創業時から22年、“ママ美容師”高瀬さんが語る「日吉のファッション」とは | 横浜日吉新聞

横浜日吉新聞
1996年6月に日吉で創業したACTグループの第1号店舗「美容室ACT(アクト)」のオープン時から美容師として活躍してきた高瀬千夏子さん。“ママ美容師”として現在グループのメンバーを引っ張り、活躍している

1996年6月に日吉で創業したACTグループの第1号店舗「美容室ACT(アクト)」のオープン時から美容師として活躍してきた高瀬千夏子さん。“ママ美容師”として現在グループのメンバーを引っ張り、活躍している

法人サポーター会員による提供記事です】日吉の美容やファッションを支えもうすぐ22年。日吉駅周辺で3店舗を構えるACT group(アクトグループ=ACTグループ)で、1996年6月に日吉で創業した第1号店「美容室ACT(アクト)」(有限会社ACT、日吉本町1)のオープン時から勤務するスタッフが、現在も同店を代表する“美容師”として活躍。日吉の街のファッションを支えています。

“ママ美容師”としても働く女性スタッフの道を切り拓いてきた高瀬千夏子(ちかこ)さんは、日吉とは「はるか遠く離れている」ようにも感じる、横浜市最南端の金沢区の出身。

「同じ横浜でも、日吉とは全く違う環境ですね」と語る高瀬さんは、現在も現役で美容室を運営マネジメントしている“美容師”だった母親の姿を見て育ちます。

自分のカットモデルをしてくれたスタッフも入社してくれたんです」と、自身の経歴の長さについてもついはにかむ高瀬さんが見続けてきた、日吉の街の特徴とは。

街のファッション・リーダーとして、グループの店舗が「ACT ZIP(アクトジップ)」(日吉本町1)、「ACT JAM(アクトジャム=フランチャイズ店)」(同)と拡大する中でも、“地に足をつけて”多くの固定客を離すことはなかった高瀬さんが感じた、この街でのファッションに賭ける想いについても話を聞きました。

“母の背中”もあり美容師に、オープン時の“多忙”も懐かしい想い出

慣れ親しんだ「美容室ACT」前で。同じACTグループ「ACT ZIP(アクトジップ)」で勤務するスタイリストの千晶(ちあき)さんと

慣れ親しんだ「美容室ACT」前で。同じACTグループ「ACT ZIP(アクトジップ)」で勤務するスタイリストの千晶(ちあき)さんと

現在店舗にいるスタッフ中で、「唯一、オープン時から勤務してきた」という高瀬さん。横浜市立金沢高校から、横浜商業高校の美容科(磯子区)に進学し、ACTグループの親会社に当たる美容室C-LOOP UNITED(シーループユナイテッド)グループ(株式会社アイ・ビー・シー:鶴見区)に入社。美容室ACTに配属となり、今日(こんにち)に至っています。

母親の影響からか、気付いたら美容師に興味を持っていました」と、“無意識に”この道を選択していたと、若かりし日に進路を選んだ当時を振り返ります。

シーループユナイテッドグループから、独立しフランチャイズで日吉での店舗を立ち上げた内田敏夫さん(現ACTグループ代表)とも「美容室ACT」で出会い、店の歴史を一緒に踏み出したといいます。

約20年前の1998年頃からフォト部門を立ち上げてのPR活動を行ってきた。写真は2009年頃の高瀬さん(ACTグループ提供)

約20年前の1998年頃からフォト部門を立ち上げてのPR活動を行ってきた。写真は2009年頃の高瀬さん(ACTグループ提供)

「特にオープン1年目“目が回るほどの忙しさ”が懐かしいです」と語る高瀬さん。創業時ならではの大変さを「とにかく“早すぎる決断力と行動力”で、内田(代表)が店を切り盛りしていく姿が印象深く残っています」と、失敗をしながらも、考えをそれぞれが近くすること、そして何より“スピード感”を持ち実行していくことに、共感しまた協力をすることで、一緒に店を盛り立ててきたという当時を懐かしみます。

美容室ACTがオープンした1996年頃はバブル崩壊後の景気後退のあおりを受け、格安カットの全国チェーンの有名店が創業。また2000年代前半にかけてのカリスマ美容師ブームなどの影響もあり、美容室が生き残るのは大変厳しい時代だったと、この業界ならではの“試練”を日々感じてきたといいます。

内田(代表)は、あの手、この手で経営革新を行っていました。斬新な提案で、フォト部門を立ち上げてのPR活動を行ったり、コンテストへの出場で会社や店を盛り上げたり。お互い、意気投合して、店を盛り上げてこられたと感じています」と、オーナーとして、カットの第一線から内田さんが退いた後も、内田さんのリーダー・シップや、店の運営についての“情熱”を感じ、また、ともにその想いを分かち合って来られたと感じているといいます。

出産から復職へ、「働くママ世代」をオシャレにとの想い

そんな高瀬さんも、結婚・出産を経て、美容室ACTに無事、復職。「それまでは、出産したら退職してしまう美容師がほとんどだったのですが、復帰第1号としてがんばってきました」と、“ママ美容師”としての道も、同店で切り拓いてきました。

高瀬さんは、月に約150件、約95%が指名での来店という人気を誇っている。ママトークにもより磨きをかけて、よりリラックスいただけたらと業務に励む(ACTグループ提供)

高瀬さんは、月に約150件、約95%が指名での来店という人気を誇っている。ママトークにもより磨きをかけて、よりリラックスいただけたらと業務に励む(ACTグループ提供)

妊婦だった頃も辛かったといいますが、「グリーンライン沿いに引っ越して、なるべく“座って”通勤できたのは大きかったです」と、日吉駅近くで働くことができたことも大きかったと当時を振り返ります。

開店当初から高瀬さんのカットやヘア・コーディネート技術に魅了されてきた常連客も、「一緒に、年齢を重ね、成長してきたように思います」と、現在、月に約150件、約95%が指名での来店だという高瀬さんらしく、「復職は、本当に、お客様のため、という想いが強かったんです」と、産後、店に戻る決意を固めた高瀬さん。

ママ世代が増えてきた自身のお客様についても「つい自分自身の“ママ達をオシャレにしたい”という想いも重ねてしまいますね」と、子育てで苦労しているからこそ、カットやヘアケアで来店されるお客様に対しても「リラックスして、寛いで、さらにはオシャレになったと感じてもらえるようなサービスを」と努めてきたといいます。

“生粋の浜っ子”が分析する「横浜より東京」日吉のファッション事情

自由に仕事をさせてもらっています」というACTグループでの経験を経て「生涯美容師」を目指しているという高瀬さん。

後輩たちの頼れる先輩で在りたいとも語る

後輩たちの頼れる先輩で在りたいとも語る

22年もの間、見続けてきた日吉のファッションについて聞くと、「私自身、“生粋の浜っ子”ですが、出身地である金沢区など、横浜市南部の方は、横浜というイメージ、現在住んでいるグリーンライン沿線(緑区)は、のどかな生活地帯、そして現在働く日吉エリアは、“横浜”というより、むしろ“東京”という雰囲気、でしょうか」と、同じ『横浜市内』でも、全く異なる3つのエリアを分析します。

特に、常連客の中でも、電車に乗って、都心に働きに行く方も多いことから、「情報感度が非常に高く、最新の流行を意識しながらも、“日吉らしい”ファッションを追求されている方が多いと思っています」と、自身、常に新しい美容技術を学び、取得しながら、“情報提供を出来る場でありたい”と、日々顧客とのコミュニケーションに力を入れているといいます。

ちょうど日吉駅の再開発が終了した頃にオープンした美容室ACTらしく、「より“綺麗”で、“ファッショナブル”を意識した情報発信に努めてきました」と、22年間の歴史を振り返りながらも、高瀬さんがこの街のファッションについて強く感じていることとは。

日吉のお客様は世代を越えてファッショナブル本当にマメにお店にも通ってくてくださるんです。趣味にも力を入れていて、おいしいこだわりのお店を探し、利用されていたり、旅行にも長期で出掛けられたりといった方も多い気がしています」と、街を歩く人、そして来店される層から、日吉ならではの“ファッション”の傾向を分析します。

それぞれのお客様に合った“似合わせ”を意識しているという高瀬さん(右)。群馬県、埼玉県からも指名来店があるという

それぞれのお客様に合った“似合わせ”を意識しているという高瀬さん(右)。群馬県、埼玉県からも指名来店があるという

また、「以前は、ファッションに力を入れている方とそうでない方の差が大きい印象でしたが、今は、全体的なレベルがボトムアップしているように感じます。働くお母さんも、まだまだ“オシャレ”になっていただける予感がします」と、これからのファッションのムーブメントにも貢献していきたいと意気込む高瀬さん。

「入店した頃は、慶應ボーイとの出会いにも期待していましたが、今ではもう笑い話でしかないですね」と笑顔で語る姿は、もはや、すっかり“母”としての姿

自身、七五三のヘア・アレンジも手掛けたわが子、そして家族と過ごす日々を大切にしながらも、「美容師としての道」を極める高瀬さんの姿を背に、同グループでも出産や復職に踏み切る美容師が増えているとのことで、グループ内での高瀬さんの“働き方”についても、ますます注目が集まっているといいます。

「ファッションに困ったら、ACTグループへ」と来店を呼び掛ける高瀬さんが築いた、日吉の街での一人の美容師としての日々の歩みが、子育て世代の更なる支持を集めていきそうです。

【関連記事】

1万フォロワー達成で注目、店長らがチャレンジする「インスタ映え」とは(2018年1月20日)

日吉発のファッション情報を網羅、スタッフ手作り「通信」で顧客満足向上の試み(2017年11月16日)

日吉からトレンド発信中、ACTグループが挑戦する地域密着の心意気とは(2017年6月16日)

【参考リンク】

ACT group(アクトグループ)のサイト

Director高瀬 千夏子プロフィール(美容室ACTのサイト)

美容室ACT(アクト)のサイト ※日吉駅から徒歩約2分・日吉中央通りと浜銀通りの間

法人サポーター会員:A.C.T group~アクトグループ提供)


カテゴリ別記事一覧