相鉄・東急直通線(新横浜線)の建設が節目を迎えました。JRTT鉄道・運輸機構(横浜市中区)は先週(2022年)7月22日、工事中の新横浜駅でレール締結の完了を記念する式典を開き、工事状況を報告しました。
国土交通大臣や神奈川県知事、横浜市長、県内選出議員らが参加して開かれた式典では、JRTT鉄道・運輸機構の河内隆理事長が「工事は開業に向けていよいよ終盤に入っている。8月下旬からは全線にわたる鉄道施設の監査・検査を実施する予定」と報告。
続いて工事を担当する同機構東京支社の蓼沼慶正(たでぬまよしまさ)支社長は、2013(平成25)年2月に新横浜駅での着工を皮切りに進めてきた9年超にわたる工事を振り返り、「最新の技術を各所に取り入れ、新横浜駅や新綱島駅の本体工事では周辺環境やコストに配慮した設計としている」と話します。
そのうえで、「本日ここ新横浜駅で最後のレールを締結し、相鉄本線西谷駅から東急日吉駅までの神奈川東部方面線(相鉄・JR直通線/相鉄・東急直通線)全線のレールがつながる。今後は走行試験や国土交通省の最終検査など開業に向けた準備をしていく」と宣言しました。
あいさつに立った斉藤鉄夫国土交通大臣は、「神奈川県央部や横浜市西部から都心を経由して埼玉県南部までつながり、広大なネットワークが形成される。新綱島駅の周辺では、区民文化センターや商業施設などの整備が予定され、さらなる街の活性化も期待されている」と開業後の期待感を示します。
神奈川県の黒岩祐治知事は「7つの事業体、14路線が一つのレールで全部つながるのは画期的なことだ。よくぞこういう形が出来上がった」と喜ぶ一方、「つながったことで神奈川県から人が流れていくのは困る。我々はこの一本のレールを使って、埼玉や東京からどんどん横浜・神奈川に人が来てくれるような流れを作っていきたい」と力を込めました。
続いて横浜市の山中竹春市長が「神奈川東部方面線の全線開業は横浜の悲願だ。これで沿線のまちづくりも一層加速する」と述べ、「綱島駅東口駅前地区の再開発事業も令和10(2028)年度の事業完了を目指し、都市計画の決定をしたところだ。引き続き綱島駅東口周辺のまちづくりを着実に進め、まちの魅力をさらに高めていく」と話しました。
新横浜駅前を通る「環状2号線」の地下33メートルに新設された相鉄・東急新横浜駅のホームを使って行われた式典では、参加者が線路上に降り、パンプーラーと呼ばれる保線工具を手前に引いて最後のレールを締結。
くす玉が割られ、テープカットを行った後には相鉄のマークが入った「モーターカー」が新横浜駅構内のレール上を走行し、来年3月の開業へ向けた工事が順調に進んでいることをアピールしました。
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