新シーズンの「横浜ビーコル」は12選手で船出、目指す場所はただ1つ | 横浜日吉新聞

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1つしかない明確な目標を掲げ、新たな「2023-24シーズン」に挑みます。

プロバスケットボール「Bリーグ」の横浜ビー・コルセアーズ(ビーコル)は、来月(2023年)10月7日(土)の新シーズン開幕を敵地で迎え、2週後の21日(土)から「横浜国際プール」(都筑区北山田)で本拠地開幕シリーズを「琉球ゴールデンキングス」と戦います。

10月に始まる「2023-24シーズン」は12選手でスタートとなる(7月25日)

前シーズンのビーコルは目標としていた「チャンピオンシップ(CS)」への初進出を果たしてベスト4という成績を残し、B1リーグ戦と並行して行われた「天皇杯」でも同様の成績で終えました。

チームを統括する竹田謙GM(ゼネラルマネージャー)は「躍進の1年となり多数の経験を積むことができたが、タイトルまでの距離も実感できた。まだまだすべきことがある」と総括。

12選手を紹介する竹田GM(同)

今季も指揮をとる青木勇人HC(ヘッドコーチ)も「クラブとして強いチームでありたい、そんな覚悟とともにタイトルを取れるよう戦っていく」と話します。

主力として活躍した河村勇輝選手(PG=ポイントガード)は「目指すべきところは1つしかない」といい、さらに一段高い目標を定めて迎えるシーズンとなります。

新シーズンのユニフォームについて「深みのある色合いになっていて、深みのあるチームや選手になれるように日々頑張りたい」と話した河村選手(同)

主力8選手に移籍の4選手が加わる

今季の新たなチームは、青木HCらスタッフ陣は変わらず、主力の8選手4人の移籍選手が加わり、全12選手で開幕を迎えます。

3シーズン目となる青木HC(左2人目)は「1シーズンは種をまきながら過ごし、2シーズン目は少しずつ成長を見せることができた」と話していた(7月25日、たきがしら会館)

「ビーコルのスタンダードをさらに高めてくれることを期待している」(竹田GM)という新加入の選手は次の4人。

)#は背番号、氏名の部分からビーコル公式サイトの該当ページにリンク

「日本では3シーズン目となり、非常に高い得点能力を持っている」(竹田GM)というジェロード・ユトフ選手(30歳)をはじめ、杉浦佑成選手(28歳)は「フィジカルの強さとサイズもあり、ディフェンス力はもちろん、高確率の3ポイントも期待したい」(同)との評価。

滋賀から移籍した杉浦選手(左)はビーコルについて「選手それぞれが持ち味を生かして戦うスタイルで、自分の得意な部分を今まで以上に出せる環境」といい、渋谷から移った西野選手は「比較的若いチームでバスケもプライベートも見ていて楽しそうだと思った」と話していた(7月25日)

西野曜(よう)選手(25歳)は「サイズに恵まれていて、多彩な得点パターンを持っている」(同)ことが特徴で、ジョシュ・スコット選手(30歳)は「インサイドの要(かなめ)となる重要な選手。チームのコンセプトに合った走れるセンターだ」(同)といいます。

また、前シーズンの途中に東海大学から新加入した松崎裕樹選手(23歳、SG=シューティングガード/SF)については「今シーズンからフルに戦うなかで、どれだけ成長できるか楽しみ」と竹田GMが期待を込めて話していました。

今季もキャプテンとしてチームを引っ張る森井健太選手(PG、#18)は「みなさんの期待も高まるなかで試されるシーズンになる。さらに上へ行くには12人全員の力が必要だ。一致団結できるよう頑張っていく」と決意を示します。

写真の8選手に外国籍の4選手が加わり、12人で新シーズンへの船出となる。今季もオフィシャルスーツは本拠地の地元・都筑区に本社を置くAOKI製

オフコートキャプテンに就く大庭岳輝(たける)選手(SG、#14)が「より上を目指すタフなシーズンになる」と気を引き締め、同じくオフコートキャプテンに選ばれた松崎選手は「前季は練習の雰囲気づくりや強度を先輩たちに引き上げてもらったので、今年は下から底上げしたい」と意欲を見せていました。

なお、前シーズンに活躍したパトリック・アウダ選手(PF)ら次の4選手は他のチームへ移籍しており、今後はビーコルをよく知る敵として戦わなければならない機会が出てきそうです。

)#=背番号は前季のビーコル時代のもの。氏名の部分からビーコル公式サイトの該当ページにリンク

  • パトリック・アウダ選手(PF、#1):3シーズン所属、青森ワッツへ移籍
  • 赤穂雷太選手(SG/SF、#6):特別指定選手の1シーズンと前シーズン所属、秋田ノーザンハピネッツへ移籍
  • 森川正明選手(SF、#9):3シーズン所属、長崎ヴェルカへ移籍
  • チャールズ・ジャクソン選手(C、#10):1シーズン所属、京都ハンナリーズへ移籍

運営会社の経営面でも飛躍遂げる

前シーズンはB1リーグや天皇杯での成績だけでなく、運営会社である株式会社横浜ビー・コルセアーズ(都筑区中川中央)の経営面でも飛躍を遂げています。

Bリーグの中心チームになるという高い目標を発表した白井社長(7月25日)

一昨年9月に就任した白井英介社長によると、ホームゲームの平均来場者数は3694人を記録し、クラブ史上最高となる約8億9000万円の売上と1300万円程度の利益を実現したといいます。

「一段大きく事業として成長していくことができた」と振り返り、「新B1(2026年から始まる新たな最上位リーグ「B.LEAGUE PREMIER=Bリーグプレミア」)の審査基準クリアはあくまで通過点。そこから先は、リーグの中心的な存在になっていきたい」と白井社長。

2026-27シーズンから現在の「B1」は「B.LEAGUE PREMIER(Bリーグプレミア)」となるが、そこへ入るには売上12億円以上、入場者数4000人以上、5000席以上の観客席数を持ったアリーナ確保などの基準が設けられている(Bリーグの「B.革新」特設ページより)

そのうえで、「横浜ベイスターズや横浜F・マリノスに次ぐ3つ目の大きなプロスポーツクラブとして、横浜に根ざして発展していくことを目指す」といい、「今季はタイトル獲得を目指すことを決意した。16億円の売上と来場4200人程度を目標とし、名実ともにトップクラブの仲間入りができるよう事業上も成長していく」と力を込めました。

来年4月に「横浜BUNTAI」開催も

10月21日(土)琉球ゴールデンキングス戦を皮切りに来年(2024年)3月31日(日)のアルバルク東京戦まで、今シーズンもホームアリーナとして23試合に使用する横浜国際プールでは、選手の要望をきっかけにウッドコート(木床)の敷設が決まるなど、環境面での整備が進みます。

新シーズンは10月21日(土)から2024年3月31日(日)までの間に本拠地の「横浜国際プール」で23試合を実施し、4月と5月に「横浜BUNTAI(ブンタイ)」で5試合、トッケイセキュリティ平塚総合体育館では4月に2試合を行う予定。なお、本拠地開幕から3戦はすでに座席がほぼ売り切れている状態(横浜ビー・コルセアーズの公式サイトより、※7月28日時点の予定表のため時間などは変更の可能性がある)

シーズン終盤となる来年4月には旧「横浜文化体育館」の跡地(中区不老町2)で同月のオープンを予定する「横浜BUNTAI(ブンタイ)」(約5000席)で4月10日(水)・13日(土)・14日(日)、5月4日(土)・5日(日)に計5試合を組んでおり、市内全域へのファン拡大を期待したいところ。

このほか、ビーコルはきのう9月24日までに行われた「第99回天皇杯」の2次ラウンドに3連勝して勝ち抜いており、12月13日(水)にはホームエリア内でサンロッカーズ渋谷と3次ラウンドを戦う予定です。

また、ビーコルが練習拠点とする磯子区の「たきがしら会館」では、ビーコル自らが指定管理者に応募して今年4月に選ばれており、「(運営者として)この会館を収益化し、市に貢献していきたい」(白井社長)と意欲を見せます。

今年6月にリニューアル工事を終えた磯子区にある市の文化・体育施設「たきがしら会館」は、ビーコルが練習拠点とするだけでなく、指定管理者として運営していく立場となった

2010(平成22)年の設立以来、旧「bjリーグ」時代から一定の人気を誇る一方で経営や成績面で苦戦することが多かったビーコルでしたが、そんな段階は遠くに過ぎ、Bリーグの中心チームになるという高い目標を掲げて新たなシーズンに船出します。

【関連記事】

・【前シーズンの結果】横浜ビーコルはCS準決勝で敗れる、「悔しい経験はチームの財産」(2023年5月22日)

・【前シーズン開始前の記事】<横浜ビーコル>体制強化で挑む新シーズン、若いチームが初のCS目指す(2022年8月1日)

【参考リンク】

横浜ビー・コルセアーズの試合日程(2023年10月7日~2024年5月5日)

【10/21(土)・22日(日)琉球戦/25日(水)SR渋谷戦】立見席販売のお知らせ(すでに開幕から本拠地3戦の座席は完売している状態)


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