相鉄・東急直通線の地下新駅「新綱島駅(仮称)」の上部に建てられる高層ビル内に設ける計画の「区民文化センター」(綱島東1丁目)について、横浜市が400席規模のホールを設けることが決まりました。検討当初は300席規模になるとみられていましたが、「港北区は他区と比べて人口が多いため、『なるだけ多くの座席を設けてほしい』との意見も上がっており、(整備を担当する)市の文化観光局に設計面で席を多く設けるよう要望してきた」(港北区)といいます。
今月(2018年5月)1日に発行された広報「よこはま」の港北区版で、内装の基本設計について発表されたもので、区では「(地域住民や専門家らによる)『区民文化センター基本構想検討委員会』から2016年3月に答申をいただいて以後、区民のみなさんに区民文化センターについてお知らせする機会がなく、現状を知らせたかった」と話します。
区民文化センターは、音楽や劇、芸術などを発表する場として鶴見区や神奈川区、港南区など現在は市内10カ所に設置。今後、18区すべてに設ける構想となっており、港北区だけでなく、都筑区ではセンター北駅近くの市有地で、瀬谷区は相鉄線瀬谷駅南口で整備計画が進んでいます。
港北区内には、区役所庁舎に隣接して1978(昭和53)年から「港北公会堂」(600人収容)が設けられていますが、こちらは“集会施設”という位置付け。
区民文化センターでは、音楽や劇などの公演に適した大ホールや「ギャラリー(展示スペース)」、100人程度の簡易的な発表会や練習が行える「音楽ルーム(リハーサル室)」、3部屋の「練習室」などが設けられます。
同センターのあり方について議論してきた検討委員会による答申では、港北図書館の図書取次も検討するよう求めていましたが、「(図書取次に対する)市全体の方針が今後どうなるか分からない」(区)として、現時点では実現するかどうかは不透明です。
なお、同センターは、新綱島駅の上部に建築される28階建ての再開発ビル内に設けられるため、駅完成の目途がたたないうちは、ビルを建てることは困難な状況。現在のところ同ビルは「平成34年度下期(2022年10月~2023年3月)」の駅開業と同時に完成させる計画となっています。
一方、市や区によると区民文化センターは、実際の運営を担う指定管理者の募集や運用面などからビルの完成と同時に開館することは今のところ難しいとみており、オープン予定は駅開業の次年度となる「平成35年度(2023年4月~2024年3月)」と発表しています。
相鉄・東急直通線の開業が当初の2019年4月から大幅に遅れるなかで、区民文化センターの開館も5年以上先のことになってしまいましたが、トンネル掘削工事に先駆けて着工している新綱島駅付近の建設工事は、現在のところ順調に進んでいるとみられます。開館予定とする“平成35(2023)年度”のなかでも、4月や5月など年度の早い段階でのオープンとなるでしょうか。
■ 2023年4月以降(平成35年度)に開館予定の「区民文化センター」概要
▼ 場所
・新綱島駅(仮称、綱島東1)の上部に設けられる再開発ビル(28階建て)内の4~5階
▼ 設備
・5階:親子室や車いす席を含め400席規模のホール
・5階:楽屋4室
・4階:ギャラリー(70~80平方メートルの部屋2室、200号サイズの絵画展示が可能)
・4階:音楽ルーム(リハーサル室)(約100平方メートル、練習や簡易な発表会が可能)
・4階:練習室3室
・4階:オープンロビー
(「広報よこはま」港北区版2018年5月号より)
(※)図書・資料類の設置や図書館の図書取次については記載なし
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・<新綱島駅>「芸術ホール」は300人規模、検討委員会の答申案まとまる(2016年1月29日、当初は市が整備の標準とする300席規模のホールとして議論が行われてきた)
・新綱島の区民文化センターに「図書館機能を」、港北区要望に市が2年連続で“却下”(2018年3月28日、現時点で市は図書館機能の導入に否定的な見解)
・区民ホールなどの高層再開発ビル、2023年3月までに新綱島駅と“同時開業”目指す(2017年9月26日、再開発ビルは駅と同時開業を目指す)
【参考リンク】
・広報よこはま港北区版「特集3:ハートでつながる わたしたちのまち 区民文化センター」(PDF、2018年5月号)
・港北区における区民文化センターの整備について(港北区、区民文化センター基本構想検討委員会の議論内容)