日吉駅からバス1本、新川崎駅近くに大型インキュベーション拠点「AIRBIC」が完成 | 横浜日吉新聞

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AIRBIC

新川崎駅から徒歩10分、日吉駅東口と新川崎交通広場を結ぶ「日95系統」バスが発着する「杉山神社入口」バス停から徒歩3分程度の場所に、川崎市などが“首都圏で最大規模”といわれるベンチャー企業向けのインキュベーション拠点(賃貸オフィスなど)「AIRBIC(エアビック)」を新たに設け、今月(2019年1月)から一部が稼働しました。

地図

「新川崎・創造のもり」の位置図、右手の「創造のもり」と書かれた一画に「AIRBIC」が新たに設けられた。日吉駅からのバスが発着する「杉山神社入口」は至近(川崎市「新川崎・創造のもり」パンフレットより)

この一画は、昭和初期に設けられた鉄道貨物の巨大な「新鶴見操車場」の跡地で、1984(昭和59)年に同操車場が廃止された後、川崎市が2000年から「新川崎・創造のもり」と題した先端研究の開発拠点として、段階的に整備を行っています。

これまでに、5棟から成る慶應義塾大学の研究施設K2(ケイスクエア)タウンキャンパス」をはじめ、ベンチャー企業の育成支援を行うインキュベーション施設「かわさき新産業創造センター(KBIC=ケービック)」を開設。さらに、2012年には慶應義塾大学や早稲田大学、東京工業大学、東京大学と日本IBM、川崎市などが連携する「ナノ・マイクロ産学官共同研究施設(NANOBIC=ナノビック)」も加わり、合計3施設を設けています。

約9,200平方メートルの敷地に設けられた地下1階・地上5階建ての産学交流・研究開発施設「AIRBIC(エアビック)」はすでに稼働中

この「新川崎・創造のもり」の集大成と言われるのが、このほど完成した地下1階・地上5階建ての「AIRBIC(エアビック)」で、川崎市が土地を大和ハウス工業に貸し、同社が建物を建設。

完成した建物の一部を川崎市が取得するという枠組みで設けられたものです。そのため、3階から5階部分は大和ハウス工業による“賃貸オフィス”となっており、日立化成株式会社がすでに進出しています。

AIRBIC(エアビック)にはインキュベーションフロアとして41室が設けられ、ベンチャー企業などが1平方メートルあたり月額4000円で借りることができる

AIRBICのうち、2階部分(約3500平方メートル)が川崎市によるインキュベーションフロアとして41室(1室あたり40~130平方メートル)が設けられ、創業を目指す個人や開業後5年以内の個人・会社などが、1平方メートルあたり月額4000円の賃料で、5年以内に限って利用することが可能です。

また、1階部分は共有スペースとして、入居者向けの会議室や交流スペースに加え、テラス席もあるレストラン・カフェやコンビニエンスストアを新設。レストラン・カフェは、武蔵小杉にある「ホテル精養軒」の運営により、2月のオープンを予定しています。

日吉駅と新川崎交通広場を結ぶ「日95系統」バスは1時間に2本程度運行されている。綱島街道が混雑していない時は日吉駅から杉山神社入口まで15分程度で着く

横浜市では、こうした起業家やベンチャー企業向けのインキュベーション施設を市内中心部に集中させており、日吉・綱島をはじめとした港北区内には設けられていません

日吉エリアのスタートアップ(起業間もないベンチャー企業)にとって、バス路線1本でアクセスできるAIRBICはオフィスとして有力な選択肢となりそうです。

【関連リンク】

「科学」と遊べる年に一度の体験型イベント、9/8(土)に新川崎駅近くで(2018年9月7日、毎年「新川崎・創造のもり」で開かれている)

タワマンから研究施設まで多彩、巨大再開発の大先輩「新川崎」に日吉が学ぶこと(2016年2月24日)

【参考リンク】

「新川崎・創造のもり」公式サイト(かわさき新産業創造センター共同事業体)

イノベーションの創出に向けた新たな産学交流・研究開発施設~AIRBICが2019年1月にオープンします(「新川崎・創造のもり」公式サイト)

日95系統(日吉駅東口~江川町~新川崎交通広場)の運行情報(東急バス、AIRBIC至近の「杉山神社入口」は終点の1つ手前)


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