港北区の小学校が初挑戦したクラウドファンディングは“目標達成”、井戸掘削も成功――どのように地域に披露するのか、完成を待つ子どもたちの夢が膨らみます。
横浜市立師岡小学校(師岡町、川村智子校長)でおこなわれた、地域防災のための井戸を学校内につくるという「師岡ウォータープロジェクト」が、クラウドファンディングでの掘削のための目標金額を達成。
今月5月9日(月)から工事がスタートし、11日(水)には井戸を掘削するボーリングマシンを設置。
5月17日(火)には深さ30メートルに到達、翌18日には32メートル地点での水の汲み上げに初めて成功しています。
汲み上げたこの日の水量は“豊富”だったといい、状況により多少変わる可能性があるものの、毎分80リットルもの水が湧(わ)き出たといいます。
「なぜ、水に色がつくのか、児童たちに追及してもらいたいですね。水質検査もおこなっていきます」と、クラウドファインディングの運営を担(にな)った第21代目PTA会長の横溝和宏さん。
クラウドファンディングでの当初の目標金額だった50万円を大幅に超える125万5千円を199人もの支援者により達成したことへの喜び、そして“無事に”井戸が掘削できたことへの感謝の想いを強く抱いているといいます。
完成披露に向けた「セカンドステージ」を授業で展開
師岡小学校が創立50周年を迎えるにあたり、「地域に役立つものを」と、昨年度(2021年度)の5年生が「総合的な学習の時間」の授業時間内で企画した「師岡ウォータープロジェクト」。
その授業は、今年度(2022年度)6年生に進級した児童がクラスを超え選択する「総合的な学習の時間」での“セカンドステージ”に引き継がれることに。
昨年度の児童の多くが集う「井戸クラス」で、井戸の完成披露や取扱説明書の制作、学校や地域への告知PRといった様々な“ミッション”をおこなうべく準備が進められています。
月3回から4回ほどおこなわれているという同授業。ちょうど井戸掘削が30メートルに到達した5月17日の授業では、井戸の掘削作業を見学。
学内外や運動会で井戸の完成をアピールする貼り紙や看板、案内チラシ制作のアイデアや、完成披露の「お祝い会」、掘削事業者への「感謝の会」、さらに「トリセツ(取扱説明書)」についても意見を出しあい、井戸完成を各方面に伝え、また“喜び”を分かちあうための話し合いをおこなっていました。
前年度の5年生からの授業を今年度も継続しておこなう松山一代教諭は、「今回の取り組みを広く知っていただくことは、子どもたちにとっても大変貴重な経験となっています」と、児童らがおこなう活動を広く知ってもらいたいとの想いを語ります。
「(今秋開催予定の)50周年式典に向け走っていきたい」と、何らかの披露や報告を地域に向けにもおこなう記念式典の開催日に向けての決意を新たにしているかのようでした。
井戸の完成を祝う「お祝い会」、また井戸を掘削した株式会社森ボーリング(都筑区荏田東町、森英夫社長)への「感謝の会」は6月上旬にも開催予定とのこと。
「開催当日は、地域の皆さんや森ボーリングさんに感謝の言葉を伝え、テープカットもおこなうことができれば」(松山教諭)と、新たに誕生する井戸の“ポンプ”を押す瞬間が来る日を、児童らとともに心待ちにしているとのことです。
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【参考リンク】
・新着情報~師岡WaterProject~災害時地域に役立つ井戸を作りたい!(READYFOR~レディーフォー)