2023年「港北オープンファクトリー」に最多の応募、地域の工場に高い関心 | 横浜日吉新聞

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4年ぶりに“リアル開催”となった港北区内の工場見学イベント「港北オープンファクトリー」が今月(2023年)3月11日に区内12社の工場で開かれ、286人の見学枠に対して過去最多となる1080人の応募があり、競争倍率は3.8倍に達したといいます。

3月11日(土)に区内12の企業で工場の公開が行われた(新吉田町のオースズ)

新型コロナウイルス禍の影響で同イベントも中止やオンライン開催となっており、今回は2019(平成31)年2月・3月に開催された第7回以来、4年ぶりの現地開催となりました。

新吉田町の御霊橋(ごりょうばし)近くに本社を置く株式会社オースズでは、午前と午後の2回に分けて約20人を案内。

同社は2020年に初公開を予定していましたが、コロナ禍での中止などにより工場に参加者を迎えるのは今回が初となります。

打刻ワークショップの内容を説明するオースズの鈴木社長

午前の回には低学年の小学生らを連れた家族ら9人が集まり、同社の鈴木瑞貴社長と若手社員が手分けして工場内を案内。

当日は実際に稼働している様子を見てもらうため社員15人が“土曜出勤”して機器を動かしました。

機構部品と呼ばれる軸やバネといった可動部を持つ組み立て部品をはじめ、プレス・金型機械加工や鈑金を事業内容とする同社工場内には、プレスや組立ロボットなど数十台の設備機器を備えています。

工作機械の動きに子どもらは興味津々

参加者は「マシニングセンター」と呼ばれる工作機械や、多くのプレス機器、人間の腕のように動く自動組み立てロボットを見学。

普段はなかなか見る機会のない機械類に子どもらの関心は特に強く、機器が動いている様子を食い入るように眺め続け、穴があけられた丸い金属部品を見つけると「ちくわの輪切りみたい」といった感想も。

工場内には多数のプレス設備も

見学後には、同社が開発した「Cuマテリアルドロップ」と呼ばれるペンダント状になった銅のかたまりにイニシャルを刻む打刻体験も楽しんでいました。

同社の鈴木社長は、「製造業の面白さを伝えたく、ぜひ現場を見てほしいと思っていました。興味を持っていただけたので、我々も刺激になってモチベーションが上がります」と話します。

港北区長(左2人目)も打刻ワークショップに飛び入り参加、右は鈴木社長

参加者と一緒に見学した港北区の漆原順一区長は、応募者が過去最多となったことについて、「NHKの連続テレビ小説『舞い上がれ』のなかでも、地域の町工場を公開するオープンファクトリーを成功させたというストーリーが盛り込まれていて、町の工場に対する関心が高まっているのかもしれません」といい、「実際に現場を見ると機械の音や油の匂いがすごくいい」と満足そうでした。

区では来年以降もオープンファクトリーを開催していきたい考えです。

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【港北区の主要100社】売上1000億円を超える企業は10社(2018年10月版)(新横浜新聞~しんよこ新聞、2018年10月22日、港北区内には製造業が目立つ※売上は5年前のデータ)

【参考リンク】

2023年3月11日(土)開催「港北オープンファクトリー」について(港北区)


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