樽町・大曽根から広がりを、子どもたちを見守る「黄色いベスト」の輪 | 横浜日吉新聞

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通学時の子どもたちを見守る「黄色いベスト」の輪が、樽町・大曽根エリアから広がっています。

子の通学に同行する際に「黄色いベスト」を着用する運動が広がっている(大曽根小学校付近、7月15日)

子の通学に同行する際に「黄色いベスト」を着用する運動が広がっている(大曽根小学校付近、7月15日)

夏休みを待ちわびる7月も半ばの大曽根小学校(大曽根2、丹波悟亮校長)。港北区内で児童数が3番目に多い878人(2021年4月現在)を数え、3年前の2018(平成30)年からは100人以上も増えている同小学校では、特に人口が急増している樽町地区からの通学が増え、その安全対策が問題になっていたといいます。

子どもたちの通学時の安全対策として、一般財団法人港北交通安全協会(大豆戸町)から、2018年度に、当時の区内全25小学校(現在は26校)に、5枚ずつ配られたという、蛍光反射板付きの黄色い「安全」ベスト

マリノスケとミズキーの「交通安全」旗を手に持ち、鮮やかな「黄色いベスト」をまとう荒巻さん、丹波校長、齋藤さん(右より)

マリノスケとミズキーの「交通安全」旗を手に持ち、鮮やかな「黄色いベスト」をまとう荒巻さん、丹波校長、齋藤さん(右より)

この「黄色いベスト」を着用して通学時の見守りに活かしてもらいたいと思いついたのが、同小の前PTA会長の荒巻正則さん

荒巻さんは、樽町中学校(樽町4)のPTA会長や、横浜市PTA連絡協議会の副会長を経験。

また、同小学校と地域を結ぶ役割を担う学校・地域コーディネータ―として、学校の運営をサポートする「大曽根小応援団」を立ち上げるなど、地域では広く知られる存在だといいます。

樽町地区からの児童の通学が激増していることに不安を感じていた荒巻さんは、「黄色いベスト」を着用し、日々見守り活動を行うなか、「特に、コロナ禍に入ってから、子どもの通学に同行する保護者が増えたように感じました」と、今年度(2021年度)に入り、同行する保護者たちに、初めて「黄色いベストの着用」を呼び掛けます。

口コミで「黄色いベスト」の輪が広がる

「黄色いベスト着用での登校同行については、口コミですぐに話が広がり、すぐに枚数が不足してしまいました」と語るのは、2017(平成29)年度からPTA会長を務めている齋藤和浩さん

荒巻さんは大曽根自治連合会の役員(盟友会の会長に今年度から就任)として地域でも活躍している

荒巻さんは大曽根自治連合会の役員(盟友会の会長に今年度から就任)として地域でも活躍している

綱島エリアの金融機関で勤務しているというサラリーマンだという齋藤さん。

区内の認可保育園に2019年度に、同協会から配布された「黄色いベスト」と出会い、登園時の見守りを行うようになったと語ります。

「黄色いベスト」を着用し、子の登校を見守る試みについて知った齋藤さんは、PTAの予算から黄色いベスト20枚を即座に追加で購入。

しかし、それでも「足りない」ことを感じた同校の学校運営協議会の委員で、「樽町第二親和会」会長(樽町連合町内会副会長)、港北交通安全協会の会長も務める嶋村公(ただし)さんが、同協会から改めて区内の26小学校などにベストを寄贈することを提案し、実施する構想も練られているといいます。

「黄色いベスト」を着用しての見守りの輪がさらに広がっていきそう

「黄色いベスト」を着用しての見守りの輪がさらに広がっていきそう

同校の丹波校長は、「PTAとしての当番制ではなく子どもたちと一緒に登校する保護者の方に、黄色いベストを着てもらうことで、交通安全と防犯に大いに役立っていると感じます」と、その「見守り効果」を絶賛します。

共働き家庭の増加もあり、当番制や地域ボランティアによる見守りを行うことがより難しくなってきている現状から、「保護者の負担感も少ない“黄色いベスト”着用による、日々の見守りの輪を、ここ大曽根小学校エリアからまずは広めていくことができれば」(丹波校長)と、いずれはこの取り組みを港北区エリア全体に波及させたい考えです。

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【参考リンク】

大曽根小学校 登校時見守りの『黄色いベスト』(ハートフル大曽根サイト)

横浜市立大曽根小学校のサイト ※樽町地区からの通学が増えている


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