“ロボット宅配”は実用化できるか、日吉のマンションで実証実験へ

横浜日吉新聞

“ロボット宅配”の実用化を目指した実験が日吉で行われます。KDDI総合研究所(総研)と野村不動産ホールディングス(HD)は、箕輪町2丁目の大規模再開発マンション「プラウドシティ日吉」の住民を対象に併設の商業施設「ソコラ日吉」の店舗で取り扱う商品をロボットで宅配する実証実験を段階的に開始します。

綱島街道沿いに建つ「ソコラ日吉」、日吉駅寄りに「ビオセボン」(写真左側)がある(2021年5月撮影)

今回の実証実験で両社は、ソコラ日吉にあるミニスーパービオセボン(Bio c’Bon)日吉店」の商品をプラウドシティ日吉の居住者にロボットで宅配することを計画。実現への課題や居住者の需要、店舗側の負担といった面などを探りたい考えです。

今月(2022年)2月28日からプラウドシティ日吉で実験に参加する最大35世帯を対象にビオセボンの商品約150品目を注文できるECサイトを公開。まずはロボット導入の前段階としてスタッフによる宅配を行います。

実証実験で使用するロボットのイメージ(ニュースリリースより)

セキュリティ面や宅配ルートなどを1カ月間かけて“人の目”から確認したうえで、5月ごろから宅配用のロボットを導入。スタッフがロボットによる宅配を見守る形で、1カ月間にわたってロボット宅配の可能性を検証していきます。

実証実験は6月まで段階的に行われますが、野村不動産HDによると、その後の予定はまだ決まっていないとのことです。

今回、ロボット配送技術の提供とECサイト構築を担当するKDDI総研は、日本電信電話公社(現NTT)の国際電話部門が分社化して1953(昭和28)年に発足した「KDD」の研究部門を源流とする研究機関。現在はKDDIの次世代技術の開発を担う企業となっています。

同社では、2030年を見据えた新たなライフスタイルの提案として、ロボットによる配送技術の確立などで「買い物の負担を無くし、自分の時間が増える未来」の実現を目指しており、ロボット配送の実証実験を行う場を求めていました。

一方、野村不動産HDでも居住者への新たな価値提供や、商業施設の入居テナントに対する販促支援サービスなどを提供するうえでロボット活用は重要であると判断。共同での実証実験に踏み出したといいます。

「プラウドシティ日吉」では最後の「レジデンス3」や中央広場など、再開発エリアの全面完成が近づいている(2月5日撮影)

実証実験の場としては、同社マンション群のなかで初めてエリアマネジメント(まちづくり)運営組織の「ACTO(アクト)日吉」を設けるなど、「プラウドシティ日吉では、新しい試みに対して住民の理解が得られやすい環境」(野村不動産HD)が醸成されており、併設のソコラ日吉が自社運営という点もあって選んだとのことです。

消費者の手へわたる最終地点の“ラストワンマイル”を自動化し、買物スタイルを変える可能性を秘めた今回の試みでは、どのような結果が得られるのでしょうか。

【関連記事】

パリ生まれの「オーガニック」店が箕輪町に開店、子育てアイテムや量り売りも(2020年5月2日、スーパー「ビオセボン」について)

野村不動産の社長らが箕輪町で会見、「プラウドシティ日吉」が同社戦略の試金石に(2018年10月11日、同社マンションのなかで初めて「まちづくり組織」を設けるとして社長自ら現地で発表した)

【参考リンク】

大規模集合住宅「プラウドシティ日吉」での商品配送に係る実証実験を開始~「買い物の負担が無い未来」の実現に向けた検証の場として、複合施設を活用(KDDI総合研究、野村不動産ホールディングス、2022年2月24日)


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