子どもたちの「学び」を地域が支えながら応援。学校やまちをより深く知り学ぶことで「50周年イベント」が盛り上がります。
横浜市立高田東小学校(高田東2)では、今月(2023年)11月25日(土)午前、1974(昭和49)年4月に開校してから50周年を迎えたことを祝う「創立50周年記念式典」を同校の体育館で開催。
歴代校長5人や副校長、「高田中学校」ブロックの校長(高田中学校・高田小学校)やかつて勤務した教職員、地域の自治会・町内会関係者、学校地域コーディネータ―や横浜市港北区役所の地域担当者など約40人を招き、「50年」という節目の式典の日を祝いました。
今回の式典は学校側が主体となり運営を行っており、「盛大とはいかないものの、教職員一同、できる限りの準備を行ってきたことで、皆様をおもてなしできれば」と、式典の司会進行も務めた教務主任の金城裕哉(ゆうや)教諭は、多忙な業務のかたわら“精一杯の準備”を進めてきたことを明かします。
児童が「実行委員」を務める「50周年記念集会~みんなでいわおう・たかひが50」イベントは、すでに全校集会の場で11月22日に行ったとのこと。
「自分たちの学校、そして地域について調べて、ここ体育館で学年・クラスごとに発表するスタイルで行いました」と、式典内でも参加者に映像として伝える、2年計画で実施してきた企画の成果を、この会場でも展示していると説明していました。
子どもたちが、学校や地域について学んだ「成果発表」に囲まれた空間でスタートした記念式典では、今年4月から着任したばかりの佐藤万里子副校長が「開式」と「閉式」の言葉を担当。
続いて登壇した小田和宏校長は、学校長あいさつとしてまずは児童が考えたスローガン「輝け たかひが 未来へ つなげ」について説明。
たかひが(高田東小学校の略称)にかかわってもらった人々の想いを「未来につなげて」いきたいという願いが込められていると語り、学校や体育館に掲げたスローガンと同じ「横断幕」を、地下鉄グリーンライン高田駅(高田東4)の構内に設置を、高田町連合町内会の尽力によるものと感謝の想いを語ります。
そして、第16代校長として自身が着任した2018(平成30)年の春に見た、芝生と桜の美しさに「思わず写真におさめた」という写真をスライドに掲示。
この日も来校していた初代校長の松田団二さんが開校に携わったこと、当時は地域の方々、教職員、保護者も一緒にアイデアを出し合って環境を整備した歴史についても、当時の写真を交えて振り返ります。
そして創立20周年(1993年)には“子どもたちの気持ちを高める”ために今でも役立っているという和太鼓が寄贈されたことや、2006(同18)年にビオトープが完成したこと、2017年に「併設型小中学校」として、高田中学校、高田小学校とともに小中一貫教育を推進していくことを導入したことなどについても説明。
来賓として招いた高田地域ケアプラザや近隣の桂幼稚園(高田東1)・光明幼稚園(高田西4)や近隣の保育園との交流機会、きたつな学童保育(高田東1)や地域防災拠点の運営委員会など、学校にかかわり支える人々への感謝を語り、あいさつの言葉を締めくくっていました。
この後、子どもたちが全校集会で発表した「児童活動紹介」の映像を約15分間にわたり紹介。体育館に掲示されているそれぞれの「学びの成果」を映像とともに見ながら、子どもたちの作品を鑑賞します。
最後に、来賓の代表としてあいさつをおこなった高田町連合町内会(高田町内会)会長の相沢一夫さんは、開校前に学校を建設した場所がかつて畑で、区画整理で空き地となり、当時流行していた野球をして遊んでいたことを懐かしみます。
開校時に、相沢さんの先祖が今も校内での存在感を発揮するソテツの木を正門前に植えたことについて説明。
「学校に植えたから」と、自分の自宅にもソテツが植えられたエピソードを披露していました。
また、「今でも綺麗に残っています」という芝生の敷設について「FIFAワールドカップ(日韓大会)」がおこなわれた2002(平成14)年に横浜市から募集があったとし、当時は中学校2校、小学校2校のみだったという芝生の敷設が実現したことを喜んだといいます。
芝生があることにについて、「子どもたちの教育に、芝生がある緑ゆたかな環境が非常にいいかなと思っています」と語り、(高田東小学校の)一番の魅力であり特色であるという“芝生のある学校”についての歴史的な経緯を説明していました。
さらに相沢さんは「子どもたちは地域の宝だと思っています。学校は子どもたちの学ぶところ、地域は子どもたちを育てるところと思っています」と、これからも、“地域を楽しく過ごしやすい場所”にするための仕事をしていきたいとの決意を語っていました。
この後、学校ゆかりの2人からのメッセージ動画や、暑さ対策にと実行委員会から学校に寄贈された「冷風機」3台の記念品目録贈呈、校歌斉唱を行い、記念式典は閉会。
第17代PTA会長で、写真スタジオ経営の松村登志男さんが声かけを行っての集合写真の撮影で、この日の記憶を残す作業を行っていました。
この日の午後は、松村さんが立ち上げたという地域開放イベント「ふれあい祭り」をコロナ禍以来となる復活開催。
校内や体育館各所に「50」の文字の風船アレンジを掲げ、地域やPTA、実行委員などによる10を超える出店やコーナーで子どもたちを出迎えるなど、50周年を機に復活したイベントの時間を“楽しい”時間になるようにと努めていました。
各学年クラスが2クラス、児童数は約380人(2023年4月)と小規模な学校ゆえの「アットホームさ」も大きな特色となっている同小学校。
50周年事業の成功を機に、“小さな学校”らしい学校関係者や地域の人々による“大きな声援”で、さらに盛り上がっていくことへの期待感が高まることになりそうです。
【当日の様子】
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【参考リンク】
・4月26日 学校創立を祝う会(同)※リンク追記