日吉駅前の慶應日吉キャンパス内で、今年も学生たちが奏でる「古楽」の世界、クラシック音楽の“源流”を楽しむことができそうです。
慶應義塾大学教養研究センター日吉行事企画委員会(HAPP)と同大学日吉音楽学研究室は、今月(2024年)6月30日(日)14時から16時30分まで(13時半開場、終演時間は予定)、「慶應義塾大学古楽アカデミー・室内アンサンブル演奏会~バロック後期のドイツ室内楽作品」を開催します。
同センターが設置している授業の成果発表として行われるもので、「慶應義塾古楽アカデミー」としての名称で、年2回、演奏会形式での発表会として演奏を披露。会場は、日吉駅前・キャンパス内にある協生館「藤原洋記念ホール(藤原ホール)」(日吉4)にて行われる予定です。
今回は、「ピリオド楽器」(古楽器、復元含む)を使用し、複数年授業に参加しているメンバー14人を中心とした演奏を行う予定です。
全体指導とチェンバロ、フラウト・トラべルソは石井明教授が担当。今年度は今回と、来年(2025年)1月の演奏会を予定しているといいます。
今回の演奏会について、同研究室の平山香織さんは、「ここ数年は、17世紀中期のイタリアの室内楽作品を扱い、ほとんど無名の作曲家による作品を披露してきましたが、今回はゲオルク・フィリップ・テレマン(1681~1767)やヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685~1750)といった一般的によく知られた作曲家の作品を中心に演奏します」と、今回の演奏曲目の特色について説明します。
また、室内楽の演奏会では、これまで17世紀のイタリア作品らしく、弦楽器が中心だったとのことですが、今回は、木管楽器が台頭した18世紀前半の「バロック後期」にドイツで活躍した作曲家たちによる作品ということもあり、久しぶりに管楽器が登場。“華やかな演奏”になる見込みです。
「バロック・バイオリン、バロック・チェロ、ビオラ・ダ・ガンバなどの弦楽器に加え、木管楽器の古楽器の一種であるフラウト・トラべルソ(バロック・フルート)、バロック・オーボエ、リコーダーも使用」するほか、伴奏楽器として登場するチェンバロやテオルボ(弦楽器)の演奏にも注目してもらいたいと語ります。
「プログラムには有名な曲も含まれますが、やはり、あまり知られていない作曲家の作品も含まれています。暑い季節となりましたが、涼しい場所でゆったりとした午後の時間を過ごしていただければ」と、当日の多くの来場を広く呼び掛けています。
なお、今回は、1721年からハンブルクの音楽監督となったテレマンの「オーボエ、ヴァイオリン、通奏低音のためのソナタ 変ロ長調」ほか、テレマンと親交があったといわれる、1723年にライプツィヒの音楽監督になったというバッハの「フルートとオブリガート・チェンバロのためのソナタ ロ短調」などの作品を演奏する予定です。
当日の入場は無料。事前申込は不要。公式サイトから限定公開での動画(YouTube)でのライブ・見逃し配信も予定しているとのこと。
「この時期(前期)での開催はコロナ禍以来となります」(石井教授)とのことで、コロナ禍以前の“日常”が戻ってきたこと、また遠方でもオンラインで公演を体感できる貴重な演奏会のひとときとなりそうです。
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【参考リンク】
・慶應義塾大学古楽アカデミー・室内アンサンブル演奏会《バロック後期のドイツ室内楽作品》(慶應義塾大学教養研究センター 日吉行事企画委員会(HAPP))
・慶應義塾大学 日吉音楽学研究室の公式サイト ※演奏会情報の詳細(動画へのリンク)など
・協生館へのアクセス(慶應義塾大学)