「このまま働き続けたい」「学校から帰った子どもたちにさみしい思いはさせたくない」――46年前にそんな思いを持った親と地域の熱意が受け継がれてきました。
大曽根1丁目の大曽根商店街内にある「大曽根放課後児童クラブ」では今月(2023年)10月14日(土)と来月11月18日(土)、再来月の12月2日(土)の計3日間に見学会を開きます。現地参加が難しい場合はリモート参加にも対応するとのことです。
大曽根放課後児童クラブは、主に小学校低学年の児童が放課後や長期休暇中に過ごす場として1977(昭和52)年に「大曽根学童保育」の名でスタート。2015年には現在の名称に変わりました。
45年以上前の1970年代中ごろは母親が働きに出ることに対する理解がなかなか得られず、最初は個人宅で小学生9人を預かる共同保育の活動から始め、徐々に地域の賛同を得ながら学童保育の発足にこぎつけたといいます。
現在は大曽根小学校を主な対象として児童42人が利用し、半数超を占める1・2年生のほか、3年生以上の児童の利用も一定数に上ります。
放課後や長期休暇中の居場所として、近年は横浜市内の各小学校内では専用教室を使った「放課後キッズクラブ」が設けられるようになりましたが、放課後児童クラブや学童保育と呼ばれる施設は、発足の経緯から地域や保護者が独自に運営しているのが特徴です。
大規模になりがちな放課後キッズクラブとは異なり、比較的少人数という環境のなかで、家と学校に次ぐ“第三の居場所”となるよう家庭的な雰囲気で運営されている施設が目立ちます。
大曽根放課後児童クラブでも、「学校から学童までの道のりで商店街を通ります。地域の方々と『ただいまー』『おかえりー』のやり取りが当たり前。夏休みには商店街で銭湯体験も行っています。地域の方々に見守られ、子供たちはのびのびと成長しています」(同クラブ)。
また、さまざまな学年の児童がともに過ごすことで、「他学年との交流や学童にくればいつも同じ仲間がいて、みんなで協力しあえる事が魅力の一つです。上級生が下級生の面倒を自然と見ることができるようになり、先生よりも上級生の言うことを聞いたりすることもあります」と同クラブでは話します。
今回の説明会は、10月14日(土)と11月18日(土)、12月2日(土)の計3日間に9時から10時まで行われ、リモートでの参加も可能。来年(2024年)4月入学の新入生だけでなく、学年を問わず途中の入所も歓迎だといい、これらの日以外でも12月15日までは随時見学を受け付けているとのことです。
同児童クラブで父母会で会長をつとめる保護者は「学校以外の居場所がある安心感からか子供達は学童(放課後児童クラブ)が大好き、学校には行きたくないこともあるけど学童には行きたい!という声もよく聞きます。ぜひ、遊びにきてみませんか?子供たちが学童を大好きな秘密がわかるかもしれません」と話していました。
なお、大曽根放課後児童クラブのような放課後児童クラブ(学童保育所)は、港北区内のほとんどの小学校学区内で1カ所以上の施設が運営されており、大曽根エリアでも大曽根2丁目に「大曽根よいこ」(2カ所)が置かれています。
港北区では、区内32カ所の放課後児童クラブを紹介する最新の冊子を公開しており、近くの施設を知ることができます。
【11月5日追記】
【関連記事】
・50年前から放課後の居場所づくり、綱島台の「日吉南学童保育所」が説明会(2023年8月30日、綱島台にある学童)
【参考リンク】
・大曽根放課後児童クラブの公式サイト(大曽根1丁目、大曽根商店街のファミリーマート大曽根店近く)
・港北区「放課後児童クラブ(学童保育)」の案内ページ(紹介冊子なども)
・港北区「放課後児童クラブ(学童保育)」の一覧ページ(区内32カ所と神奈川区の1カ所を掲載)