相続のルールが「より現状に近づく」と加賀さん、7月施行の法改正ポイントとは

横浜日吉新聞

法人サポーター会員による提供記事です】「いざ相続」という時に、身近に影響があるのでしょうか。時代に合わせての、約40年ぶりとなる相続法の改正が、今年(2019年)7月に第二段階を迎えます。

約40年ぶりとなる民法(相続関係)の改正は、第2ステップとして(2019年)7月に施行される。7つのポイントについて行政書士の加賀雅典さんに話を聞いた(法務省のサイトより)

約40年ぶりとなる民法(相続関係)の改正は、第2ステップとして(2019年)7月に施行される。7つのポイントについて行政書士の加賀雅典さんに話を聞いた(法務省のサイトより)

1980(昭和55)年以来、約40年ぶりとなる、相続法制の見直しを内容とする「民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律」が、昨年(2018年)7月6日に成立(同7月13日公布)したなかで、新たに第二段階の改正として、今年(2019年)7月1日(月)に施行される7つの新たな変更点に注目が集まっています。

介護を担う相続人でない親族や、預貯金払戻しについての不公平感への配慮も行われるなど、「今回の法改正は、(被相続人や相続人、介護を担う人などに対する)より現実に即した、細やかな部分に配慮したルール化といえると思います」と、日吉・綱島・高田のみならず、港北区全域など、地域に密着し法務に関する業務を行っている、行政書士・海事代理士加賀雅典法務事務所(日吉本町5)を営む加賀雅典さんは話します。

今年1月に施行された、第一段階の改正となる「自筆証書遺言の方式を緩和する方策」、そして7月に施行予定の今回の法改正などについても、日吉駅西口から中央通り直進約5分の日吉本町東町会会館(日吉本町1)で、5月13日(月)、同24日(金)、6月14日(金)、同24日(月)の、各日13時30分から16時まで開催される「無料法務相談会」(予約不要)において、加賀さんは「最新のルールについて説明できたら」と語ります。

1:相続人でない親族に「特別の寄与」の制度

どんなに被相続人に尽くしても、相続人ではないために、財産の分配にあずかれない長男の妻の例。遺産分割は、相続人が行うこととしつつ、長男の妻にも、金銭請求が認められることになった(法務省のサイトより)

どんなに被相続人に尽くしても、相続人ではないために、財産の分配にあずかれない長男の妻の例。遺産分割は、相続人が行うこととしつつ、長男の妻にも、金銭請求が認められることになった(法務省のサイトより)

まずは「特別の寄与の制度の創設」。これにより、相続人以外の被相続人の親族が、無償で被相続人の療養看護などを行った場合には、相続人に対して金銭の請求をすることができるようになります。

すなわち、「これまでは、例えば、長男(推定相続人)の嫁が義理の父である長男の父(被相続人)を介護していたとしても、長男が亡くなってしまうと、長男の嫁は、相続人には当たらないため、相続財産の分配にあずかれないというルールになっていました。ところが、法改正により、長男の嫁は、亡くなった長男のほかに、長女や次男(二男)など他の相続人がいる場合でも、相続人に金銭の要求ができるようになります」と加賀さん。

「介護などによる貢献に報いることで、金銭的な不公平感が解消され、“実質的な公平”が図られることになります。夫が亡くなった場合でも、夫に他の実の兄弟姉妹がいる中で、義理の父を義理の娘である嫁が介護する場合などがこのケースに該当します」と、“介護を行う”人への配慮が図られる法改正だと説明します。

2:「預貯金の払戻し」で、当面の金銭の不足を補える

遺産分割における公平性を図りつつ、相続人の資金需要に対応できるよう、預貯金の払戻し制度を設けることになった(法務省のサイトより)

遺産分割における公平性を図りつつ、相続人の資金需要に対応できるよう、預貯金の払戻し制度を設けることになった(法務省のサイトより)

これまでの法律だと、遺産の分割が終了するまでの間は、相続人単独では、預貯金の払戻しができない制度になっていました。ところが、法改正により、葬儀費用支払のための資金需要など一定金額の範囲内で、例えば喪主を務める長男などによる単独での払戻しが認められるようになりました。

【相続開始時の預貯金債権の額(口座基準)×3分の1×当該払戻しを行う共同相続人の法定相続分】が、単独での払戻しができる金額となります。

ただし、一つの金融機関から払戻しが受けられるのは150万円まで。それでも、「家庭裁判所の判断を経なくても、金融機関の窓口で払戻しを受けられるようになるなどのメリットがあります。急ぎで高額な葬儀費用が必要になる場合などには、大いにメリットがあるのではないでしょうか」と、加賀さんも、今回の改正の恩恵を相続人が得られればと感じているといいます。

3:その他5つの法改正のポイントとそのメリット

「遺留分」は、例えば不動産などの場合、名義を「当然に共有化」させるのではなく、「遺留分減殺請求権」から生ずる権利を金銭債権化する考え方になった(法務省サイトより)

「遺留分」は、例えば不動産などの場合、名義を「当然に共有化」させるのではなく、「遺留分減殺請求権」から生ずる権利を金銭債権化する考え方になった(法務省サイトより)

このほか「遺留分制度の見直し」では、法定相続人が最低限受け取ることができる遺産の「遺留分」を、例えば不動産などの場合、名義を、当然に“共有化”させるのではなく、遺留分の権利者には、「遺留分侵害額に相当する金銭債務が生じる」という考え方に変わります。

これにより、事業承継などの支障となっていた、不動産への共有関係の発生を回避することができるようになるとのこと。

また、「婚姻期間が20年以上の夫婦の居住用不動産の贈与等に関する優遇措置」では、例えば、被相続人である夫が、妻である配偶者(相続人)に対して、生前に居住用不動産を贈与した場合、これまでは、遺産の先渡しを受けたものと取り扱われるため、この贈与も含めて遺産分割の対象となっていました。

ところが、法改正により、居住用不動産の生前贈与分は、相続財産とみなす必要がなくなり、その結果、妻である配偶者は、他の相続人(長女、長男など)より多く財産を取得できるようになるといいます。

無料相談会の日程が合わない場合にはご相談くださいと加賀雅典さん(日吉本町5丁目の事務所にて)

無料相談会の日程が合わない場合にはご相談くださいと加賀雅典さん(日吉本町5丁目の事務所にて)

さらに、「相続の効力等の見直し」では、これまで登記がなくても有効とされていた、「相続させる旨の遺言」について、法定相続分を超える部分については、登記等の対抗要件を備えなければ、債務者や第三者に対抗することができないこととする制度に変更。

「相続開始後の共同相続人による財産処分」では、相続人のうちの一人が相続開始後に不当に預金を出金した場合の不公平を、公平な遺産分割として実現するよう法改正されています。

なお、「遺言執行者の権限の明確化」の改正でも、遺言の有無を知らない相続人どうしのトラブルを避けるため、遺言の内容を実現する立場にある「遺言執行者」は、遺言の内容を相続人に通知しなければならないこと、また相続人に対して直接にその効力を生ずることも明文化されるなど、「現実的なトラブルを回避するための法改正がより進んでいます」と加賀さんも、これらの法改正について、多くの当事者に知ってもらいたいという思いを抱いているといいます。

今回の法改正についても、「ぜひ無料相談会でご質問いただけたら」と、加賀さんは、日吉で行う相談会への来場を呼び掛けています。

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【参考リンク】

行政書士・海事代理士加賀雅典法務事務所の公式サイト

無料相談会のご案内(同事務所のサイト)

民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律について(相続法の改正)(法務省のサイト)

相続に関するルールが 大きく変わります(法務省)[PDFファイル]

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法人サポーター会員:行政書士・海事代理士加賀雅典法務事務所 提供)


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