横浜ビーコルが連勝し「CS準決勝」進出、5月20日から敵地で琉球と決戦 | 横浜日吉新聞

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シーズン2位だった横浜ビーコルが1位の川崎に連勝し、準決勝への進出を決めました。

Bリーグの上位8チームで日本一を争うチャンピオンシップ(CHAMPIONSHIP=CS)」に出場している横浜ビー・コルセアーズ(横浜ビーコル)は、今月(2023年)5月13日と14日に「川崎市とどろきアリーナ」(中原区等々力)で行われた川崎ブレイブサンダースとの準々決勝(クォーターファイナル=2戦先勝方式)に連勝しました。

試合後にあいさつする横浜ビーコルの選手ら(5月14日、川崎市とどろきアリーナ)

CSに初出場となった横浜ビーコルは5月13日の初戦、開始早々から11点を奪われてリードを許す展開も、第3Q(クォーター)に追い付き、終盤のシーソーゲームを制して91対86で逆転勝ち

翌14日の2戦目は逆に横浜ビーコルが12点を先制し、その後もリードを保ったままで優位に試合を進め、終わってみれば104対84と20点差を付けて勝利し、2連勝で準決勝(セミファイナル)へ駒を進めました。

2試合で32得点を決めたデビン・オリバー選手

チャールズ・ジャクソン選手(#10、C=センター)が2試合で計42得点、デビン・オリバー選手(#15、SF/PF=スモールフォワード/パワーフォワード)は同32得点と2試合連続で2ケタ得点の活躍。

また、チーム全体でもシーズン中は低調だったフリースローの成功率がこの2試合では17%上がって約8割となり、3P(ポイント)シュートの成功率も7%上がって38.8%と4割に近づきました。

チャールズ・ジャクソン選手はレギュラーシーズン中に5割を切っていたフリースローの成功率がこの2試合中は6割に上昇

一方、川崎は60試合のレギュラーシーズンは「中地区」で地区優勝を果たしましたが、CSを前にした4月の試合で主力の外国籍選手2人が負傷して相次ぎ離脱。

さらにCS初戦でもっともプレー時間の長かったジョーダン・ヒース選手(#35、PF/C=パワーフォワード/センター)も負傷していたことが明らかになり、2戦目は急きょ欠場し、日本人選手を中心とした9人で戦う状況に陥っています。

川崎の2戦目は外国籍選手が揃わず苦しい試合となった

川崎の佐藤賢次HC(ヘッドコーチ)は「全員が揃って制限なくできた試合は(レギュラーシーズンの)60試合中18試合くらいしかなかった」といい、篠山竜青選手(#7、PG=ポイントガード)も「苦しいことのほうが多かったシーズンで、最後もそれを象徴するかようにアクシデントがあり、人数が揃わないなかで(試合に)臨むことになった」と試合後に振り返りました。

一方の横浜ビーコルもCS出場が決定した後のシーズン終盤に5連敗を喫したことに加え、主力の河村勇輝選手(#5、PG)が最終盤の試合で負傷

河村選手はケガの影響で出場時間が限定されたが2試合とも2ケタ得点を記録

不安材料を抱えるなかで迎えたCSでしたが、初戦は20分ほど出場できた河村選手が16得点と活躍して逆転勝利に貢献し、2戦目は出場時間を14分弱に制限しながらも12得点を叩き出しています。

2戦目の試合後に横浜ビーコルの青木勇人(たけと)HCは、「ビーコルブースターの応援を背に神奈川で戦えたことは、自分たちにとって心強かった。最高の会場と環境で試合をさせてもらった」といい、2連勝で終えられたことに「(時間が空くので次戦に)より良いコンディションで臨める」とのプラス面を説明します。

アウエーながらベンチ側を中心に横浜ビーコルのファンで埋め尽くされていた

河村選手は「川崎の分まで(次も)絶対に勝たなければいけないという責任感が生まれた」と勝利の瞬間を振り返り、準決勝は敵地の沖縄で「琉球ゴールデンキングス」と対戦が決まったことについて、「(今年2月の)天皇杯(準決勝)で負けているので、“借り”を含めて絶対に勝ってファイナル(決勝)に駒を進めたい」と話していました。

準決勝(セミファイナル)は5月20日(土)と21日(日)に連戦し、1勝1敗の場合は23日(火)に第3戦が行われます。通算2勝14敗と分が悪い西地区の強豪に敵地で食らいついて勝利をもぎ取れるでしょうか。今回も試合はNHK「BS1」で中継される予定です。

今後は真の“神奈川ダービー”となるか

2戦目の試合後、川崎の佐藤HCから「セミファイナル(準決勝)を頑張ってください。絶対琉球に勝ってください」とエールを送られた横浜ビーコル。

試合後の記者会見でbjリーグの選手時代から川崎と対戦してきた思い出を語った青木ヘッドコーチ

これまでの横浜ビーコルにとって川崎の“壁”は厚く“神奈川ダービー”とは言っても名ばかりといえる状態で、「(Bリーグの前身である)bjリーグの時代から練習試合などで毎年“ボコボコ”にされていた」と当時は選手だった青木HCは振り返ります。

ところが今季はシーズン中の1勝と天皇杯の1勝を含め、CSに連勝したことで川崎相手に4勝3敗で勝ち越す結果となり、「今までライバルとして見られていなかったのかもしれないが、川崎に勝つというのは一つの目標でもあった。クラブの歴史にとって大きな一歩」と青木HCは感慨深そうに語りました。

川崎ブレイブサンダースの本拠地「とどろきアリーナ」は5000人以上を収容できるが、京急川崎駅近くに1万人収容のアリーナを2028年10月に開業する計画もある

川崎の佐藤HCは、CSでの連敗に悔しさをにじませながらも、「こうして神奈川ダービーが盛り上がり、ライバルとして絶対負けられない存在になっていると思う。これから伝統の一戦になっていくのではないか」との見方を示していました。

「#」は背番号

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・【過去記事】バスケ「Bリーグ」が横浜アリーナで開幕戦、2020年4月までのシーズン開始(新横浜新聞~しんよこ新聞、2019年10月4日、川崎は過去に横浜アリーナで開幕戦を行ったこともある)

【参考リンク】

「日本生命 B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2022-23」特設サイト(2023年5月12日~5月30日、決勝戦は横浜アリーナ)

横浜ビー・コルセアーズの公式サイト(試合結果と準決勝の開催情報)

琉球ゴールデンキングスの公式サイト(準決勝の開催情報についても)


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