橘樹(たちばな)歴史公園に「飛鳥時代の倉庫」、5月18日にオープン記念イベント | 横浜日吉新聞

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高田・日吉周辺や川崎市一帯を含んだ古代橘樹(たちばな)郡」の中心だった地に飛鳥時代の倉庫を復元した歴史公園が誕生します。

川崎市教育委員会は、国史跡(国指定史跡)である「橘樹官衙(かんが)遺跡群」(川崎市高津区千年)の一部を緑地化した「たちばな古代の丘緑地」に飛鳥時代の倉庫を復元し、今週(2024年)5月18日(土)から「橘樹歴史公園」(約3055平方メートル)として新たにオープンすると発表しました。(2024年5月18日追記:ページ下部にオープン当日の写真を掲載しました)

旧「たちばな古代の丘緑地」に飛鳥時代の倉庫1棟(全体)に加え、3棟分の柱の一部も復元したうえで「橘樹歴史公園」として新たにオープンする(5月2日撮影)

飛鳥時代から平安時代中期まで続いた「武蔵国(むさしのくに)橘樹郡」の範囲は、高田や日吉の一部をはじめ、現在の川崎市全域を含んでいたとみられています。

役所(官衙=かんが)を置いた中心地とされるのが川崎市高津区千年(ちとせ)から宮前区野川の周辺に広がる橘樹官衙遺跡群で、市教育委員会が半世紀近くにわたって発掘などの調査を続けてきました。

2015(平成27)年には川崎市で初の国史跡に指定されており、これを機に市が長期にわたる保護・活用の方針を決定。飛鳥時代の倉庫復元や橘樹歴史公園の開設もその一環で行われているものです。

5月18日(土)にオープンする「橘樹歴史公園」の記念式典などを案内するチラシ(川崎市教育委員会のニュースリリースより)

5月18日のオープン当日は10時から古代の儀式を模した「閉封(へいふう)の儀」などのセレモニーが11時まで行われるほか、11時20分からは公益社団法人北之台雅楽アンサンブルによる舞楽「賀殿(かてん)」の上演を予定。

入場無料で事前の申込は不要ですが、定員は約200人となっています。

「影向寺(ようごうじ)」バス停近くには詳しい地図と案内板も設置されている(5月2日)

橘樹歴史公園は、綱島駅から高田駅前や下田町などを経由して新城駅前(JR南武線)を結ぶ東急バス「城01系統」の「千年(ちとせ)」バス停から徒歩約7分から8分の距離。

また「高田町」バス停が始発の川崎市バス「溝25系統」や、小杉駅(JR武蔵小杉駅)が始発の東急バス「杉09系統」などが通る「影向寺(ようごうじ)」バス停からは5分程度でアクセスが可能です。

【2024年5月18日写真追記】

「橘樹(たちばな)歴史公園」のオープン当日は暑いくらいの好天となり、10時の式典開始までに用意された200の一般用座席に入りきらないほどの観覧者が押し寄せ、立見となる盛況ぶりを見せていました

福田紀彦(のりひこ)川崎市長は奈良時代の郡司(ぐんじ=郡をおさめた地方官)を模した姿で、市教育委員会事務局の担当者も当時の役人をイメージした衣装を着用し、式典を盛り上げました

式典では、奈良時代の重要な施設だった高床の倉庫に鍵をかけることで歴史公園のオープンを宣言する「閉封(へいふう)の義」を実施

式典後には古来から建物新築の際に演じられたという雅楽の「賀典(かてん)」が披露されました

【関連記事】

・【過去記事】橘樹(たちばな)郡の遺跡に「飛鳥時代の倉庫」復元、10月8日に工事見学会(2023年10月4日)

・【過去記事】古代の「橘樹(たちばな)郡」を発掘、9月23日(祝)に現地見学会(2022年9月15日、「たちばな古代の丘緑地」時代に行われた発掘調査の写真も)

【参考リンク】

2024年5月18日(土)「全国初!飛鳥時代の復元倉庫誕生!~橘樹(たちばな)歴史公園がオープンします」(川崎市教育委員会、10時~12時に式典や記念イベント)

橘樹歴史公園(高津区千年)の場所(グーグルマップ、東急バス「城01」系統の「千年(ちとせ)」バス停から徒歩約7分)


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