“スタートアップの祭典”が日吉キャンパスに戻ってきます。
慶應義塾大学の学生が中心となって運営する「慶應スタートアップ・フェス2023」（同実行委員会主催）が今月（2023年）11月7日（火）に日吉キャンパス協生館の藤原洋記念ホールで開かれます。
スタートアップとは、新しい技術や仕組みを考案して事業を立ち上げ、急成長を遂げる企業を指す言葉。国は「課題解決と経済成長を担うキープレイヤー」（経済産業省）と位置付け、昨年（2022年）11月には「スタートアップ育成5か年計画」を発表して「戦後の創業期に次ぐ、第二の創業ブームを実現する」などとの目標を打ち出しました。
スタートアップの育成は国も本腰を入れて取り組み始めている（内閣官房の特設ページより）
慶應大学では、日吉キャンパスを拠点とする大学院経営管理研究科（KBS＝慶應ビジネススクール）が中心となって「スタートアップカンファレンス」を2017（平成29）年まで日吉で開いてきました。
今回の“スタートアップ・フェス”はそうした流れを受け、同大学院生や他キャンパスも含めた学部生が新たに実行委員会を組織して企画したものだといいます。
KBS（慶應ビジネススクール）が中心となって独自に「スタートアップカンファレンス」を日吉で開いてきた歴史がある（2016年3月撮影）
学生が中心となって誕生する新たなスタートアップ・フェスでは、起業を検討する段階から起業後に成長を加速させて株式上場にいたるまで、各段階の経験者や実務に詳しいパネリストを招いて、“ゴール”までの道のりをわかりやすく示すイベントとしているのが特徴です。
たとえば、起業前の段階では「起業のリアル。学生目線の”ぶっちゃけ”を教えます。」と題し、慶應ビジネススクールで学ぶ学生と品川女子学院の高校生が登壇し、「起業体験プログラム」を通じて得たリアルな経験を明かします。
また、「DeNA南場さんと考える、U30キャリアの考え方」のセッションでは、日本におけるスタートアップの元祖的な存在でもある株式会社ディー・エヌ・エー（DeNA）の創業者・南場智子さん（横浜DeNAベイスターズオーナー、経団連副会長）がオンラインで登壇。
DeNAを起業した南場さんは2016年のスタートアップカンファレンスにも登壇している（2016年3月撮影）
30歳前後までのキャリア形成については、多数のスタートアップを導いてきた起業家コミュニティや投資家など6人が登壇し、起業から成長までの過程を多数の事例をもとに解説します。
続く「スタートアップが世界を変える？！」のセッションは、これまで前例の少ない分野で課題解決を図るために事業を立ち上げた複数の起業家らを招き、スタートアップが社会に与える影響や事業化にいたる道のりが語られる予定です。
日吉駅前の綱島街道沿いにある日吉キャンパスの「協生館」（イメージ）
一方、「レイター段階突破の条件を語り合う～事業収益構造／市場ポジションが出来るまで」や「東証・投資銀行・アセマネ・監査法人・起業家が語る、上場の“リアル”」のセッションは、すでにスタートアップを成長軌道に乗せ、次へ進むための実務や構えといったハイレベルな段階を乗り越えるためのノウハウを学べる貴重な機会。
19時10分から始まる「女性起業家飛躍の条件を語り合う」は、女性が起業する際の考え方や実例を紹介するセッションとして見逃せない内容といえます。
スタートアップを成功に導くエコシステム（共存共栄）を担う著名な識者・実務家・起業家など30人以上を一同に招く今回のような機会はめずらしく、広報担当をつとめる山本興陽さん（KBS修士1年）は「起業やベンチャー業界の方から、『贅沢過ぎです』と言われることも多い」と明かします。
11月7日（火）に協生館の藤原洋記念ホールで開かれる「慶應スタートアップ・フェス2023」の公式ページ
大学生はもちろん、スタートアップ・ベンチャー業界に興味を持つ層まで幅広く対応した内容となった慶應スタートアップ・フェスは、今月11月7日に協生館の藤原洋記念ホールで10時30分から始まり、最終セッションが終わった後の20時15分からは交流会も予定しているとのこと。
各セッションの入場は無料ですが、事前申し込みが必要。また、慶應義塾の学生を除く30歳以上の参加者には「PayPay」支払いで3000円の寄付協力を呼びかけています。
「慶應スタートアップ・フェス2023」のセッション案内ページより
【関連記事】
・【2017年の記事】慶應ビジネススクール、恒例の「スタートアップカンファレンス」は3/15（水）（2017年2月22日）
【参考リンク】
・11月7日（火）「慶應スタートアップ・フェス2023」公式ページ（10時～20時に開催）
・「慶應スタートアップ・フェス2023」の旧Twitter（X）（最新情報など）
