今月(2020年)6月12日に「新横浜トンネル」(新綱島駅(仮称)~新横浜駅(仮称)間、3304メートル)の真上に位置する環状2号線で道路陥没が起き、原因究明まで同トンネルの掘削工事が停止される一方、鉄道・運輸機構は「綱島トンネル」(新綱島駅(仮称)~箕輪町間、1100メートル)については、工法や地層が異なることから掘削工事を継続する考えです。
(※)6月30日朝に再び発生した陥没に関する記事は、新横浜新聞~しんよこ新聞の記事「また大豆戸町で『環状2号線』が陥没、直下で新横浜トンネル掘削の車線」をご覧ください
今月6月12日の14時45分ごろ、横浜アリーナに近い環状2号線で、鶴見方面の1車線と歩道の一部が縦(道路進路方向)11メートル×横8メートルの幅で、深さ約4メートルにわたって陥没したもので、トンネル工事の担当者が地上の路面変化を察知したこともあり、けが人などは発生しませんでした。
ただ、陥没の原因が究明されていないため、新横浜トンネルの工事は残り550メートルを残して6月12日以降は停止している状態です。
一方、綱島トンネルについては、今年1月に新綱島駅に設けられた防音建屋から「シールドマシン」と呼ばれる掘削機による掘進を開始しており、5月時点では、綱島東2丁目の東急東横線の高架下付近に達しているとみられます。
きのう6月24日に都内で会見した鉄道・運輸機構によると、新横浜トンネルは、削る際に泥水(でいすい)を潤滑油的に使う「泥水シールド」を採用する一方、綱島トンネルでは、掘削した土砂を泥土(でいど)化して掘削面を安定させる「泥土圧(でいどあつ)シールド」と呼ばれる方式を採用。
また、地層についても新横浜トンネルが歴史の古い「上総(かずさそう)層」を掘削し、綱島トンネルの掘削場所は大半が新しい地層である「沖積層(ちゅうせきそう)」となっており、「(両トンネルの掘削は)条件が基本的に違うので、綱島トンネルの工事を止めるということは考えていない」(鉄道・運輸機構)といいます。
新横浜トンネル真上の環状2号線陥没では、地下だけでなく地上部でも沈下状況を計測し、陥没の兆候をつかんだことから、「綱島トンネルでも、徹底した施工管理を行っていく」(同)と話していました。
【関連記事】
・<環状2号線の陥没>原因究明まで「新横浜トンネル」の掘削工事を停止(新横浜新聞~しんよこ新聞、2020年6月25日)
・<鉄道・運輸機構に聞く>箕輪町と新綱島駅を結ぶ「綱島トンネル」の今(2020年7月20日)
・<トンネル工事で説明会>新綱島駅の建設は「正念場」、掘進は1日最大14メートル(2018年5月28日、新横浜トンネルについて)
【参考リンク】
・綱島トンネル工事についてのページ(鉄道・運輸機構)