新型コロナウイルス禍が続くなか、7月23日(金)の開会式まで2カ月を切っても開催への機運が高まらない状況が続く「東京2020オリンピック」。日吉などでの英国代表チームによる事前キャンプ実施をはじめ、日産スタジアムと周辺での聖火リレーや男女サッカー競技の開催はどうなっているのでしょうか。【2021年6月11日追記:横浜市や川崎市など神奈川県内での「聖火リレー」は公道走行が中止となりました。詳細はこちらの記事をご覧ください】
「事前キャンプ関連では、英国チームはすでに(実施が)決定しており、現在、受け入れに向けてきめ細かい調整を進めている」(市民局の田中礼子オリンピック・パラリンピック推進担当部長)。
今月(2021年)5月19日に開かれた横浜市会の「市民・文化観光・消防委員会」で、市議からの質問に対し、市側は英国代表チームの事前キャンプは行われるとの見通しを示しました。
公式サイトによると、事前キャンプは慶應義塾大学の日吉キャンパスや都筑区北山田の横浜国際プール、中原区の等々力陸上競技場が会場となっており、当初の予定通りなら7月2日(金)には日吉キャンパスを皮切りに英国チームがキャンプを順次始めることになります。
一方、事前キャンプより一足早く、来月6月30日(火)に予定されているのが川崎市内と横浜市内での「聖火リレー」です。
日産スタジアム周辺での走行距離が当初案より300メートルほど短縮されたものの、現時点(5月25日)で、開催形態の変更や中止の発表はありません。
開催当日の6月30日(火)は、10時10分に等々力陸上競技場をランナーが出発し、40分ほどかけて周辺を走り、10時52分に武蔵中原駅(南武線)の手前で川崎市内での聖火リレーは終了。
車で聖火を運び、12時10分に日産スタジアムの東ゲート広場付近からランナーが再び出発。新横浜元石川線を港北インターチェンジ方面へ向かって約1400メートルほど走って、12時26分に終了となり、その後は横浜市内中心部へ移動する、というスケジュールになっています。
また、区内で行われる唯一の競技が日産スタジアム(横浜国際総合競技場)での男女サッカーです。オリンピック開会式前日の7月22日(木)17時30分の「ブラジル対ドイツ」の男子予選から試合が始まります。
男子は準々決勝と決勝を含めた計8試合、女子は準決勝を含めた計3試合を予定。
すでにグループ予選の対戦カードは決まっており、男子の「フランス対日本」(7月28日)など注目カードが組まれてはいるものの、今後のチケットの販売は未定で、会場にどれだけの観客を入れるのかも明確には示されていない状況です。
このほか、地域の関連イベントでは、横浜市市民局が「コミュニティライブサイト in 港北区」と題し、7月24日(土)と9月4日(土)に横浜ラポール(日産スタジアム近くの鳥山町にある「障害者スポーツ文化センター」)を会場に、オリンピック・パラリンピックの競技中継とイベントを企画しており、運営を委託する事業者を今月5月28日まで募集しています。
新型コロナウイルス禍の影響で、中止や延期を求める声が広まっている「東京2020オリンピック」。そんな逆風下でも、港北区やその周辺では、開催を前提に“粛々と準備が進められている”という状況です。
【関連記事】
・<レポート>無観客の「五輪サッカー」開始、新横浜・小机に何一つ変化なし(新横浜新聞~しんよこ新聞、2021年7月23日、初日の様子)※リンク追記
・<慶應日吉>英国が事前キャンプ開始、オリ・パラ期間に「エリア分け徹底」(2021年7月8日)※リンク追記
・日産スタジアム周辺での「聖火リレー」中止、神奈川県が公道走行を断念(新横浜新聞~しんよこ新聞、2021年6月11日)※リンク追記
・<五輪まで500日切る>日吉でキャンプ、新横浜はサッカー決勝、港北区が「特別な年」に(2019年3月13日、英国事前キャンプの当初計画の詳細も)
【参考リンク】
・GO GB(ゴー・ジービー)(英国代表事前キャンプの特設サイト)
・東京2020オリンピック聖火リレー神奈川県情報サイト(神奈川県)(川崎市・横浜市では6月30日実施)
・サッカー競技の紹介(東京2020オリンピック公式サイト)(日産スタジアムでは7月22日~8月7日まで計11試合開催)
(※)オリンピックなどの世界的イベントでは正式名称である「横浜国際総合競技場」を用いなければならないとのルールがありますが、港北区内では通常使用されている「日産スタジアム」の知名度が高く、正式名称では場所が分かりづらいため、見出しや記事では日産スタジアムの名称を優先的に用いています