日吉本町の丘の上に「オーダーメイド」ケーキ店が誕生、店舗・建物を設計した建築家の夫とともに奏でる「地域貢献」の夢とは――。
きょう(2021年)6月22日(火)、駒林神社や駒林小学校、慶應義塾下田学生寮も近い日吉本町2丁目の小高い丘の一角に、完全予約制のフラワーケーキ、デコレーションケーキ専門店「ニコ デザインハウス(nico design house)」が新規オープン。
日吉育ち・在住のフードコーディネーター・そぶえあやかさんが、あらかじめ予約受付を行ったオーダーケーキを手作りし、販売するというスタイルでの営業を行う予定です。
東京都杉並区の私立中学校在学時に、同区から日吉に転入してきたというそぶえさんは、高校時代まで、部活動で夢中になったダンスの道を志すも、当時の夢が叶わず、立教大学で社会学を学ぶことに。
在学中からパン店で働き、卒業後は一般企業に就職したといいますが「やはり“ものをつくる”食の仕事への道が諦めきれなくて」と、働きながら料理学校に通い、調理師免許を取得。東京都内にあるテレビや雑誌などのメディアに登場する料理の製作会社で約11年キャリアを積み、今回独立するに至ったといいます。
建築家の夫・一宏さんが「人もてなす」空間美を創出
先月5月下旬に完成したばかりだという「ニコ デザインハウス」。サイズが異なる窓から見える風景にこだわったという、いかにも「現代建築」といったオリジナルの建物は、下田町方面と駒林小学校方面を結ぶ階段の途中、まさに「崖地(がけ地)」に建てられています。
設計を行った夫の祖父江(そぶえ)一宏さんは、愛知県東海市出身。愛知県立横須賀高校(愛知県東海市)時代に高校野球で甲子園を目指し活躍、「プロからの誘いも受けたのですが、妻(あやかさん)と同じように、将来の道を迷い、大学からは建築の道に進むことにしました」と、あやかさんと同様に“ものづくり”への夢を新たに抱いて、日本大学理工学部建築学科(東京都千代田区)に進学。
横浜国立大学大学院建築都市スクール「Y-GSA」(保土ヶ谷区常盤台)で、世界的建築家として活躍する西沢立衛(りゅうえ)教授に学びたいとの思いから、同大学院に進学。修士課程を経て、株式会社日建設計(東京都千代田区)に入社し、地域まちづくり分野での設計も担当しているといいます。
「ものづくり」で共感の二人が目指す“地域貢献”の姿とは
「土地を探すのに2年ほど時間がかかりました」と一宏さんが語るように、日吉エリアでの「土地探し」はなかなか思う通りにはならず、毎週のように眺めた不動産情報から、今の土地にめぐり会うことができたとのこと。
「この景観を、ぜひ地域の皆さんと分かち合いたくて。妻が作るケーキも、花をデザインしたものが人気です。いずれは港北オープンガーデンといったイベントにも参加したいですね」と一宏さん。
現在、2人は、2児の子育てにも奮闘中。「子どものつながりが縁となり、口コミでケーキのオーダーもいただいています。新型コロナ禍が収まれば、ぜひカフェ・スペースとしても店を開き、料理教室といったイベントも開催したいですね」と、あやかさんも、メディア業界で磨かれた“スペシャリスト”としてのオーダーケーキ製作のスキル、そして開かれた空間での“食を楽しむひととき”を、コロナ収束後には地域の人々にも提供していきたいとの想いを熱く語ります。
完成したばかりの建物の外には、まだ工事未着手の「庭」空間が存在しており、「子どもたちが遊べるような場所も創り出したいですね」と、一宏さんも、新たな設計デザイン空間を“未来を担う”地域の子どもたちのために提供したいと意気込みます。
まだ30代だという二人が、大きく描く「地域とのコラボレーション」の夢。
オーダーケーキ、そして建築と、二人が扱う「モノ」は異なれど、「共通の目標」に向けて響きあうハーモニーは、日吉周辺エリアの人々に、新しい“夢の息吹”を感じさせてくれることになりそうです。
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【参考リンク】
・nico design house(ニコ デザインハウス)のサイト ※そぶえさんが自らホームページも制作しているという
・横浜国立大学大学院/建築都市スクール “Y-GSA”公式サイト ※祖父江一宏さんの出身校。相鉄東急直通線がつながれば日吉や新綱島からも通いやすくなる