港北区民の定住意向は低く、横浜に対する愛着も高くない一方で、暮らしやすさという面では一定の評価をしているとの結果が出ていました。横浜市政策局が今年(2019年)3月28日に公表した「平成30年度市民意識調査」では、港北区民の定住意向や、横浜に対する愛着、市政全体への満足度のいずれもが市内全体の数値と比べ低くなっています。
この調査は昨年5月から6月にかけて行われ、市内に住む18歳以上の男女3200人を無作為に抽出し、2352人から回答が得られたもので、回答者に占める港北区在住者の割合は9.0%で市内最多でした。
現在住んでいる地域への定住意向を尋ねた設問では、「住み続ける」と「たぶん住み続ける」を合わせた数は、市内全体が62.1%でしたが、港北区民に限っては53.1%しかなく、定住意向の低さでは市内18区でワースト。「たぶん移転する」と「移転する」を合わせた移転意向は32.2%で、市全体の19.9%を大きく上回っています。
「横浜」に対する愛着を尋ねたところ、「感じている」と「やや感じている」が市内全体で81.7%あったものが、港北区民は76.8%しかなく、“愛着の低さ”では鶴見区に次ぎ市内ワースト2位となりました。
横浜市政全体への満足度に関する設問では、「満足しているほう」「まあ満足しているほう」を合わせ、市内全体で42.1%が“満足”と回答していますが、港北区民は33.6%にとどまり、西区の33.3%に次ぎ市内2番目の低さです。
市政への要望を複数回答可能で尋ねたところ、「通勤・通学・買い物道路や歩道の整備」(32.7%)や「最寄り駅周辺の整備」(31.3%)が「地震などの災害対策」(27.0%)よりも高く、他の区ではベスト5に入っていないことが多い「保育など子育て支援や保護を要する児童への援助」(24.2%)が5番目に入っていました。
一方、周辺環境の評価では「暮らしやすい」「どちらかというと暮らしやすい」を合わせた数が市内全体で79.2%でしたが、港北区民はそれを上回る80.6%。
また、「暮らしにくい(どちらかというと暮らしにくい、暮らしにくいを合わせた数)」との回答は市全体で5.8%ありましたが、港北区民は3.8%しかなく、居住地としては一定の満足をしている様子がうかがえました。
【関連記事】
・港北区民は「横浜市政」に低い満足・大きな不満、“市の端”ほど満足度が低下(新横浜新聞~しんよこ新聞、2018年5月14日、昨年の調査結果)
・居住者に聞いた“住み心地の良い街”、港北区からは64位の「大倉山」だけ(新横浜新聞~しんよこ新聞、2019年2月21日)
【参考リンク】
・横浜市「平成30年度市民意識調査」(2019年3月28日、市民局)