日本の介護を変えられるか?南日吉商店街に「超在宅介護時代」支える事業所が誕生

横浜日吉新聞
スーパー(生鮮マーケット)トーセー日吉本町店向かいに新たにオープンした「にっこにこケア」

スーパー(生鮮マーケット)トーセー日吉本町店向かいに新たにオープンした「にっこにこケア」

日吉本町駅近くの南日吉商店街、スーパーマーケット「トーセー」(当時はメグミマーケット)の向かいにあった自然食品店跡に、新しい訪問介護事業所が開業しました。今年(2017年)始めに、自然食品の店「有限会社手作り農場」(日吉本町3)が閉店し、空き店舗となっていた場所に、今月5月1日から訪問介護事業所「にっこにこケア」(株式会社にっこにこケア・日吉本町3)が新規オープン。

この「にっこにこケア」は、日本で必ずしも多く普及しているとは言えない、在宅介護を行うなかでの要介護者の「自立支援」を目標として行い、アクティブなシニアの方が介護する側としてこれを応援、さらに終末期に至るまで、新しい形の介護の在り方を目指す事業所だといいます。

元ケアプラザ職員らが「日本の介護を変える」と意気込みスタートした、この活気ある日吉本町駅近くの新しい事業所に、早くも訪問介護の依頼が多く寄せられているようです。

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ケースワーカーや主任ケアマネージャー経験活かし独立へ

写真左から「にっこにこケア」を支援する南浩史さん、取締役の荒井司さん、代表取締役の荒井一枝さん、千葉県松戸市からここ日吉まで通う取締役の岡野英樹さん

写真左から「にっこにこケア」を支援する南浩史さん、取締役の荒井司さん、代表取締役の荒井一枝さん、千葉県松戸市からここ日吉まで通う取締役の岡野英樹さん

この事業所を引っ張る代表取締役社長の荒井一枝さんは現在、横浜市金沢区在住。1970年代に横浜市に就職し生活保護ケースワーカーなどとして勤務し定年退職、以降は同区の釜利谷地域ケアプラザ地域包括支援の主任ケアマネージャーとして活躍します。

長く老人福祉や介護の現場を見てきた中でホームヘルパーの制度が生まれ、2000年(平成12年)に介護保険制度も誕生。病院や家族のみでの介護が難しくなる時代背景をリアルに体験してきたという荒井さん。

ただ“老いたら病院へ”という時代も見てきましたが、これからは“超高齢化社会”。施設も足りず、ただヘルパーがひたすら介護保険のサービスを目いっぱい使いきってお世話を、という時代ではなくなってきています。一人ひとりの自立を支援し、死ぬまで“住み慣れた街”で過ごすことを“笑顔”でサポートできる、そんな事業所を目指していきたいんです」と、みんなが“笑顔”になれるようにと、「にっこにこケア」という会社・事業所名を命名。その名前に込めた想いを力強く語ります。

いつまでも元気に働いてほしい「共支えの時代」

手袋を使った写真デザインは出資者の南浩史さんの妻が考えたという。この場所を「決断」したのも南さん

手袋を使った写真デザインは出資者の南浩史さんの妻が考えたという。この場所を「決断」したのも南さん

この社長の荒井一枝さんを支えるのが、夫で同社取締役の荒井司さん。元々シナリオライターを目指していたという司さんは、通っていたシナリオスクールで趣味として通学してきた一枝さんと知り合い結婚。会社経営などを経て、介護保険がスタートして以降、出身地である中区の訪問介護施設で勤務をスタート。一枝さんとの将来の介護業界での独立を見据え、勤務してきたといいます。

働きながら日本福祉大学で社会福祉主事の資格を取得。「元々中学校社会科の教員免許を持っていたので、教えることも得意なんです」と、今では介護福祉士や介護職員初任者研修(ホームヘルパー2級から移行)の講師として活躍しています。

国の方針でも言われる「共支えの時代」を目指したいといい、73歳でホームヘルパー資格(当時)を取得、79歳で介護福祉士を取得した人を指導したこともあるという荒井司さんは、「国の方針で、介護資格取得支援も年齢制限を撤廃する動きがありますが、横浜市の講習でも60代まで、という制限があるなど、まだまだ理解が進んでいないところもあります。“アクティブシニア”と言われるように、資格を取って“元気なシニア”として働くことを支援していきたい。働きながら介護について『学べる』環境を、私自身も教えたりアドバイスしたりすることで応援できる会社にしていきたいんです」と、“共存共栄”の理念で働き、介護の現場を高齢者こそが支えてほしいと強く訴えます。

千葉で経験積んだ元地域包括管理者が早くも活躍

「にっこにこケア」のオープンを知らせる案内チラシ。千葉県で業界経験を積んだ岡野英樹さん(写真右)は若き事業所の運営者として活躍を期待されている

「にっこにこケア」のオープンを知らせる案内チラシ。千葉県で業界経験を積んだ岡野英樹さん(写真右)は若き事業所の運営者として活躍を期待されている

この荒井さんたちの理念を引き継ごうと、千葉県から新しいこの事業所の立ち上げに参画したのが、千葉県の社会福祉法人勤務時代に、高齢者サポートセンター(地域包括支援センター)の管理者としても活躍した岡野英樹さん千葉県主任介護支援専門員ネットワークの理事としても活躍中の岡野さんは、現在千葉県松戸市からこの事業所に通勤しています。

勤務先だった市川市で「まちづくりのリーダー」を養成するという講座でプレゼンテーションや講師を行ったことなどがきっかけとなり、「異業種の皆さんとのつながりも増え、いつかは新しいことをできないか、と夢を抱くようになりました」と、今回独立するきっかけとなった経緯について語ります。

ケアマネージャーとしても10数年にわたり活躍してきた経験もあり、既にオープンに際して精力的にここ日吉エリアの地域ケアプラザ(地域包括)や、ケアマネージャー事業所も訪問しているといい、「目標人数より多くのご紹介を既にいただいています。荒井さん夫妻が横浜市で経験してきた介護現場での経験を継承し、近江商人が唱える“三方よし”(自分よし、相手よし、世間よし)の『世間』を『地域』に置き換えて、地域の皆さんにとって“この事業所があるからこの街・この地域が盛り上がる”と言っていただけるような仕事をしていきたい」と、これまでの半生を活かし、地域の信頼も得られる事業所にしたいと意気込みます。

企業経営者が「新しい在宅介護の時代」見据えバックアップ

南浩史さん(右)は、代表取締役の荒井一枝さん(左)らの理念に共感し、この事業の立ち上げを応援しているという。南さんの「勘」もあり、日吉本町のこの場所で開業するに至ったという

南浩史さん(右)は、代表取締役の荒井一枝さん(左)らの理念に共感し、この事業の立ち上げを応援しているという。南さんの「勘」もあり、日吉本町のこの場所で開業するに至ったという

この3人を支える存在も。出資者として支援しているのが、出身地の山形県で温泉宿の経営を行う南浩史さん(東京在住)。九州の大手造船会社の元経営者としても知られている南さんが志願して介護の学校に通った時の先生が荒井司さんで、それが縁となり、「一緒に“日本の介護を変えたい”と、この会社を応援することに決めました」と、荒井さん夫妻と知り合った当時を振り返ります。

この事業を立ち上げる際に、荒井さんたちが経験を重ねてきた横浜市内か、岡野さんが活躍していた市川市での起業かと検討した際に、この日吉本町の事務所スペースを見て、南さんが“ここだ”と決めたといいます。

日吉本町駅からも近い、スーパー(トーセー)前という抜群の立地。1階スペースで、この広い空間も決め手になりました」と、この場所に求めた新しい訪問介護の拠点への“ひらめき”にて、日吉への進出を決めたにっこにこケア。

事務所内には訪問用の自転車も。岡野さんが関係した千葉県市川市の施設からのオープン祝いの花も届いていた

事務所内には訪問用の自転車も。岡野さんが関係した千葉県市川市の施設からのオープン祝いの花も届いていた

4人の“志”あるメンバーが、新たなる夢描く「笑顔あふれる」訪問介護拠点を創り出し、多く近隣の人々とその理念を共有していけるのか。介護を要する多くの人々からの「声」を聞き取り、個性強く集結した“プロフェッショナル”4名が織り成す新しいチャレンジに、日々より大きな注目が集まりそうです。

【関連記事】

南日吉のメグミマーケットがスーパー「トーセー」に、再オープンは4/27(木)(2017年4月24日)※トーセー向かいにオープン

【参考リンク】

介護職員初任者研修 講師情報(訪問介護・居宅介護支援事業所 青空ケアセンター)※荒井司さんについて記載あり

「認知症サポーター養成講座」(6/28)受講生募集(千葉商科大学)※岡野さんが講師を務めた講座

市川市の在宅医療・介護連携について(千葉県市川市)※岡野さんがシンポジウムの講師を務めた在宅医療推進セミナーについて記載

(有) 手造り農場(南日吉商店会ホームページ)※既に閉店(この場所にて「にっこにこケア」が開業)

にっこにこケアの場所(Googleマップ)※日吉本町駅から徒歩4分


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