日吉本町駅近くの南日吉商店街にある食品スーパー「トーセー」(日吉本町3)が今月(2018年4月)27日で1周年を迎えます。旧メグミマーケット(株式会社三崎恵水産)の運営を引き継ぐ形でオープンした同店。青果や惣菜などメグミマーケット時代のテナントを引き継ぎながら、ポイントカードの新設や日配品(生鮮食品以外)の拡充など、地域密着のスーパーとして独自色を出しつつあります。
トーセーは東京の大田市場で青果卸売業を営む株式会社東清実業(大田区)による食品スーパー1号店で、現在は2号店を東京都町田市にも新規出店しており、南日吉を皮切りにスーパー事業の拡大を目指しているといいます。
一方、南日吉商店街の同地は、トーセー(2017年~)やメグミマーケット(2015年~2017年)の前にも昭和30年代から野菜を得意とする食品店「八百忠」が営業しており、南日吉の買物スポットとして半世紀近くにわたって親しまれてきました。
その八百忠は、今もテナントとして青果部門を担当しており、“青果のプロ”であるトーセーも「(八百忠は)地域のニーズをよく知っていて、地元で採れた新鮮な野菜も揃えている」(店長の田野口豊さん)と信頼を置く存在。
また、閉店近くまで揚げたての惣菜類を提供し、出来上がると賑やかにマイクで知らせることで知られる「惣菜・弁当コーナー」をはじめ、精肉や鮮魚コーナーといった主要部門を専門の外部テナントが担っており、それらをトーセーがとりまとめて、日配品を揃えたうえでスーパーとして運営しているのが同店の特徴です。
1周年を迎えて力を入れているのが200円で1ポイント(1円分)が付与されるポイントカードの発行と日配品の拡充で、ポイントカードの発行数は約5000枚にのぼるといいます。毎週火曜日にはポイント2倍の日とし、毎月10日は「トーセーの日」として3倍の付与するとともに、あわせて店内セールを設定するなど来客促進にも好影響を与えている様子。
トーセーが直接担当する生鮮品以外の日配品は、冷凍食品の商品数を増やすなど、近くには「オーケー日吉店」があることから、同店にはない品ぞろえを志向。100坪(330平方メートル)ほどの売場面積で、オーケーの6分の1ほどのコンパクトな規模ながら、同店に来れば食品類が一通り揃うよう注力しているといいます。
今年3月末に「アピタテラス横浜綱島」がオープンしたことで「影響はある」(店長の田野口さん)という同店。それでも最近は「夜間を中心に若い世代の来店が増えている」(同)と話します。来月(5月)からは鮮魚のテナントを変えたり、地域のリクエストを細かに聞いたりするなどの努力を続けながら、南日吉商店街で長年紡がれてきたスーパーの伝統を守っていく考えです。
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・南日吉のメグミマーケットがスーパー「トーセー」に、再オープンは4/27(木)(2017年4月24日)
・日吉の流通評論家・渡辺さんに聞く、「これ以上、買物環境は便利にならない時代」(2016年6月30日、高齢化で食べる量が減れば、売上が落ちて撤退せざるを得なくなると指摘)
【参考リンク】
・フレッシュ・マーケット「トーセー」(株式会社東清実業、チラシも掲載)