綱島街道と直結する首都高速道路の出入口が来年(2020年)3月までの開業に向け、ETC専用化(出口部分のみ)する計画であることを国と横浜市が相次ぎ明らかにしました。

環状北線(きたせん)と馬場出入口の広域図。北西線は2020年春に開通予定(国土交通省「第35回国土幹線道路部会」配付資料より)
第三京浜道路の港北インターチェンジ(都筑区川向町)から新横浜出入口(港北区新羽町)を経て、横浜羽田空港線・生麦ジャンクション(鶴見区生麦)を結ぶ約8.2キロの首都高速神奈川7号線(K7)「横浜北線(通称:きたせん)」が開業したのは2017年3月。
本線開通からすでに2年半が経過するなかで、接続する周辺道路の未整備などから今も工事中の「馬場出入口」は、2019年度中(2020年3月まで)に開業することが決まっています。
同出入口は、綱島街道の菊名駅入口付近から1キロほど神奈川区寄りにある法隆寺交差点近く、住所では鶴見区の馬場7丁目に位置しているものの、港北区菊名4丁目は“目と鼻の先”という距離で、神奈川区の松見町4丁目も至近。
横浜市内で人口が増え続ける3区の区境に建設されているのが特徴です。
日吉駅や綱島駅を基準として見ると、高速道路の出入口としては、第三京浜道路の「都筑インターチェンジ」(住所は港北区新吉田町、道路の出入口は都筑区早渕に位置)のほうが距離的には若干近いものの、馬場出入口は日吉駅から6キロ弱、綱島駅からは約4キロ先に位置し、綱島街道を直進するだけでアクセスが可能となっています。
そんな馬場出入口については今月(9月)、ETC専用化する計画であることを国土交通省と横浜市が公表しました。
9月11日に開かれた横浜市会の「建築・都市整備・道路委員会」では、道路を運営する首都高速道路株式会社が馬場出入口をETC専用とすることに対し、横浜市の意見を求められていることを明かしました。
ETC専用化を検討する背景について市都市整備局は、「用地などの制約から料金所が1カ所しかなく、そこで上りも下りも取り扱う構造となっている。料金所手前で上下線の合流が発生し、その先でまた分岐が発生する。ETC車と現金車を分離することによって、交通の制御化を図り、事故防止などの安全性を高めるのが大きな目的」と説明。
ETCカードのない車や現金での利用者が入ってきた場合については、「馬場出入口に退出路は設けられていないので戻ることはできないが、別のゲートへ案内し、後払いという形で利用することは可能」(同局)といいます。

馬場出入口における料金所の完成イメージ(首都高速道路「首都高MIRAI WAY マップ」より)
一方で、同料金所には3つのブースが設けられる予定であることから、「そのうちの一つは現金利用できるブースとすべきではないか」との声も市会議員から上がっていました。
馬場出入口の開業に加え、2020年春には、きたせんと接続して東名高速道路の横浜青葉インターチェンジ(青葉区下谷本町)を結ぶ新たな首都高速「横浜環状北西線」が開通することがこのほど公表されています。
港北区内から東名高速へのアクセスが格段に向上するだけに、馬場出入口の形態や開業時期に注目が集まりそうです。
(※)この記事は読者の方からの情報提供をきっかけに記事化しました。ありがとうございます。
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【参考リンク】
・横浜環状北西線・北線の紹介ページ(首都高速道路)