下田小学校脇のバス通りに、「イラストが浮かび上がる」かのような道路の柵(さく)が完成、通りかかる人々の視線を集めています。
横浜市港北土木事務所(大倉山7、奥野雅量所長)がおこなう市道「下田97号線」の、約40メートルにわたる歩道拡張工事がいよいよ最終章。
学校と歩道の間に設置された「防護柵(さく)」に、横浜市立下田小学校(下田町4、宮本仁志校長)の1年生から6年生までの全校児童が考え描いた絵を参考に図案化された「絵(イラスト)」が描かれることが決定。
約2カ月間もの時間をかけたという工事を、今週(2022年)3月23日(水)に終え、歩道の拡張工事が完了しました。
今年1月17日にこの歩道拡張についての特別授業を6年生を対象に実施した金井紬(つむぎ)教諭は、今回描かれたイラストについて、「児童がクラスごとに“どんなイラストがふさわしいか”ということなどを話し合うところからスタートしました」と、柵のイラスト図案を工事担当者に提出するまでのプロセスを説明します。
これらのイラスト図案を参考に、「実際に、柵に絵として描けるものにと図案をアレンジ、最終的に18点にデザインを絞り、柵に直接描くことになりました」と、特別授業でも登壇した、工事現場で監督をおこなう泰平建設株式会社(都筑区東方町、飯野亜由美社長)の安藤静雄さん。
柵に描くイラストは「平面」に描くのではなく、20本近い柵の「棒」に1本ずつ塗料をつけて、通りかかる人々が、柵を見る角度により絵にみえるように仕上げたもの。
特に難しかったのは、必ず使用したかったという、同小学校の新旧校舎の形を模したキャラクター「円ちゃん」と「形ちゃん」を柵用にデザインし描くこと。
「その図案のあまりの難しさに、アルバイトの美術大学生に絵を描いてもらいました」(安藤さん)と、安藤さんは、“大変苦労した”という、その最終図案化、そして塗料を塗り仕上げる作業が困難を極めたことを振り返ります。
その甲斐もあってか、「『円ちゃん』と『形ちゃん』もきれいに仕上げてもらえて感激しています。6年生の卒業式に間に合わなかったことが残念ですが、子どもたちが大人になっても、イラスト図案をみんなで考えたことを想い出として、この場所を“ふるさと”としてまた戻ってきてもらえたら」と金井教諭。
真新しい「柵」のイラストが、既に通りかかる多くの人々の目を楽しませていること、また子どもたちにとっても“心に残る”ものに仕上がったであろうことを喜びます。
数十年間にわたり、歩道が学校の片側にしかない場所もある時代が長く続いた市道「下田97号線」が、イラストの完成により拡張工事の最後を飾れたことは、新しい未来を切り拓く子どもたちに大きな勇気を与える“記念のモニュメント”として語り継がれていくはずです。
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【参考リンク】
・横浜市立下田小学校にて「歩道拡張工事」についての【出前授業(特別授業)】を実施いたしました(泰平建設株式会社)※安藤さんが子どもたちに説明する姿(写真)も