新吉田の老舗工場が立ち上げ、注目を集める「銅」素材の文具ブランド | 横浜日吉新聞

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地元の老舗工場が開発した文具シリーズが注目を集めています。高田西の御霊橋(ごりょうばし)に近い新吉田町にある株式会社オースズは、抗菌効果が高いとされる「銅」素材を使った製品ブランド「Cuplus(カプラス)」を立ち上げ、ボールペンやペンスタンドなど7種類の購入者を募っている最中です。

御霊橋に近い新吉田町にある株式会社オースズは「トルクヒンジ(蝶番)」の分野で知られる金属部品メーカー(公式サイトより)

オースズは1971(昭和46)年に新吉田町で創業し、来年で半世紀を迎える金属部品メーカー。ノートパソコンの画面とキーボードの接続部分や医療機器など幅広い製品に使われている「トルクヒンジ」と呼ばれる“ちょうつがい”の分野で特に知られています。

新型コロナウイルスの影響で工場の一部生産ラインが空いたことを機に「何か新しい挑戦はできないか」(鈴木瑞貴社長)と、若手社員ら4人が社内プロジェクトチームを作り、開発にこぎつけたのが銅を使った製品でした。

オースズが立ち上げた製品ブランド「Cuplus(カプラス)」の第一弾として文具など7種類を開発した(カタログより)

第一弾として、純度99%以上という銅素材によるボールペンやペンスタンド、ペンホルダー、スタンプカバー(印鑑ケース)、マウスパッド、コンセプトボール(銅の握り玉)、マテリアルドロップ(銅のかたまり)という7種類を開発

まずは「クラウドファンディング」サイトを通じ、先月5月27日から“応援購入”を呼びかけたところ、当初目標としていた15万円を大きく上回り、67人から118万円(6月22日時点)の購入希望者が名乗りを上げています。

重厚な素材感を前面に出したデザインもあって、女性誌やデザイン誌などにも相次いで取り上げられており、鈴木社長も「多くの反響をいただき驚いている」といいます。

クラウドファンディングサイトを通じた応援購入(3000円~7万8000円)は来月7月16日(木)まで受け付け、その後はインターネットによる通信販売や、都内での店舗販売も検討しているとのこと。「使い込むと色が変化していく素材を楽しんでいただけたら」と鈴木社長。

オースズは現本社(写真)からほど近い新吉田町で創業し、まもなく半世紀を迎える

綱島東や新吉田、新羽などを中心に「ものづくり工場」が集積する港北区では「BtoB」と呼ばれる企業間取引が中心で、区民が実際に製品に触れられる機会は少ないだけに、“純地元産”の製品を試してみたいところです。

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【参考リンク】

銅99%の美しすぎるステーショナリー。抗菌銅製品ブランドの「Cuplus」から(クラウドファンディング「Makuake」、オースズの製品プロジェクトページ)

株式会社オースズの公式サイト


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