【グルメレポート第27回:2018年4月2日「綱島街道編2」】久しぶりの本連載。綱島街道の北綱島交差点近くに先月(2018年3月)30日に正式オープンしたショッピングセンター「アピタテラス横浜綱島」には、全国系チェーンを中心とした5店による「フードコート」をはじめ、スターバックスとキーコーヒー系のカフェ、そして1階には両極端ともいえる飲食店テナント2店が入っています。この2店を中心にアピタテラスのグルメ事情をご紹介します。
外部のテナントを中心としたショッピングセンター(SC)形態のアピタテラスでは、かつての「アピタ日吉店」(箕輪町2、2015年11月閉店)時代と比べ、グルメスポットはかなり充実したといえるのではないでしょうか。
全国系中心の5店による“フードテラス”
マクドナルドをはじめ、長崎ちゃんぽんの「リンガーハット」や、セルフうどんの「はなまるうどん」、立ち食い店として話題の「いきなり!ステーキ」、そして、中京圏を中心としたラーメン店「一刻魁(いっこくさきがけ)堂」の5店から成る2階の“フードテラス”と名付けられたフードコートは、同SCのメインとなる飲食スポットです。
いずれも、セルフサービス式の小型店舗による出店になっているため、街中にある一般店に比べるとメニューを限定している店もありますが、“うどん・そば”やラーメン、ちゃんぽん、ハンバーガーからステーキまで手軽に食す際には重宝しそうです。
なにより、キッズスペースや綱島街道側のテラス席も含め350席を備え、広さも十分なので子ども連れや、買物時の休憩に使う際にも重宝しそうです。
2つのカフェでは食事メニューや書店連携
フードコート以外にも、1階にはキーコーヒー系の「Top’s KEY’S CAFE(トップスキーズカフェ)」と、2階は「スターバックス」と2つのカフェが入っています。
トップスキーズカフェは、6種類のパスタや3種類のカレー、ラザニア(税別780円~800円)といった食事メニューも用意。
スターバックスでは、隣接する「くまざわ書店」の一部書籍類を試読として持ち込むことも可能としているのが特徴です。
なお、店内正面玄関の間近にあるベーカリー「ポンパドウル」には店内イートインスペースがあるほか、アピタテラスの店内には64席の「イートインテラス」が設置されています。
「焼きたてピザ」に力を入れるアピタの食品売場「フードテラス」の惣菜類や、鯛焼き店「おめで鯛焼き・たこ焼き」、コッペパン専門店「コッぺんどっと(道土)」、「サーティワンアイスクリーム」などで購入した商品を店内で食すことも可能で、ランチ時のバリエーションが広がるのではないでしょうか。
新業態店は“ベジタブル・カフェレストラン”
今回、アピタテラスでもっとも気になるグルメスポットが正面入口右手に並ぶ「PICKS(ピックス)」と「まるとよ食堂」です。いずれも事前の情報はほとんど流れていませんでした。
ピックスは、都内を中心に120店を展開するパスタチェーン「ポポラマーマ」による新業態で、同社によると、まったく新しいコンセプトで立ち上げたカフェレストランだといい、アピタテラスが1号店となっています。【「PICKS(ピックス)」は2019年8月30日に閉店しました】
同店では「パスタ」と「肉料理」、食事にもなる「ピックスサラダ」に加え、「ポップオーバー」と呼ばれるデニッシュを使ったサンドイッチの4つがメインメニュー。
新コンセプト店なので、一見しただけではカフェレストランということ以外に、どんな飲食店なのかが少し分かりづらいかもしれません。
全メニューで“野菜”に力を入れているのが特徴で、パスタも「ベジスープパスタ」(価格はいずれも税込み、1000円~)と名付けたスープタイプ。麺は通常の「プレーン」だけでなく、低糖質や野菜が練り込まれた麺を選ぶことも可能としており、パスタ専門チェーンらしいこだわりぶりがうかがえます。
さらにスープは「キャロット&パンプキン」や「ケール&ほうれんそう」など4種類から選択ができ、最後はトッピングとして「ケール(緑葉野菜)&十三雑穀豆」や「アサリ&ポテト」、「メレンゲたまご&ベーコン」など8種類から選んで自分好みの“スープパスタ”を注文する形となっています。
最初は選ぶだけでも迷ってしまいそうなので、メニュー表に提示された「グリーンポタ・ケール」(1000円)や「ホワイトポタ・ビーフラグー」(1000円)などおすすめの組み合わせを選ぶか、ランチメニュー(11時~14時、1100円~1400円、ドリンク付き)から注文するのが良いかもしれません。
「ミートプレート」(1300円~)と名付けられた肉料理も、「チキンブレスト」や「ポークロース」、「ビーフサーロイン」の3種類から、ソースと付け合わせのマッシュポテトも3種類から選ぶことができます。
食事向けの「ピックスサラダ」(800円)も、ポップオーバーを使った「サンドイッチ」(700円)もドレッシングやソースなどが3~4種から選択可能。
なお、サイドメニューにある「ピックスパフェ」(750円)でもフルーツやホイップを数種類から選ぶことができ、メニューを見て何かと迷う傾向のある方は、時間のある際に訪れるのがいいかもしれません。
どちらかというと女性向けの店ですが、健康志向の男性にも十分に満足できそうなメニュー構成で、野菜を摂りたい時にはおすすめです。
綱島から全国浸透を目指す「ポップオーバー」
もう一つ、ピックスが特に力を入れているのが、キノコのような形をしたアメリカ生まれのデニッシュ「ポップオーバー」(単品1個200円、食事の場合は1個100円)で、テイクアウト(3個500円、5個800円)もできます。
ほんのりとバター風味がある“パン”は、そのまま食べても、クリームや野菜、ハムなどでトッピングしてサンドイッチにしてもなかなか合います。
「ポップオーバーは一部の大手チェーンでも扱っているのですが、まだまだ存在自体が浸透しておらず、なんとかメジャーな存在にできればと思っています」と、新店舗の様子を見守っていたポポラマーマの安家美津志社長は話していました。
果たして「ポップオーバー」は綱島の地から全国へ広げることができるのか、同社にとってアピタテラスの店が試金石となります。同店へ行ったら賞味し、自身の味覚で今後の行方を占ってみてください。
(※2018年7月16日追記:「PICKS(ピックス)」では7月1日からメニューが大きく変わり、「生パスタ」20種以上(税別700円~1050円)や「オムライスプレート」(税別1100円)、「キッズプレート」(税別650円)などが登場しています。
まるとよ食堂は中華中心に11種の定食も
そしてピックスの隣にあるのが「まるとよ食堂」。椅子と机が中心の店内や店外のサンプルを見ると、その名の通り“定食屋”のような店構えなのですが、メニューを見る限りは中華が中心でした。
「石鍋マーボー豆腐」(単品、価格はいずれも税別、980円)や「フカヒレ入りあんかけ炒飯」(1080円)、5種類の「炒飯」類(800円または880円)、「サンマー麺」(横浜発祥とされるあんかけ風ラーメン)や「担々麺」など麺類は8種類(880円、フカヒレタン麺のみ1080円)、焼きそばも5種類(880円または980円)と、スープ類も含め中華メニューだけで30種類以上ありました。「上海小籠包」(580円)などの点心類も含めれば40種以上になりそう。
一方、定食メニューも「豚ロースカツ定食」(880円)や「唐揚げ定食」(880円)、「サバの味噌煮込み定食(850円)など、揚げ物を中心に11種類が用意されていました。
このほか、点心と鉄観音などの茶をセットにした「お茶セット」(980円)や、ドリンクバー(食事にプラス200円)もあり、店内ファミレス的な役割も担っている様子です。
また、紹興酒(グラス400円)などの酒類にも力を入れていて、全10品のコース料理(1人3500円、2人から可能)に1500円をプラスすれば2時間の飲み放題にもできるとのことでした。
同店は、お酒もお茶も飲めて定食も味わえる“中華食堂ファミレス”といった存在なのかもしれません。
“ガッツリ系”の雰囲気が漂う定食類
この日は、同店おすすめの「石鍋マーボー豆腐」(980円)に「ご飯セット」(ご飯・漬物・スープ、200円)を注文。
グツグツ煮立った濃い目の麻婆豆腐は辛さが強めで、汗をかくほど。辛いもの好きな方には良さそうです。
違う日には「唐揚げ定食」(880円)を注文したところ、大きな唐揚げが皿を埋め尽くし、まさにガッツリ系の定食。
小食の人が知らずに注文してしまった場合は、完食するのに苦労するかもしれませんが、食べ応えは満点でした。
なお、アピタテラス運営者のユニーによると、「まるとよ食堂」の運営は丸豊商事有限会社が行っているといいます。
インターネット上には、緑区青砥町にある業務用野菜卸(おろし)業者として同名の会社によるホームページがあり、横浜市中央卸売市場から洋食レストランや中華店などに青果類を届けているほか、中華料理用食材も得意にしていると書かれていました。
隣の「ピックス」が“ベジタブル系”だとしたら、こちらは“ガッツリ系”。両極端ともいえる2つの飲食店を並べるあたりは、アピタテラスのテナント戦略なのかもしれません。
(※)いずれの情報も2018年3月30日時点のものです
(※)この「グルメレポート」のコーナーは記者が個人的に訪れたなかで、「ここは!」というお店についての情報を紹介するとともに、個人としての所感を述べていく不定期連載です。バックナンバーはこちら。なお、フードコートなどの店内写真は、正式オープン初日のメディア公開日に撮影したものです
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