<日吉駅前ベンチ>喫煙と酒宴のゴミ放置、花壇破壊や盗難も、清掃の住民ら「もう限界」

横浜日吉新聞

日吉駅東口(慶應大学側)の歩道上に置かれている6基のベンチが年内にも撤去される可能性が高まってきました。駅の利用者らが憩う場として5年以上にわたって親しまれてきましたが、喫煙やゴミ放置など、利用者のマナー悪化が深刻化しているため、横浜市は廃止を検討しているといいます。

日吉駅東口に設置されたベンチと花壇

日吉駅東口に設置されたベンチと花壇、喫煙やポイ捨てをやめるよう呼びかける横断幕も効果は薄い

東口駅前に置かれたベンチと花壇は、綱島街道の4車線拡幅化を機に広くなった歩道を活用し、2009年11月に横浜市が整備。日吉駅の付近では気軽に座れる場所がほんどないこともあって、鉄道やバス利用時や買物の前後にひと休みするスペースとして、現在も多くの人に使われています。

しかし、電車に乗る前に「座って喫煙ができる格好のスペース」として喫煙者が年々増加。多くの人が吸い殻をベンチ付近に捨てていきます。この場所は条例で決めた禁煙区域ではないため、喫煙を強制的に止めさせることもできません

また、付近で購入した飲食物を食べる場としても頻繁に利用され、ゴミをそのまま放置するケースも目立ちます。駅周辺に喫煙場所が設けられていないことや、東急電鉄や市営地下鉄グリーンラインの駅構内にゴミ箱が設置されていないことも背景にあるとみられます。

「花の管理」以前に吸い殻とゴミ掃除に忙殺

ベンチが設置される前は殺風景だった(2009年10月のグーグルストリートビューより)

ベンチが設置される前は殺風景だった(2009年10月のグーグルストリートビューより)

ベンチが置かれた場所は横浜市が管理する土地。市は道路に花を植えたり、清掃したりする地域のボランティア「ハマロード・サポーター」を積極的に募集していることもあり、日吉駅前でも、花壇を維持管理する目的で日吉在住者によるボランティアグループが結成され、花壇を中心に日常の管理を担っています。

「日吉駅前花壇・花ポケットボランティア」で代表をつとめる小出瑛子さんは、「本来は花の管理を行うグループですが、今は活動時間の大半を清掃に費やさなければならない状態です。ベンチが置かれた当初は1日1回のゴミ拾いで済んでいましたが、現在は4~5回やっても追いつかない状態。メンバー以外にも善意の方数人が掃除を行っていますが、少し時間が経つとゴミだらけです」と話します。

ベンチや花壇の付近を見守る小出さん

ベンチや花壇の付近を見守る小出さん

同ボランティアに対しては、横浜市だけでなく、東急電鉄や東急バス、慶應義塾大学日吉キャンパスなどが園芸用具やゴミの一時保管場所を提供するといった後方支援を行っていますが、ベンチの場所は市の管轄下ということもあり、普段は同グループと善意の住民有志ら計10名ほどが一手に清掃を担っている状況だといいます。また、市も多数の道路管理を抱えるなかで、日々の人的支援にまで十分に手がまわらないのが現状です。

「朝夕は通勤・通学客の喫煙で吸い殻だらけとなり、夕方以降は酒類を持ち寄っての“宴会”が開かれ、夜遅くなると焼き鳥などを売る車までが出現し、宴(うたげ)のあとはゴミが放置されます。朝に行くと、花壇やベンチが破壊されたり、花壇への吐しゃ物で花が台無しになったりしていたことが幾度もある」と小出さんは明かします。また、高価な花を植えると盗難に遭うともいいます。

日吉駅前を花で彩りたいとの思いから活動してきたボランティアグループなのに、今はルール無用の“無法地帯”と化した公共スペースの後始末に奔走される毎日。「子どもを連れたお母さんや、お年寄りの方がベンチを使っているのを見る度に、何とかしてこの場所を残さなければいけないと思って毎日頑張ってきましたが、もう限界です」(小出さん)。

外から見ると街のイメージが良好とされる日吉ですが、その玄関口は情けない状態となっています。

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