綱島SSTを夏休みの「新たな学びの場」に、パナ・学研・東急が共同でプログラム | 横浜日吉新聞

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綱島SSTが小学生向けの“サマースクール”の場として初めて活用されることになりました。「綱島SST(Tsunashimaサスティナブル・スマートタウン)」(綱島東4)の運営を主導するパナソニック株式会社(大阪府門真市)は、学研プラス(東京都品川区)と東急株式会社(東京都渋谷区)の三者で「綱島SST探究サマーラボ」と題した小学生向けのプログラムを初企画し、すでに定員の8割が埋まるなど注目を集めています。

2018年3月の「まちびらき」時には現地と慶應大学日吉キャンパス内で、パナソニックの津賀一宏社長(当時)が自ら綱島SSTのコンセプトを紹介した

綱島SSTは、大阪発祥の松下電器(現パナソニック)関東進出を図る拠点として1960(昭和35)年に建てた大型工場の跡地で、2011(平成23)年の閉鎖時まで松下通信工業(現パナソニックモバイルコミュニケーションズ)がポケットベルや携帯電話といった機器の製造拠点としていました。

再開発に際してパナソニックは、商業施設「アピタテラス横浜綱島」やマンション「プラウド綱島SST」を誘致する一方、二酸化炭素(CO2)排出量の削減や新エネルギーの活用といった「都市型のスマートシティ」を目指すことを表明。

米アップル「YTC」の駐車場付近から見た慶應大学の国際学生寮(写真右)

綱島SSTを“共創”と“イノベーション”の場と位置付け、米アップルの研究所「YTC」や、「ENEOS(エネオス)」ブランドで知られるJXTGエネルギーによる水素ステーション慶應義塾大学の国際学生寮をあわせて誘致しています。

慶應大学学生寮と同じ建物内には、「綱島SSTイノベーションスタジオ」などの交流・研究スペースを設けており、最近では大学生向けにAI(人工知能)分野のアイデア創出や人材発掘を目指すプロジェクトも行われていました。

学研プラスによる「綱島SST探究サマーラボ」の特設サイト

今回の「綱島SST探究サマーラボ」と題した新たな企画は、パナソニック2018年春から学研グループと教育をテーマに協業を始めていたことから、“新しい学び”を検討するなかで誕生したプロジェクトだといいます。また、綱島SSTが東急沿線ということもあり、東急グループが「たまプラーザテラス」を課外学習プログラムの場に提供するなど、東急も参画しました。

綱島SST探究サマーラボは、「『プロジェクト型の探究学習』を核に、オンラインとオンサイト(リアルの実施設)、デジタルとリアルを行き来しながら、子どもたちの探究心を育み、学びが楽しくなる体験の場の提供を行うもの」(パナソニックの綱島SST担当者)という内容で、今月7月24日(土)から8月28日(土)の期間に設定。

「新しい学びの場」と綱島SSTイノベーションスタジオの親和性から会場に選ばれたという(特設サイトより)

「ロボティクス探究」(全8回)や「ショッピングセンター探究」(全8回)、「みらいワークショップ」(全6回)、「スクラッチでゲームづくり」(全4回)、「マインクラフトで建物づくり」(全4回)といったコースを設定し、受講料は1人あたり税込み1万6500円から2万7500円。付き添いとして子ども1人につき保護者1人の参加も可能です。

小学生全30人という限られた募集人数もあって、「すでに8割のコースが埋まっている状態」(学研プラスの担当者)だといいます。

今夏限定の取り組みとしているものの、3社では綱島SST探究サマーラボの開催を機に「新しい教育事業の検討を行っていく」といい、来年以降も綱島SSTで継続する可能性はあるとのことです。

【関連記事】

「綱島SST」がまちびらき、先端技術と人を集め“イノベーション創出”を目指す(2018年3月27日、全面オープン時の記事)

綱島SSTの「スイソテラス」は水素が学べる全国でも稀有な施設、誰でも見学OK(2017年4月1日、CO2削減や新エネルギー活用の一環)

綱島SSTに慶應大学が参入、米アップル研究所の隣に約160室の「国際学生寮」(2016年3月28日、慶應大学も参画)

【参考リンク】

綱島SST探究サマーラボ(2021年7月24日~8月28日開催、株式会社学研プラス)

綱島SST(Tsunashimaサスティナブル・スマートタウン)の公式サイト(見学ツアーの情報も)


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