<見頃は来週後半>綱島の桃が「最速」の開花宣言、歴史継ぐ旧家・池谷家で | 横浜日吉新聞

横浜日吉新聞

綱島の歴史を伝える桃の花が、過去「最速」の開花宣言――綱島エリアで唯一の桃農家・池谷(いけのや)家の桃の花が、暖冬の影響を受け、前年(2019年)より4日早い一昨日(2020年)3月11日に開花しました。

今年(2020年)も、「標準木」と言われる池谷家の日月桃(じつげつとう)が、過去最速、そして美しく花開いた

今年(2020年)も、「標準木」と言われる池谷家の日月桃(じつげつとう)が、過去最速、そして美しく花開いた(3月12日)

「私の記憶では、過去“最速”の開花になります。気温次第で、“花の持ち”も変わるのですよ」と語る、池谷家第16代当主の池谷道義さん

かつて、「東の神奈川、西の岡山」と言われるほどに、桃栽培が盛んだった歴史を持つ綱島。池谷家では、桃の最盛期の歴史を継ぐ品種・日月桃(じつげつとう)が最も早く花開き、白鳳(はくほう)日川蟠桃(ばんとう)、そして黄金桃といった“実のなる”品種の花たちが桃畑を彩ります。

この桃の歴史を後世に伝えようと、昨年(2019)年夏に、横浜市こども植物園(南区六ツ川)の担当者らが、池谷家を初来訪したとのこと。

東急新横浜線(相鉄・東急直通線)の工事の影響を受けながらも、桃畑を守る池谷家第16代当主の池谷道義さん(3月12日)

東急新横浜線(相鉄・東急直通線)の工事の影響を受けながらも、桃畑を守る池谷家第16代当主の池谷道義さん(3月12日)

「地域の歴史をつなぐ綱島の桃・日月桃を“継承”していくために、“増やす”取り組をぜひ行いたいと打診いただき、この冬(2月)に、剪定(せんてい)した日月桃の枝を持ち帰ってもらいました」と、挿(さ)し木接(つ)ぎ木のプロフェッショナルの来訪を喜びます。

自身、その手法も伝授してもらったとのことで、「ここ(池谷家)でも、“桃の木育て”にチャレンジできればと考えています」と、旧家の軒先での挿し木栽培に挑戦しているとのこと。

満開の日が待たれる。見学は「公道」のみから可(3月12日)

満開の日が待たれる。見学は「公道」のみから可(3月12日)

桃の花の見ごろは、おおむね開花宣言のち、1週間から10日後の見込み。「3月20日(金・祝)から3月22日(日)の三連休頃になるでしょうか」と池谷さん。

「ぜひ鶴見川散策や、お散歩がてら、公道から“濃い桃色”の花たちの風情を楽しんでもらえれば」と、綱島を彩る桃の魅力を伝えていきたい考えです。

【関連記事】

綱島の旧家・池谷家で歴史継ぐ「桃」が早くも開花、見頃は3/27(水)頃まで(2019年3月19日)※昨年の記事

<綱島・池谷家>桃の収穫が最盛期に、サイトも復活で“希少な”直売を告知中(2019年7月16日)※花の時期にかかわらず、収穫は例年「同時期」になるとのこと

2018年の綱島桃まつりは3/11(日)、鉄道工事の影響と“桃”を継ぐ人々(2018年3月7日)※池谷家の日月桃を使用した「綱島桃エール」(横浜ビール)の紹介など。今年は「桃まつり」が中止となったため、桃エールが市場に若干多めに流通する可能性があるとのこと

【参考リンク】

池谷桃園(旧:綱島ピーチゴルフセンター)のサイト ※直売所の販売情報を掲載


カテゴリ別記事一覧