日吉発祥のコーエーテクモが暴力追放ポスターで県から表彰。最新作「信長の野望」も登場し、社会の敵を“一刀両断”にすると告知します。
昨年(2021年)、公益財団法人神奈川県暴力追放推進センター(中区海岸通)と、神奈川県警察本部(同)と初のコラボレーションをおこない、「暴力団追放」ポスターを県下全域に初展開した株式会社コーエーテクモゲームス(西区みなとみらい、鯉沼久史社長)。
スマートフォン(スマホ)向けゲーム「三國志 覇道」をテーマとした昨年の3枚のポスターを提供した功績に対し、今週(2022年)9月6日(火)午後、神奈川県立音楽堂(西区紅葉ケ丘)で開催された「第31回神奈川県暴力追放県民大会」(同センター主催)で、黒岩祐治神奈川県知事から感謝状を授与されました。
県内における暴力犯罪の撲滅と、暴力団を恐れない、金を出さない、利用しない、そして協力しないを実践することを呼び掛けた「暴力追放三ない運動+1」キャンペーンを広く周知するために企画されたポスターは、その迫力やインパクト、またゲームのファンなどからも好評を博したと同センターの担当者。
7月21日に新発売となったばかりの「信長の野望・新生」に登場する織田信長が「社会の敵を一刀両断」、帰蝶(きちょう)が「暴力団と交際しない」、そして真田幸村が「不当要求断固拒否」と呼び掛ける3枚のポスターが今年も誕生することになったと説明します。
ポスターは9月中にも県下全域の各警察署に配布される予定とのことで、「各警察署や交番、公共施設など、掲示される場所は署により異なりますが、ぜひお近くのポスターをご覧いただき、『暴力団追放』を呼び掛けてもらえれば」と、暴力追放運動への理解促進と、県下全域への幅広い周知を呼び掛けています。
11月から「条例改正」で“払う側”も罰則適用へ
2011(平成23)年4月に施行された「神奈川県暴力団排除条例」では、「暴力団を恐れないこと、暴力団に協力しないこと及び暴力団を利用しないこと」などを基本理念に掲げ、事業者などと暴力団との関係遮断を推進してきましたが、実際に、繁華街などでは、条例施行後においても、一部の事業者が暴力団に対し「用心棒料」などの利益供与を行っており、事業者と暴力団との関係遮断が図られていない実態があると警鐘を鳴らします。
このため、県では条例の一部を改正し、これら繁華街などの地域を「暴力団排除特別強化地域」と定め、同地域内においては、特定営業者と暴力団員との間で、用心棒料などの利益の授受などを禁止する措置を追加、今年11月1日から施行することになりました。
風俗営業や飲食店などの特定営業者が「用心棒の役務の提供を受けること」や、「用心棒の役務の対償又は営業を営むことを容認する対償として利益供与すること」についても禁止し、違反した場合は1年以下の懲役または50万円以下の罰金を課すという内容。
あわせ、暴力団員による用心棒料などの徴収が行われるおそれが高い風俗店、性風俗店などが集合している「暴力団排除特別強化地域」については、、風営法に基づく許可・届出数などを勘案して総合的に選定したといいます。
港北区では新横浜駅周辺地域(新横浜1、2丁目)、また川崎市中原区でも武蔵小杉駅や武蔵新城駅周辺(いずれも中原区)が該当するとのことで、「払う側も罰せられることになるので、注意が必要です」(同センター担当者)と、暴力団でない側が取締りの対象となることで、県下全域での「暴力団の排除」を目指すとのこと。
特に、現在大きな社会問題となっている特殊詐欺グループは暴力団の関係が多く指摘されており、「表面には見えなくなりつつある」暴力団の存在に注視し、またその延命策となる利益供与を断ち切ることの重要性がより強まることになりそうです。
【関連記事】
・【前年の記事】日吉から羽ばたくコーエー「三國志」、暴力追放ポスターで県全域に“覇権”(2021年9月28日)
・アピタとコーエーが「信長」最新作で初コラボ、フォトスポットやクイズラリーも(2022年7月20日)
・新横浜駅ビルが暴力団排除の総会、「恐れない、協力しない」決意を共有(新横浜新聞~しんよこ新聞、2018年2月16日)
【参考リンク】
・『三國志 覇道』を起用した暴力追放啓発ポスターが顕彰( 株式会社コーエーテクモゲームスのニュースリリース・PDFファイル)
・改正神奈川県暴力団排除条例の趣旨・概要(神奈川県警察本部)※「暴力団排除特別強化地域」の詳細も
・暴力団を追放するために(同)※問い合わせ・相談先