2018年「桜スポーツフェスタ」は3/24(土)、開催支えるボランティアの想い | 横浜日吉新聞

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今年(2018年)の慶應義塾体育会「桜スポーツフェスタ」は第11回目の開催となる。地域の子どもたちに配布された案内チラシ(読者提供)

今年(2018年)の慶應義塾体育会「桜スポーツフェスタ」は第11回目の開催となる。地域の子どもたちに配布された案内チラシ(読者提供)

慶應義塾大学の体育会学生と地域の交流の場として11年――恒例となった「第11回桜スポーツフェスタ」。今年も、「地域と学生の交流」をテーマとして、今週末(2017年3月)24日(土)9時から16時30分まで、慶應義塾大学下田学生寮およびその周辺(日吉本町2~下田町1)にて開催されます(雨天時は翌3月25 日(日)に順延)。

今年も、下田地区で活動する体育会5部(野球部・蹴球部=ラグビー部・ソッカー部=サッカー部・ホッケー部・ソフトテニス部)の部員が中心となり、自主的に企画・運営を実施。

同体育会が「地域の方々にとってより身近な存在」となるよう、体育会ならではの「スポーツ」という切り口から両者の交流を深め、“協力的かつ継続的な関係”を築くことを目的として開催するといいます。

毎年、招待試合や体験教室、グラウンド開放やステージ、スタンプラリー形式でスポーツを楽しめる「シモリンピック」などのイベントを行う中、会場を盛り立てる「飲食ブース」で、学生たちを支える地域ボランティアの姿が、今年も見られます。

ボランティアも「桜スポーツフェスタ」に参加で学生と交流

2008年の第1回開催時から、同イベントを支えてきたというボランティア下田代表加賀雅典(まさのり)さんは、かつては下田町に住まい、現在は日吉本町5丁目で「行政書士・海事代理士 加賀雅典法務事務所」を営んでいます。

第5回開催時の様子。4月に入っていたものの、まだ桜はあまり咲いていなかった。「まだ地域の人々の認知度も今ほどではなかった」と加賀雅典さん(2012年4月1日、撮影も)

第5回開催時の様子。4月に入っていたものの、まだ桜はあまり咲いていなかった。「地域の人々の認知度も今ほどではなかった」と加賀雅典さん(2012年4月1日、撮影も)

かつて慶應義塾大学法学部に在学していた加賀さんは、学生時代に取り組んだ「慶應義塾ワグネル・ソサィエティー・オーケストラ」での練習や活動もあり、ふるさと愛知県を離れて日吉に在住し、今年で満24年となるとのこと。

現在では、地域に根差した業務に取り組む傍(かたわ)ら、時間を調整して、60~80代が中心だという「ボランティア下田」で、ゴミ出し、通院・通学の付添い、家具の移動、電球交換といった高齢者・障がい児者からの依頼事への対応や、バザー・お祭りの手伝いといった地道なボランティア活動を継続して行っています。

そんな加賀さんたち「ボランティア下田」のメンバーが毎年同フェスタで取り組んでいるのが、花冷えしそうな気候でも、参加者にあたたかさとぬくもりを伝える「豚汁づくり」

同じ下田町で活動するボランティア団体サンヴァリエ日吉ボランティア会(下田町4、黒田道子代表)とともに、体育会学生らが販売する豚汁の仕込みや調理を担当。販売は学生が行うという分担で、第1回開催時から毎年行ってきているというのです(第4回のみ東日本大震災のため中止)。

いつかは「ふるさと」にとの想い、学生との議論も闊達(かったつ)に

ボランティアの「ぬくもり」も込められた豚汁は毎年大好評で完売している(2016年3月26日、同)

ボランティアの「ぬくもり」も込められた豚汁は毎年大好評で完売している(2016年3月26日、同)

例年、開催前の2月に行われる学生代表との打ち合わせ時には、「前年の反省を活かして、より調理しやすく、また準備も怠りなく行えるよう、反省会で語り合ったことを踏まえ、闊達(かったつ)な議論を行っているんです」と加賀さん。

ここ数年「約280食も完売」するほどに好評な「豚汁」作りを、よりスムーズに、また滞(とどこお)りなく行うためにも、学生たちには、率直に、前回までの反省点や改善点を伝えているといいます。

慶應塾員(OB)として「卒業後も、慶應と関わり続けることができる機会があることを何よりもうれしい」と語る加賀さんが感じているのは、「体育会の学生の皆さんが下田にいるのは長い人生の中では、わずか“数年”のことかもしれません。でも、卒業しても、“自分たちのふるさと”として、いつかまた、戻ってきてほしいんです」との想い。

社会人になっても、また住民としても、また「日吉に戻ってきてもらえたら」と加賀さん(2017年3月25日、同)

社会人になっても、また住民としても、「また日吉に戻ってきてもらえたら」と加賀さん(2017年3月25日、同)

社会人になり、仮に日吉近郊に住んでいなくても、「たまには、このイベントのことを知り、日吉や下田を“懐かしい”と訪れてくれたなら。いつも通った日吉の店や風景が変わりゆくのを懐かしんでもらうのもよし、そして、いつかはこの街に住んで、一緒にこのイベントや街を盛り上げてくれるなら、さらにうれしいです」と、日吉へまた再び“塾員”が戻ってきてくれるのを楽しみにしているとのこと。

「東日本大震災の年以外は、雨天・荒天による順延もないんです」という加賀さんの言葉通り、桜の景色のみ、その年々で大きな変動があるものの、毎年穏やかな気候の中、無事に行われてきた同フェスタ。

今年はどんな出会いが待っているのか。好天に恵まれることを期待したい(2015年3月28日、同)

今年はどんな出会いが待っているのか。好天に恵まれることを期待したい(2015年3月28日、同)

日吉地区では、もはや「唯一」となった、慶應義塾の学生と地域の人々が“一緒に創り上げる”数少ないイベントとしての役割。また、来年(2019年)のラグビーW杯や、2020年の東京オリンピック・パラリンピックも近づく中での体育会学生と地域との「協働作業」にも、より一層大きな注目が集まっています。

慶應下田寮周辺の学生たちと地域の親子連れの歓声が響く貴重な空間。人々の新たな交流が生まれることによって、学生たちのみならず、地域に生きる人々にとっても、忘れられない春の日、そして「心のふるさと」としての新たな記憶を発見できる一日となりそうです。

【関連記事】

慶應下田「桜スポーツフェスタ」は3/25(土)に、体験やステージに高まる期待感(2017年3月20日)※2017年の記事

慶大時代から日吉に住んで22年、行政書士・加賀さんが築いた地域との信頼感(2016年9月14日)

【参考リンク】

体育会/第11回桜スポーツフェスタ開催のお知らせ(慶應義塾体育会のサイト)

第11回桜スポーツフェスタを3月24日(土)に日吉で開催 Smile Kind Ring ~桜でつながる地域の輪~(慶應義塾公式サイト・プレスリリース)

第11回桜スポーツフェスタTwitter

桜スポーツフェスタ 公式アカウント(Instagram)


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