古代の「橘樹(たちばな)郡」を発掘、9月23日(祝)に現地見学会 | 横浜日吉新聞

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古代の「橘樹(たちばな)郡」に触れられる機会です。

文化財保護法で国が指定した「国史跡」となっている橘樹官衙(たちばなかんが)遺跡群の「影向寺(ようごうじ)遺跡」の発掘現場で、来週(2022年)9月23日(金・祝)現地見学会が開かれます。

9月23日(金・祝)に行われる現地見学会の案内チラシ(川崎市教委の案内ページより)

奈良時代の「橘樹郡」は、高田町付近から川崎市高津区子母口や千年(ちとせ)、宮前区野川の周辺にいたる一帯をはじめ、現在の川崎市全域や日吉の周辺なども含んでいたとみられています。

当時の役所(官衙)を置いていた中心部が高津区千年から宮前区野川にかけての一帯で、川崎市教育委員会による発掘調査が1975(昭和50)年から断続的に行われており、2015(平成27)年には橘樹官衙遺跡群として国史跡になりました。

今回の現地説明会は、同遺跡群の「影向寺(ようごうじ)遺跡第33次調査」の発掘現場を紹介するもので、この調査では古代寺院の区画溝を発見したといいます。

川崎市最古の「影向寺」

遺跡の名前となっている「影向寺」(宮前区野川本町3)は、橘樹郡の重要な郡寺であったとされ、国の重要文化財にも指定された川崎市最古の寺です。

今も境内に残る「力石(ちからいし=力持ちを競うための石)」には、綱島の飯田家などが寄進したとみられる「飯田石」と刻まれたものも見られ、綱島周辺とも往来があったことがうかがえます。

「橘樹官衙(たちばなかんが)遺跡群」は高津区から宮前区に広がっており、発掘調査は複数の場所で幾度も行われてきた(参考写真、2021年11月)

現地見学会は影向寺近くの発掘現場で行われ、川崎市教育委員会によると、参加の事前予約は必要なく、当日は13時から16時(受付は30分前まで)の間に来場者が一定数集まり次第、順に案内するとのことです。

影向寺へは、綱島駅発着で高田駅や下田町などを経由する東急バス「城01系統」の「千年(ちとせ)」バス停から徒歩15分ほどでアクセスが可能です。

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12年に一度だけの「ご開帳」、高田や日吉本町、綱島西の寺院も実施中(2022年4月7日、影向(ようごう)寺は高田や日吉本町の寺とともに「稲毛(いなげ)七薬師霊場」となっている)

【参考リンク】

2022年9月23日(金・祝)「影向寺遺跡第33次調査の現地見学会を開催します」(川崎市教育委員会)

国史跡「橘樹官衙(たちばなかんが)遺跡群」の紹介(川崎市教育委員会)


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