残念ながら今夏は綱島公園のプールが使えません。
横浜市環境創造局は綱島公園(綱島台)にある屋外プールの営業を今年(2023年)夏は行わないと発表しました。設備に大規模な不具合が発生したためだといいます。
綱島公園ではメインとなる25メートルプールに「床板」を上げたり下げたりできる可動床装置を備えており、夏場以外は床を上げてテニスコートとして使用。
市環境創造局によると、プール営業を前に可動床装置を点検したところ、修理ができないほどの大規模な不具合が判明したといいます。
主に幼児向けとして使われている子ども用プールに不具合は見つからなかったものの、メインプールが使えないことから休業が決まりました。
現在の綱島公園プールは1988(昭和63)年に完成した設備で、すでに約35年が経過。今後、施設をどのようにするかについては、これから検討していくとのことです。
なお、今年は日産スタジアム内にある「日産ウォーターパーク」でも設備に不具合が見つかったため1月から臨時休業が続いており、8月11日(金・祝)の営業再開までは使えない状態です。
屋外プールは7月8日(土)から妙蓮寺駅近くの「菊名池公園プール」や鶴見区にある県営の「三ツ池公園プール」、屋内なら都筑区北山田にある通年営業の「横浜国際プール」などを使う形となりそうです。
子どもが増える綱島に「何とか残して」
綱島公園は綱島台の“御殿山”と呼ばれていたエリアに「防空公園をつくる」との名目で市が土地を買収したもので、戦後に市民向けの公園となった歴史を持ちます。
公園内には古くからプールが設置されており、大倉山で育った1954(昭和29)年生まれの建築家・隈(くま)研吾さんも「山の中のプールですごくかっこいい、頻繁に行っていた」と昨年(2022年)9月に港北公会堂で行った講演会で思い出を話しており、小学校にもプールが設けられていない時代に水泳ができる貴重な施設となっていました。
昭和の末期にリニューアル工事が行われた際、現在の場所に新たなプールが設けられ、夏は水泳、その他の時期はテニスに使える施設として生まれ変わっています。
それから35年を経て各種設備の老朽化が進行しているとみられ、地域からは「プールを再開するには1000万円を超える費用がかかるようだが、綱島は子どもの数も多くなっているので何とか残してほしい」との声が聞かれます。
綱島に住む多くの土地所有者が戦争中に「お国のため」と山林を“供出”したことから生まれた経緯を持つだけに、今後も地域住民の思いを受け止める公園であってほしいと願うばかりです。
【関連記事】
・<2023年夏>菊名池公園などの「屋外プール」営業は7月8日(土)から開始(新横浜新聞~しんよこ新聞、2023年7月4日)
・【前年記事】綱島など横浜市営の「屋外公園プール」は7月9日(土)にオープン(2022年7月6日)
・隈研吾さんが「港北地域学」で講演、古里と建築のつながりを語る(2022年9月12日、幼少期は綱島のプールへ頻繁に行っていたとの思い出話も)
【参考リンク】
・菊名池公園プールの案内ページ(妙蓮寺駅下車、2023年は7月8日~9月3日にオープン)
・神奈川県立三ツ池公園プール(鶴見区、2023年は7月8日~8月31日にオープン)
・横浜国際プール(北山田駅下車、通年営業の屋内プール)
・日産ウォーターパーク(日産スタジアム内、2023年は8月11日から営業再開)