災害用「井戸」を学校に残したい、師岡小が50周年で初のプロジェクト

横浜日吉新聞

災害時にも使える「大切な水」を学校に残すには――師岡の小学校が50周年で初めてのプロジェクトが立ち上がりました。

横浜市立師岡小学校には創立50周年を祝う横断幕も。師岡町の「地域防災拠点」にも指定されている

横浜市立師岡小学校には創立50周年を祝う横断幕も。師岡町の「地域防災拠点」にも指定されている

今年(2022年)4月で創立50周年を迎える横浜市立師岡小学校(師岡町)。

5年3組が学ぶ「総合的な学習の時間」の授業で、特に災害時に地域に役立つ「井戸」を学校内につくるという「師岡ウォータープロジェクト」が進行しています。

師岡町の人々が災害時に避難所とする地域防災拠点としても指定されている同小学校で、いざ水道水が使えない、といった事態に見舞われた際に使用できる「防災井戸」を掘削(くっさく)し設置することを目的としており、近日公開予定の「クラウドファンディング」50万円の支援金額を得ることを目標としています。

授業内で「地域のために」とプロジェクトを立ち上げ

5年3組の「総合的な学習の時間」で地域の役に立つようにと学校に井戸を掘ることを目的としたプロジェクトが進行中

5年生1クラスが学ぶ「総合的な学習の時間」で地域の役に立つようにと学校に井戸を掘ることを目的としたプロジェクトが進行中

同クラスの担任を務める松山一代教諭によると、「子どもたちは、地域のために何かをできないかと、当初は清掃活動や環境に優しい『せっけんづくり』といったプランをあげていました」と、当初は、全く異なるコンセプトがあがっていたことを説明します。

しかし、「本当に地域の方が必要としていることか、PTA会長に、直接地域で困っていることや自分たちにできることをたずねてみました」と松山教諭。

2017(平成29)年に第21代目のPTA会長に就任し今年で5年目の活動をおこなっていた横溝和宏さんが、「学校が地域の防災拠点になっていること、そこにたくさんの地域の人がやってくる可能性があること、その際に使用するかもしれない、災害時の水の大切さについては子どもたちに伝えました」と、この質問に対応したといいます。

2月10日の授業では井戸の名前が2つの候補に絞られ、最終的には「いど吉」に決定したという

2月10日の授業では井戸の名前が2つの候補に絞られ、最終的には「いど吉」に決定したという

水道水を「いざ」という時に使えない――そういった時に、どうすればいいのか。

まずは、水を「ろ過」してきれいにすること。そして次に「井戸づくり」という結論はあがったものの、まずは「ろ過」の実験をおこなうなか、「ろ過」には多く水を扱えずかつ時間もかかるということを体験。

また、町内の師岡熊野神社(師岡町)の井戸の掘削を手掛けた実績を持つ株式会社森ボーリング(都筑区荏田東町)の森英夫社長を授業に招へい。

ボーリング調査の結果、飲み水としては使用できないものの、トイレなどの流水としては使用できること、また費用面などの確認をおこなった上で、「最終的に井戸を作ろうという結論に至りました」と、松山教諭は、人との出会い、そして一つひとつのプロセスを経て、「井戸の掘削」に至ることになった経緯を熱く語ります。

想いを「クラウドファンディング」に、井戸の名前も決定

クラウドファンディングへの協力も広く呼び掛けていく予定

クラウドファンディングへの協力も広く呼び掛けていく予定

今年4月の創立50周年に向けて、横溝さんが事務局を務める「師岡小学校50周年実行委員会」(木村繁会長)が、この活動を全面的にバックアップ。

50周年に向けた積立金の一部を井戸の掘削費用に充てるほか、クラウドファンディング「READYFOR(レディーフォー)」(東京都千代田区)のページでのプロジェクトの詳細な報告掲載にも尽力し、広く地域周辺からの協力を呼び掛ける考えです。

なお、クラウドファンディングの実施を計画するまでの過程では、手続き上などでの様々な“壁”もあったとのこと。

地域を意識しているためか、授業中も一人ひとりの笑顔が絶えなかった。来年度中の着工、そして完成を目指すプロジェクトの成功を祈りたい

地域を意識しているためか、授業中も一人ひとりの笑顔が絶えなかった。来年度中の着工、そして完成を目指すプロジェクトの成功を祈りたい

地域の皆様の日頃からの学校運営への多大なる支援があり、今回のプロジェクトの実施に至ったことに感謝しています」と、第14代目となる川村智子校長も、子どもたちにとっての地域との連携をより深める一助にもなる今回の企画のために奔走してきたと、その道のりを振り返ります。

松山教諭も、「子どもたちは何度も壁にぶつかりながら、最後まであきらめないという思いで、このクラウドファンディングにたどり着きました。井戸をつくり、地域の役に立ちたい、という子どもたちの思いを形にするためにも、ぜひ一人でも多くの方にご協力いただければ」と地域エリアや同校ゆかりの人々にも広く支援を呼び掛けていく考えです。

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【参考リンク】

横浜市立師岡小学校のサイト

師岡WaterProject~災害時地域に役立つ井戸を作りたい!(READYFOR~レディーフォー)※2月25日10時よりスタート、リンク追記


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