50周年を祝う体育館に響く子どもたちの歓声に、会場が「一つになる」瞬間が多数訪れていました。
今年(2023年)6月20日に「創立50周年」を迎えた横浜市立矢上小学校(日吉3)と、創立50周年事業実行委員会は、今月12月2日(土)午前、「創立50周年記念式典」を同小学校の体育館で開催。
地域などから24人の来賓を招き、全校児童約550人や教職員も同席するなか、約1時間45分間の記念式典を挙行しました。
穏やかな晴天に恵まれたこの日の朝には、50周年を祝う、学校周辺の水辺に生きる鳥や魚が描かれた記念の看板や、虹色でアレンジされたバルーンのゲートが来校者を“お出迎え”。
体育館に勢ぞろいした児童らが来賓を拍手で迎えるシーンからスタートしていました。
まずは式典の開催に先立ち、アトラクションとして、矢上小学校ヒストリー動画「手をつなぎ 笑顔いっぱい 矢上っ子」を上映することを6年生の代表児童2人が紹介。
港北区の歴史を伝える作品を多く制作する「港北ふるさとテレビ局」(伊藤幸晴代表)と6年生、PTAが協力して制作したという約15分間の動画を上映。
前半は地域や学校の歴史、後半は子どもたちや学校行事、未来に向けてのメッセージなどを収録した作品として仕上げられており、1年生と6年生のコラボで収録したという「校歌」が流れる中、エンディングを迎えた同作品の上映終了後には、その“サプライズ”と“感動”からか、高らかな拍手が会場に鳴り響いていました。
続いて、6年生児童による「初めの言葉」により式典がスタート。
第15代目の岸俊介校長が、地域の自治会・町内会から、体育館のステージ幕(緞帳=どんちょう)が寄贈されたこと、またヒストリー動画にもあった「たくさんの皆さんが協力して矢上小学校の歴史をつなげてきた」ことへの感謝の想いを語ります。

岸校長はステージ幕を地域から寄贈してもらったことに改めて感謝し来賓(らいひん)を紹介。歴史を「つなぐ」、記念式典のイベントで「つながる」、そして未来に「つなげる」50周年にしたいとの想いを熱く語っていた
続いてあいさつした元PTA会長で実行委員長の山田博子さんは、自身が同小学校を「巣立った」一人だったこと、当時は田んぼや畑ばかりで公園もなく、放課後はザリガニをとったり泥だらけになって遊んだりしていたと、懐かしそうに在学当時を振り返っていました。
そして特別ゲストとして招いた芸術ユニット「明和電機」(株式会社明和電機、東京都品川区)社長の土佐信道さんによるパフォーマンスも披露。
兵庫県出身、筑波大学大学院芸術研究科修士課程を修了したという「理系」専攻の“社長”らしい作業着姿で、“発明”したというオリジナル楽器による“驚き”に満ちた約30分間のステージを展開しました。
「ものづくりとアート」によるユーモアあふれる“新しい価値観”を、深く印象的に子どもたちと分かち合っているかの時間を過ごしていました。
式典のフィナーレは横浜美術大学(学校法人トキワ松学園、青葉区鴨志田町)ビジュアルデザイン研究室の三橋純教授や学生たちと6年生児童による共創アニメーション(プロジェクションマッピング)の上映。
体育館やステージ周辺を「包み込む」、そしてアニメーションに「吸い込まれる」かの“サプライズ”に満ちた展開に、これまでの創立50周年事業の集大成と「未来」を感じさせるフィナーレにふさわしい“感動のラストシーン”を演出していました。

横浜美術大学の三橋純教授のもと、園川真唯さん、清水雪菜さん、戸田拓真さん、山本茉愛(まのあ)さん、宮本夢乃さん、岡川雄翔さんの6人の学生と助手の三好風太さん、青木茜子(あかね)副手が6年生児童とプロジェクションマッピングの制作を約半年間の期間にわたり行ってきた
「新1年生」「卒業生」招き展示やステージも
午後は「オープンYAGAMI(やがみ)&ホームカミングデー」企画として、今年3月に卒業した2022年度(令和4年度)の卒業生や在校生の保護者、新1年生とその保護者向けのオープンスクールを実施。
卒業生と在校生で作り上げた記念花壇前をフォトスポットとして設置し、図書室には校歌や記念品、50周年イベントや事業についての展示を行い、かつて在職した教職員のメッセージも掲出するなど、これまでの学校の歴史や歩みを感じられるかの演出を行っていました。
新1年生向けの「校内見学ツアー」や、体育館での「記念式典」で披露されたヒストリー動画、「明和電機」のステージや共創アニメーション(プロジェクションマッピング)を撮影した映像も、それぞれモニター画面を使用し上映されており、午前中に参加できなかった保護者らも、50周年の“感動を共有”するかの時間を過ごしていました。
創立50周年のフィナーレを彩る、記念ソング「スマイル(Smile)」の合唱イベント内では、同小学校放課後キッズクラブで活動を行うバイオリンクラブの皆さんも演奏を披露。
最後にあいさつした山田さんは「私もこの矢上小学校の卒業生です。きょう、昨日から、私の同級生が駆け付けてくれたりと本当につながっていると思い、みんなの歌声を聞いて、中学生も来てくれて、新しい一年生も、在校生も来てくれて、素晴らしいバイオリンも本当に感動しました」と、多くの来場者、そして演奏者に感謝の想いを伝えます。
そして「矢上小学校はこんな感じの本当にアットホームな感じの学校です。(きょう来ている)お父さん、お母さんたちも、心配なく先生方にお子さんを預けてください。私たちもサポートしますので、安心してください」と時折感極まり涙声で語り、50周年事業の“感動のフィナーレ”を締めくくっていました。
地域や教職員、在校児童が「一つ」になっての時間を共有した矢上小学校の創立50周年は、初めて、そしてまたとない“きらめき”を、次の100周年に残すことに成功したといえる一大イベントとして、後世にも語り継がれることになりそうです。
【当日の様子】

1993(平成5)年に結成。2023年5月にデビュー30周年を迎えた「明和電機」の“発明”電子楽器によるパフォーマンスがスタート。横浜美術大学の三橋教授との“長きにわたるつながり”から初の来校が実現したといいます

創立50周年記念ソングを作曲した清水篤子教諭は在校10年以上と、矢上小学校では「最長」のキャリアを持つとのこと。「作詞は卒業した現在中学校1年生の子どもたちも担当、きょう来場してくれていて嬉しい」との想いを語っていました
【関連記事】
・矢上小学校が創立50周年、記念式典ゴールに「地域ぐるみ」で事業を始動(2023年4月18日)
【参考リンク】
・【12月2日】50周年記念式典(同)
・50周年特設ページ(同)
・学校紹介~沿革(同)
・横浜市立矢上小学校のプロジェクションマッピング制作に協力(横浜美術大学)※リンク追記