慶應日吉キャンパスで初となる“シドモア桜”の植樹式で、日米友好に尽力した「シドモア」についての歴史を伝えます。
今月(2023年)3月20日(月)11時より、日吉駅前・慶應義塾大学日吉キャンパス(日吉4)の来往舎入口前で、「シドモア桜植樹式」が初めて行われました。
1912(明治45)年に、東京から「友好と親善」を目的として、日本の桜(ソメイヨシノ)が海を越え米国(アメリカ)ワシントン市に植えられたきっかけを作ったエリザ・シドモア(1856~1928年)。
今回の「シドモア桜」の語源となったシドモアの足跡を後世に伝える活動を行う「シドモア桜の会・横浜」の代表・梅本千晶さんや理事の石井真紀子さん、会員の渡邉奈都子さんや、当時ワシントンへ桜の苗木を送り届けた横浜植木株式会社(南区唐沢)会長の渡邊秀一さんらが来訪。
慶應義塾大学からは日吉キャンパス事務長の國分紀嗣さん、事務センターの濵田直孝さん、川田孝征さんが参加し植樹を祝うひとときを過ごしました。
1991(平成3)年、シドモアの功績を後世に遺そうと、ワシントンから里帰りした桜が、横浜・外国人墓地(中区山手)にあるシドモアの墓前に植樹されることに。
この桜の木から穂木を取って苗木として作ったものを「シドモア桜」として植樹することにより、シドモアの偉業を伝えることを同会などが行う中、「横浜植木の渡邊会長も慶應の卒業生。シドモア桜の普及活動を行う人々には慶應大学ゆかりの人々が多い」こともきっかけの一つとなり、同大学に同会からシドモア桜を寄贈することになったといいます。
同キャンパス内を行き交う多くの学生や教職員たちにもその歴史を伝えていくためにと、今回の植樹が実現したと梅本さんは語ります。
この日の天候は晴れ。慶應義塾の創設者・福澤諭吉の胸像も見守る中での植樹式では、まだ若木の「シドモア桜」を前に関係者が集合。
「シドモア桜」が一杯の花を付けるにはまだ数年かかる見込みですが、背丈はわずか1年で倍近く伸びるといい、「(シドモア桜の)成長を楽しみにしてもられば」と梅本さん。
折しも、日吉駅方面から眺められる第4校舎「独立館」前の桜も美しい花を咲かせています。
同会は、今月3月18日から4月16日(日)までの約1カ月間、みなとみらいエリアを中心とした横浜市全域で「横浜シドモア桜祭り」(同会内の実行委員会主催)を行うほか、ワシントンに桜が植えられた3月27日にちなんで、外国人墓地では「墓前祭」を開催。
明日3月25日(土)から開催される横浜市のイベント「ガーデンネックレス横浜」への参加企画「苗木ワークショップ~みんなで作ろう!シドモア桜の苗木」を実施します(要事前予約・定員20人、参加費2000円)。
また、3月26日(日)、4月2日(日)、5月21日(日)、6月11日(日)には「横浜外国人墓地ツアー」(同2000円)も開催予定とのことです。
「シドモア桜について知り、育てる楽しみを感じられるかと思います。シドモアや桜の歴史に触れる貴重な機会、ぜひ奮ってご参加ください」と、梅本さんは、2027年に開催される予定の「横浜国際園芸博覧会GREEN×EXPO2027(グリーンエキスポ)」でのシドモア桜の植樹を目指し、活動への参加や同会への入会、協賛などの支援についても広く呼び掛けています。
【関連記事】
・日吉の池本さんがつなぐ「日米友好」のシドモア桜、3/27(月)に植樹(2017年3月25日)※「シドモア桜」についてや大倉山記念館前での植樹について
・2年内に日吉・綱島の沿線化、2027年の「国際園芸博」で公式サイト(2021年3月30日)
【参考リンク】
・横浜シドモア桜祭り実行委員会(同)※2023年3月18日(土)から 4月16日(日)まで、横浜市の「ガーデンネックレス横浜2023」の連携事業者として選定されている
・ガーデンネックレス横浜2023(横浜市)
・第2回横浜シドモア桜祭り~シドモア桜苗木作成ワークショップ(同)