慶應下田のグラウンドに“最上級の人工芝”が登場。2027年の創部100周年に向けて、地域からの熱き声援を呼び掛けています。
慶應義塾大学下田グラウンド(サッカー場、下田町1)を本拠地とし活動を行う慶應義塾大学体育会サッカー(ソッカー)部は、先週(2024年)3月16日午前、同グラウンドの人工芝の張り替えの「竣工記念式典」を開催。
2014年7月に行われた前回の張り替えから10年目に「最上級クラス」といわれる人工芝のピッチ上で、現役部員やOB・OG会、慶應サッカースクールの生徒や教職員ら約150人が新たに生まれ変わったグラウンドに集い、その完成を祝いました。
1921(大正10)年創部、1927(昭和2)年に「ソッカー部」の名称で正式に慶應義塾体育会に加入したという歴史を持つ同サッカー部。
初めて人工芝を導入した2006(平成18)年秋から、今回で3回目となる張り替え事業は、2019年秋から検討を開始、2022年夏に慶應義塾(学校側)に正式に申請を行い、昨年(2023年)12月中から張り替え工事を行ってきたといいます。
「募金活動の苦労もあり、今回は10年前から行ってきた資金の積み立てによる(人工芝の)張り替えとなりました」と語るのは、1994(平成6)年卒業、卒業生による社会人チーム「慶應BRB」でも活動を行う藤岡康さん。
約1200人が在籍しているというOB・OG会組織「三田ソッカー倶楽部」が募金活動を行い資金を集めた前回までの張り替えとは異なり、計画的に準備を進めてきたことを明かします。
それでも、今回の張り替えの準備や手続きには約5年ほどの歳月を費やしたといい、芝生張り替えの全体施行管理を行う日本体育施設株式会社(東京都中野区)や芝生メーカーのMCCスポーツ株式会社(同千代田区)、そして慶應義塾との交渉やミーティングを重ね、同じく費用負担を行った同塾とともに今回の芝生の張り替えを実現。
両社や同塾関係者らとともに「竣工記念式典」の日を迎えることができたことを喜びます。
記念式典では、主務を務める内藤豪さんが司会進行を行い、「三田ソッカー倶楽部」の縣(あがた)恵一会長や、慶應義塾で体育会や一貫教育校を担当する山内慶太常任理事、環境情報学部の教授での秋山美紀ソッカー部部長があいさつ。
張り替えに尽力した2社に感謝状を贈呈した後、主将の山口紘生(こうせい)さん、岩瀬絢弥(あや)さんが、男子部と女子部それぞれが「(関東大学サッカーリーグ戦での)1部への昇格」を目標とした決意表明を行い、ペナルティキック方式での始球式や全体での写真撮影なども行っての式典を締め括(くく)っていました。
始球式でピッチに立ち見事にゴールを決めた「三田ソッカー倶楽部」前会長の小室誠治さんは、「体育会に加入してからソッカー部は2027年に100周年。(グラウンドを使用する)小学生から、同グラウンドを使用している慶應義塾高校の生徒、大学生が一緒になり、『塾ソッカー部』らしさ、そして100周年に向け学生日本一を目指してもらえれば」との“OB・OGの願い”を熱く語っていました。
新監督就任や選手活躍でも話題、“地域からの応援”を
今回、敷設された新しい人工芝は、「全国の学校施設では、まだ施行実績は10件もない」(MCCスポーツ)ほどの件数だという「アストロレアル(N50 XC)」を使用しています。
「最上級グレードに位置付けられ、しなやかな質感や、耐久性はもとより、ケガ防止につながるスパイクのひっかかりのなさなど、全てにおいて最高級品質」と主務の内藤さんは式典の場で説明。
人工芝の張り替えにあわせ行われたという、SDGs(エスディージーズ=持続可能な開発目標)に配慮した照明のリニューアル(LED)もあり、「第98回関東大学サッカーリーグ戦(2部)」で7月14日(日)以降6試合を下田グラウンドでナイターで実施されることが決定したことを喜びます。
また、秋山ソッカー部部長は昨年(2023年)4月から、女性としては初だという体育会部の部長として就任。
2024シーズンからは、同部OBで横浜F・マリノスでも活躍した中町公祐さんが男子部の監督に新たに就任しています。
4月から新2年生となる塩貝健人選手がF・マリノスに2027シーズンから加入することが内定、3月27日までのヨルダン遠征に臨むU-19日本代表メンバーに選出されるなど、さらなるチーム力の向上にも貢献していくことが期待されています。
慶應義塾体育会が、地域にとってより「身近な存在」となることを目的としたイベント「桜スポーツフェスタ」内で今回の式典が行われたことについては、「地域の人たちにも愛される、応援される慶應のサッカーとなっていくことに期待しています」と山内常任理事が式典の場で語っています。
「下田グラウンドで行われる試合に、ぜひ地域の皆様も来場いただき、選手を応援いただければ」と縣会長。
サッカー場の使用をより円滑に行うためにと、約4台の駐車場スペースがあった場所に新たに同じ人工芝を敷設した「フットサル場」も整備、この日の桜フェスタ内で地域の人々にも初公開されています。
さらなる地域内外における選手育成、また慶應義塾らしい教育理念を体現する場としても、同サッカー部がより大きな存在感を発揮していくことになりそうです。
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