるほど大変で、これが一番恐怖だったと聞いています」と話していた

秋山部長は「土の時代は雨の日の試合や練習ではなく、その翌日、カチコチにぼこぼこに固まってしまったグラウンドの土をほぐすという作業、手に血豆(ちまめ)ができるほど大変で、これが一番恐怖だったと聞いています」と話していた

初めて人工芝を導入した2006(平成18)年秋から、今回で3回目となる張り替え事業は、2019年秋から検討を開始、2022年夏に慶應義塾(学校側)に正式に申請を行い、昨年(2023年)12月中から張り替え工事を行ってきたといいます。

「募金活動の苦労もあり、今回は10年前から行ってきた資金の積み立てによる(人工芝の)張り替えとなりました」と語るのは、1994(平成6)年卒業、卒業生による社会人チーム「慶應BRB」でも活動を行う藤岡康さん

約1200人が在籍しているというOB・OG会組織「三田ソッカー倶楽部」が募金活動を行い資金を集めた前回までの張り替えとは異なり、計画的に準備を進めてきたことを明かします。

中田一朗総監督、中町公祐監督(男子)、黄大城(ファン・テソン)監督(女子)からMCCスポーツ株式会社に感謝状を贈呈

中田一朗総監督、中町公祐監督(男子)、黄大城(ファン・テソン)監督(女子)からMCCスポーツ株式会社に感謝状を贈呈

日本体育施設株式会社の鈴木康介さんにも同様に感謝状が贈られていた

日本体育施設株式会社の鈴木康介さんにも同様に感謝状が贈られていた

それでも、今回の張り替えの準備や手続きには約5年ほどの歳月を費やしたといい、芝生張り替えの全体施行管理を行う日本体育施設株式会社(東京都中野区)や芝生メーカーのMCCスポーツ株式会社(同千代田区)、そして慶應義塾との交渉やミーティングを重ね、同じく費用負担を行った同塾とともに今回の芝生の張り替えを実現。

両社や同塾関係者らとともに「竣工記念式典」の日を迎えることができたことを喜びます。

男子部主将の山口さんは「先日、関東大学リーグ開幕戦がこの地で開催できることが決定しました。そこで皆様に良いご報告ができるよう、この下田の地に誇りをもってトレーニングに取り組んでいきたいと考えています」との決意表明を行っていた

男子部主将の山口さんは「先日、関東大学リーグ開幕戦がこの地で開催できることが決定しました。そこで皆様に良いご報告ができるよう、この下田の地に誇りをもってトレーニングに取り組んでいきたいと考えています」との決意表明を行っていた

女子部主将の岩瀬さんも「気持ちを新たに今年こそ一部昇格を果たせるよう部員一同精進していきます」との決意を力強く語っていた

女子部主将の岩瀬さんも「気持ちを新たに今年こそ一部昇格を果たせるよう部員一同精進していきます」との決意を力強く語っていた

記念式典では、主務を務める内藤豪さんが司会進行を行い、「三田ソッカー倶楽部」の縣(あがた)恵一会長や、慶應義塾で体育会や一貫教育校を担当する山内慶太常任理事、環境情報学部の教授での秋山美紀ソッカー部部長があいさつ。

張り替えに尽力した2社に感謝状を贈呈した後、主将山口紘生(こうせい)さん岩瀬絢弥(あや)さんが、男子部と女子部それぞれが「(関東大学サッカーリーグ戦での)1部への昇格」を目標とした決意表明を行い、ペナルティキック方式での始球式や全体での写真撮影なども行っての式典を締め括(くく)っていました。

「ペナルティキック方式による始球式」に4人のキッカーがチャレンジ

「ペナルティキック方式による始球式」に4人のキッカーがチャレンジ

山内常任理事は笑顔で始球式に臨んでいた

山内常任理事は笑顔で始球式に臨んでいた

始球式でピッチに立ち見事にゴールを決めた「三田ソッカー倶楽部」前会長の小室誠治さんは、「体育会に加入してからソッカー部は2027年に100周年。(グラウンドを使用する)小学生から、同グラウンドを使用している慶應義塾高校の生徒、大学生が一緒になり、『塾ソッカー部』らしさ、そして100周年に向け学生日本一を目指してもらえれば」との“OB・OGの願い”を熱く語っていました。

新監督就任や選手活躍でも話題、“地域からの応援”を

今回、敷設された新しい人工芝は、「全国の学校施設では、まだ施行実績は10件もない」(MCCスポーツ)ほどの件数だという「アストロレアル(N50 XC)」を使用しています。

「最上級グレードに位置付けられ、しなやかな質感や、耐久性はもとより、ケガ防止につながるスパイクのひっかかりのなさなど、全てにおいて最高級品質」と主務の内藤さんは式典の場で説明。

最上級グレードの「アストロレアル」人工芝はまだ全国でも10件も導入事例がないという

最上級グレードの「アストロレアル」人工芝はまだ全国でも10件も導入事例がないという

人工芝の張り替えにあわせ行われたという、SDGs(エスディージーズ=持続可能な開発目標)に配慮した照明のリニューアル(LED)もあり、「第98回関東大学サッカーリーグ戦(2部)」で7月14日(日)以降6試合を下田グラウンドでナイターで実施されることが決定したことを喜びます。

また、秋山ソッカー部部長は昨年(2023年)4月から、女性としては初だという体育会部の部長として就任。

新しい人工芝の踏み心地は「フカフカ」。記念式典の参加者が集まり記念撮影を行った

新しい人工芝の踏み心地は「フカフカ」。記念式典の参加者が集まり記念撮影を行った

2024シーズンからは、同部OB横浜F・マリノスでも活躍した中町公祐さんが男子部の監督に新たに就任しています。

4月から新2年生となる塩貝健人選手がF・マリノスに2027シーズンから加入することが内定、3月27日までのヨルダン遠征に臨むU-19日本代表メンバーに選出されるなど、さらなるチーム力の向上にも貢献していくことが期待されています。

小室前会長は100周年に向けた事業を担当していくとのこと。「中町新監督は慶應愛が強い。期待しています」と語っていた

小室前会長は100周年に向けた事業を担当していくとのこと。「中町新監督は慶應愛が強い。期待しています」と語っていた

慶應義塾体育会が、地域にとってより「身近な存在」となることを目的としたイベント「桜スポーツフェスタ」内で今回の式典が行われたことについては、「地域の人たちにも愛される、応援される慶應のサッカーとなっていくことに期待しています」と山内常任理事が式典の場で語っています。

「下田グラウンドで行われる試合に、ぜひ地域の皆様も来場いただき、選手を応援いただければ」と縣会長。

人工芝の張り替えに尽力した藤岡さんも早速新しい「フットサル場」の芝生の感触を確認していた

人工芝の張り替えに尽力した藤岡さんも早速新しい「フットサル場」の芝生の感触を確認していた

サッカー場の使用をより円滑に行うためにと、約4台の駐車場スペースがあった場所に新たに同じ人工芝を敷設した「フットサル場」も整備、この日の桜フェスタ内で地域の人々にも初公開されています。

さらなる地域内外における選手育成、また慶應義塾らしい教育理念を体現する場としても、同サッカー部がより大きな存在感を発揮していくことになりそうです。

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【参考リンク】

慶應義塾体育会ソッカー部のサイト

慶應義塾体育会ソッカー部女子のサイト


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