地下鉄グリーンラインの高田駅はなぜあんなに深い場所にあるのでしょうか――。大人でも少し不思議に感じそうな疑問に答えているのが横浜市交通局のサイト内にある「キッズページ」です。子どもが夏休みの自由研究に困った時にも使えそうなページからその理由を紹介します。
グリーンラインのなかでもっとも深い位置にあるのが高田駅の中山方面行ホーム。日吉方面行のホームは地下3階にあり、日吉本町駅より少し深いくらいのレベルですが、中山方面へはエスカレーターを幾度も経由して地下4階のホームと地上の間を昇り降りをする必要があります。
どうしてこんなに面倒なことになってしまったのでしょうか。キッズページ内の「地下鉄のふしぎ」と題したページでは、「高田駅のホームは何で上下に分かれているの?」とのタイトルでその理由を紹介しています。
これによると、グリーンラインの上部を走る道路「荏田綱島線(日吉元石川線)」の地下には、「雨水幹線」と呼ばれる下水管が3本も埋まっているためだといいます。
地下を通る3つの下水管を避けながら駅を掘り、さらに地下で早渕川寄りの民有地に拡げないように両方面のホームを作るには、“2階建て”として左右の幅を抑えるしかなかった、といった意図の“回答”が示されていました。
「北綱島幹線」などと名付けられた一連の雨水幹線は、地上で水があふれた際に強制的に川へ流すという役割を持っており、かつて鶴見川の氾濫で苦しんだ日吉や綱島の地には不可欠な役割を担っています。
すでに雨水幹線は昭和40年代前半から順次つくられていったとのことですが、近年では相鉄・東急直通線の「綱島トンネル」(箕輪町~新綱島)を北綱島交差点付近を通過させる際にも支障となっており、トンネルの深さを下げる設計に変えたことで工事費が増えてしまいました。
日吉・綱島・高田で地下を掘るには、都心部の地下のような苦労があることが高田駅の深いホームから見えてきます。
このほか、「地下鉄のふしぎ」では、グリーンラインの各駅には“ステーションカラー”が設定されていることも紹介されており、日吉駅は「赤色(薔薇色)」、日吉本町駅は「黄緑(若葉色)」、高田駅は「黄色(黄水仙)」など、その色が選ばれた理由も書かれていました。
大人も新たな発見があるかもしれないキッズページ。一度チェックしてみてください。
【参考リンク】
・高田駅のホームは何で上下に分かれているの?(地下鉄のふしぎ)
・グリーンライン各駅のステーションカラーの由来は?(地下鉄のふしぎ)