手作り灯籠やお米POPで「まち・店」を元気に、大曽根小が地域とつながる授業

横浜日吉新聞
大曽根小学校周辺の交番、商店街や郵便局、見守り活動を行う人々などへの感謝の想いを込めて、灯籠をプレゼントするという試みが行われた(3月24日、農家産直米すえひろ大曽根店)

大曽根小学校周辺の交番、商店街や郵便局、見守り活動を行う人々などへの感謝の想いを込めて、灯籠をプレゼントするという試みが行われた(3月24日、農家産直米すえひろ大曽根店)

手作りの「灯籠(とうろう)」や、お店の「POP」作りで地域を盛り上げます。

鶴見川にも近い大曽根2丁目にある横浜市立大曽根小学校(丹波悟亮校長)では、様々な授業の枠を活用しての「地域とつながる」チャレンジを実施。

学校の教育目標である『まち』とともに歩み、ともに学び自立する子どもを育成する試みを、2つのクラスで行いました。

まずは手作り「灯籠」でまちを明るく照らすという、3年2組の児童による「サニーライトプロジェクト」

灯籠は全19個製作された。作り方も担当班がインターネットで調べたという

灯籠は全19個製作された。作り方も担当班がインターネットで調べたという

「まちも心もほんわりぽかぽか大作戦」と名付けられたこのプロジェクトは、2人1組になり、計19個にも及ぶ灯籠を、理科の「豆電球に明かりをつけよう」の学習として、また図工の題材としても製作。

社会の「わたしたちのまちと市」、「はたらく人とわたしたち」で学んだ、地域を守る活動を行う交番や消防団、商店街や郵便局、見守りを行う人々など、地域の人々への感謝の想いを込めて、灯籠をプレゼントするという試みを行ったといいます。

中津川教諭が記念撮影。同行した児童からは拍手も

中津川教諭が記念撮影。同行した児童からは拍手も

新型コロナウイルス影響で、売り上げが落ちてしまった商店を激励すること、また暗いニュースが多い中、明るく街を照らしたい、といった思いが込められているという19個の灯籠はカラフルなものも多く、「コロナ禍に負けない」ためのコメントの数々も記されています。

昨年(2020年)からスタートしたというこの授業では、「目的」「つくり方」「予算」「配布方法」「活動の流れ」といったグループに分かれて企画運営を行ってきたといい、特に算数の時間を活かして、材料がどの程度必要か、費用がどの程度かかるかといった「予算」についても学び、計算する時間を持ったとのこと。

地域の消防団の活動を行う保護者として、子どもたちに地域でのその役割を伝えた高安さんにも灯籠が贈られた

地域の消防団の活動を行う保護者として、子どもたちに地域でのその役割を伝えた高安さんにも灯籠が贈られた

同クラス担任の中津川明子教諭は、「のりも、バケツで買うべきか、小分けのチューブのものを買うべきかといった判断も、子どもたち自身が計算の上行いました。作り方も、どのように作るべきかを担当者が中心となり、インターネットで調べて、ふうせんを膨らませ花紙などを溶かして貼ったり、牛乳パックを再利用したりという方法で挑戦しました」と、一つひとつがゼロから作り上げてきた授業だったと、その日々の過程を振り返ります。

先週(2021年)3月24日の授業では、地域の消防団の活動を行う保護者の高安(たかやす)忠雄さんをクラスに招いての贈呈を行い、また学校の正門にも近い「農家産直米すえひろ大曽根店(Yショップすえひろ)」(大曽根3)にも灯籠を届けるなど、地域との新たなつながりや絆が生まれるシーンが見られました。

5年生は地元米店に、「手作り」お米POPをプレゼント

担任の松本教諭、丹波校長(中央奥)が見守る中、農家産直米を取り扱う「すえひろ」大曽根店に、5年生からお米をPRする「手作りPOP」とお米について調べて記述した資料8組が送られた

担任の松本教諭、丹波校長(中央奥)が見守る中、農家産直米を取り扱う「すえひろ」大曽根店に、5年生からお米をPRする「手作りPOP」とお米について調べて記述した資料8組が送られた

一方、5年1組の授業では、社会科で学び、総合的な学習の時間で行ったという米作りの経験から、「地元の米店で扱われているお米をもっとアピールできないか」との声があがったといいます。

自分たちも実際に育てたという、神奈川県産米の「はるみ」「手作りPOP(米印)」を8つの班に分かれて制作し、コンペを実施。

3月に入ってから同店を見学した際には、はるみ以外に取り扱っているお米についても調べ、クラス内コンペで選ばれた「はるみ」のほか、それぞれの品種の特徴を表すために作った9つのPOPや資料を同店に掲示するためにプレゼントすることになったとのこと。

「量り売り」を行う玄米を入れた樽に、児童らが制作した「手作りPOP」が飾られた

「量り売り」を行う玄米を入れた樽に、児童らが制作した「手作りPOP」が飾られた

同24日の授業の時間に、クラスの約30人が同店を訪問し、店主創業者の荒金弘光さんにPOPを贈呈していました。

担任の松本崇大(たかひろ)教諭は、「子どもたちが学校の外に出て、地域の方々とかかわることはとても大切なことだと感じられる時間になったと思います」と、これからも地域社会に生きる “誰か”を大事に生きていってもらいたいとの思いを語ります。

子どもたちのアイデアと行動力が、街を元気にしていく

子どもたちのアイデアと行動力が、街を元気にしていく

丹波校長は、「コロナ禍で制限がある1年間となり、地域との交流やふれあいの実現も大変難しい日々となりました。しかし、子どもたち一人ひとりが、“自分たちの思い”から、自分たちの学びの実現を行うことができたのは素晴らしいこと」と、3年2組、そして5年1組の授業の取り組みを後押しし称えます。

「コロナ禍だからこそ、自分たちにできることをやる。主体的に取り組むことで、最後まで探求しようとする意欲が輝きます」と丹波校長が語る、大曽根小学校の“コロナ禍”に負けないチャレンジは、地域と子どもたちをつなぐ新たな未来の「誇り」となることが期待できそうです。

荒金さん(左)と丹波校長。荒金さんは1966(昭和41)年7月にこの地で創業して以来54年間事業を行ってきた。「周囲のお店が閉店して残念。“地域”のお店として商売を続けなければ」との使命感で経営を行っているという

荒金さん(左)と丹波校長。荒金さんは1966(昭和41)年7月にみそ・しょうゆ店として創業して以来54年間事業を行ってきた。「周囲のお店が閉店して残念。“地域”のお店として商売を続けなければ」との使命感で経営を行っているという

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【参考リンク】

横浜市立大曽根小学校のサイト


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