「特に宣伝はしていませんが、口コミだけで生徒が増えているんです」――日吉に“超密着”しながら、全国的著名度そしてクオリティを目指す中学受験塾が日吉中央通りに誕生しました。その名もまさに「ひよし塾」。小学生の誰もが「読める」地名を冠したその塾の名前を、多く宣伝広告にお金をかける塾が数多く存在する日吉の街で見かけたことがある人はそう多くはないかもしれません。
しかし宣伝をせずとも生徒が次々と紹介で入塾してくるという「ひよし塾」が、なぜ日吉で創業したのか、そしてその生徒や保護者に“熱く”支持される理由とは。
「ひよし塾」の創業者で、運営会社・株式会社ダマダ(日吉本町1)代表取締役の玉田久文(ひさあき)さんが、「口コミだけに頼る」経営方針や、生徒・保護者らと向き合う塾運営をここ日吉で行う理由、その“熱き想い”を語ってくれました。
幼稚園の頃から受験塾へ、トップレベルの先に待ち受けた「悲劇」
なぜ「ひよし塾」に生徒が増えているのか。その鍵は、玉田さん自身の経験にもあります。幼稚園時代から「受験塾に通っていました」という玉田さん。その目標は、小学校受験ではなく、「中学校の受験のために」。中学受験で成功した親類の存在があったことから、両親や兄弟間でも受験熱が否応(いやおう)なしに高まっていっていたというのです。
「親に言われるがままに」特に疑問も持たなかったという玉田さんは、「成績で席順が変わる」という教育方針で有名な、当時から全国展開していた大手有名塾にまずは通います。
成績でどんどん前の席に行くことを体感できたこともあり「競争が楽しくも感じました」と、順風満帆の塾人生のスタートを切ったこともあり、母親の受験熱もよりヒートアップ。それがストレスになったのか、玉田さんは4年生の時に肝臓を患い、2週間も入院するという悲劇に見舞われてしまいます。
しかし5年生になるとさらなる試練が。より進学実績が高い関西エリアでの著名塾へ「転塾」することになってしまうのです。ただでさえ“毎日”塾に通っていた上に、移った先の塾はなんと通塾時間が電車で1時間半もかかる場所。「出身地のグリーンスタジアム神戸(現ほっともっとフィールド神戸)の近くから、神戸市内も越えて、西宮まで通っていました。それはもう、小学生にとってはとても遠い場所に感じました」と玉田さん。
「転塾」は結果的に失敗。それまでトップクラスに成績があったのが急降下、全てが面白くなく感じ、勉強にも身が入らず、挙句「受験はもういいや」と諦めてしまう心境に陥ってしまったというのです。
地元塾に「再転塾」するも中学受験に失敗、“大きな挫折”を乗り越えて
これを見た母親が「近くの塾にしたらいいんじゃない」と、大手進学塾系列の地元の塾へ「再転塾」することに。しかし、中学受験で有名学校に進学した親戚の事例が強く両親にも刷り込まれてしまっていたとのことで、「面白くない日々でした。なんで、こんなことせなあかんの、と。ひどく親に責められ、点数でしか自分を親が評価してくれないようで、本当につらい日々だったんです」と当時を振り返る玉田さん。
結局、「見栄の張り合い」もあったのか、少し無理をしてハイレベルの中学校を受験するも結果は“敗退”。「以降、家では学校で起きたことなども話さない子どもになってしまいました」と、中学校へ進学後も劣等感と悔しい気持ちに苛(さいな)まれる日々を過ごします。
悔しさをバネに、高校受験では第一志望校にも合格、部活動や生徒会にも青春を謳歌し、大学も推薦入試で希望校に入学する夢も叶い、またも順風満帆な日々をスタートするも、今度は家庭事情が急変。途端に、苦学生としての日々を強いられてしまうのです。
幸い、中学校時代に通った塾から声がかかり、大学入学後にすぐにアルバイトとして勤務していたという玉田さん。この塾で、その後の人生を決定付ける出来事が起こったのです。
“スカウト”され塾講師に、新卒で大手で勤務するもまた「塾」へ
勤務先の塾は事務アルバイトとして就業。事務作業の合間に、生徒たちから数々の質問を受けていたという玉田さんの姿が、当時勤務していた塾の塾長の目に留まり、「おまえ、おしえろや」と力強い後押しを受け、塾講師としてデビューすることに。「当時は特に英語や数学を教えていました」と、家計を助けるためにも、学校形式での一斉講習にまずは挑戦しましたが、3年生になると、塾内での異動で個別指導の機会も得られ、教えるスキルを磨くことができたといいます。
家庭事情から就職活動もエントリーそのものを3社まで絞り込み、晴れて日本マクドナルド株式会社(本社:新宿区)に就職。入社前研修からみっちり接客や店舗運営のノウハウを学んだ玉田さんは、2年目にふるさと・神戸を離れ、四国・香川県に転勤。“店長職”クラスの仕事を任され、「1人で複数店舗を見なければならない立場だったんです」と、早朝から深夜までの勤務で厳しく鍛えられたという新卒での大手企業勤務時代を振り返ります。
しかしながら、外食業界を取り巻く環境が変化、24時間オープンする店も同社にて成功事例として扱われるなど「身体もついていかなくなってしまい」やむなく退職。
この時、「何かを売ってそこで完結する仕事ではなく、“人に影響がある仕事”として、人を育てることができる塾業界へ戻ることを決意。そのまま香川県の地元の塾で勤務することになるのです。
先輩から誘われ東京へ、異動と会社倒産から「ひよし塾」が誕生
塾業界へ戻ったことを知った、ふるさと・神戸時代の塾講師の先輩から声がかかり、首都圏などで十数校を経営する中堅クラスの塾に転職することになった玉田さんは、2006年に人生で初めて東京へ赴任・移住します。
「東京の子どもたちは、意欲的で真っ直ぐ、素直ですれていない。自分が“(勉強を)やらされていた”と感じたのとは、大違いに感じたのです」と、“ひねくれていた”という自分とは異なる、生徒たちの“純粋な気質”に心打たれたといいます。
東京・渋谷区に住んだという玉田さんは、塾の生徒を増やし教室の経営を盛り返すことに成功する手腕を買われ、2009年に日吉に異動。初めて日吉に居を構え、日吉の塾も立て直すことに。
「当時、18名しか生徒もいなかったのですが、今では130人規模の塾に成長させることができました」と、2010年に会社倒産に伴い、自身が経営者となり株式会社タマダを設立。2013年からは他の教室の経営を他社に譲渡し、2015年2月からは晴れて「ひよし塾」の名前で塾を運営することになるのです。
日吉に根差した「面倒見」の良さが特色、ロゴ発案には慶應の存在
「ひよし塾」の名称は“誰でも読める”ひらがなを採用。ロゴマークは、日吉の「日」の漢字をベースに、「成績が上がる」「笑顔になる」という2つのコンセプトで作成したといいます。
日能研やサピックスなど、多くの塾がこれまで作り上げてきた中学受験の土壌がある日吉の街で、やはり街に欠かせない「慶應義塾」の存在。ロゴの色にも、日吉にゆかりの深い慶應義塾の三色旗の紺か赤を土台にできないかと検討し、「赤色の見栄え」を選んで決定したというエピソードも。
“とにかく面倒見がよい”ことが塾の特色とのことで、平日は入塾者に対し無料で、16時から21時まで、土曜日は10時から21時まで、先生が質問に答えてくれる「自習タイム」も設置。これが好評を博し、「生徒が入れ替わり立ち替わりやってくるんです。休んだ授業の補習もこの自習タイムで行うこともできます。休むことにプレッシャーを感じることなく通い続けてもらえることも、生徒が増えている一因なのかもしれません」と玉田さん。
原点が““中学受験で苦労=挫折した”ことからスタートしている玉田さんの人生をかけて「自分と同じ気持ちになってもらいたくない」と強く願っていることから、生徒一人ひとりの特性を見極めての指導を実施。他の塾から移ってくる生徒にも、自身の経験から「劣等感を持つ必要はない、合格のためにここでできる全てのことを行えれば」と、家庭ごとに異なる受験に対する考え方も重々考慮し指導を進めていくといいます。
多彩な教室、習い事両立や共働きも“熱烈支援”で口コミ入塾が続出と
今は常勤、非常勤含め18名体制で生徒に対応。オリジナルの書道教室や、ヒューマンアカデミー株式会社(新宿区)との提携により実施するロボット教室、株式会社えいすう総研(新宿区)によるパズル道場なども併催するなど、多彩な教室も好評を博しています。
ITに強いのも同塾の強み。パスモ(PASMO)やスイカ(SUICA)があれば、いつでも無料で登下校メールを利用可能。塾長によるメール相談のほか、ブログやツイッター、フェイスブックページも完備し、最新情報を毎日発信しています。
さらには「習い事との両立」や「共働き家庭を支援したい」との理念も掲げ、特に共働きで子どもの送迎ができない、一人で留守番をする時間が長くなるという悩みがあれば、21時30分までは同塾で宿題をしてお迎えを待つこともできるとのこと。
そんなひよし塾の取り組みが自然と日吉周辺の子どもたちや親たちにも評価されているのか、「在校生、卒業生の口コミ紹介がほとんどで、特に広告を打つことがなくても入塾希望者が増えているんです」と玉田さんは笑顔で語ります。
“学歴”でなく「自分に合う」「居場所のある」学校が必要な時代へ
時代の変化に合わせ、中学受験に求められるニーズも確実に変化しているといい、「自分が受験をした頃は、常に“周り”を気にするのはもちろん、カンニングやいじめ、やつあたりなども日常茶飯事という時代。不健康に育ってしまったなぁ、と思います」とはにかむ玉田さん。
「日吉周辺の子どもたちの多くは“健康に育っているなぁ”と感じます。保護者の方々の理解力も非常に高いと感じており、一昔前は“どうしてもここの学校に”と、自分のような悔しい思いをする生徒も多かったように思いますが、今は、お子さんがその“学校に入ってから、伸び伸びできる環境に入れたい”と思われる家庭が増えているように思います」と、“是が非でも有名校”という家庭が減ってきていると感じているといいます。
そうはいいつつも、日本で「最難関」といわれる有名中学の一つといわれる地元日吉・慶應普通部に進学する生徒もいるとのことで、今年、つい最近開催されたばかりの“労作展”(慶應普通部が毎年行う生徒の作品発表会)も「卒業生に呼ばれて見に行ったんです。複数の学年に自身が教えた生徒が通っていると、地元の学校への愛着もより一層深まりますね」と、自身の失敗を子どもたちに味わわせたくない、との一心で「ひよし塾」を立ち上げ、地域の子どもたちのためにと邁進する日々。
「点が取れて」嬉しかった経験も、「点が取れなくて」親に叱られた経験も、そして玉田さん自身の半生をも、全て活かした“日吉らしい”ひよし塾が生まれた背景。これこそが、日吉近郊で同塾のファンが増えている一因となっているようです。
これからもますます「地域に根差し、子どもたちが日々成長する喜びを、子どもたち自身、そして保護者や、周りの全ての方々と分かち合っていけたなら」と語る玉田さんたちの挑戦は、さらに大きな口コミとなって広がっていきそうです。
<全国統一テスト対策授業・見直し勉強会のご案内>
2017年11月3日(金・祝)に、ひよし塾が準拠している四谷大塚(本部:中野区)の全国統一小学生テストがひよし塾でも開催されます。
これに併せて、小学校1年生から5年生を対象とした無料での「テスト対策授業」およびテスト終了後の「見直し勉強会」を同塾にて行います。
【テスト対策授業】
◆実施日:(2017年)10月14日、21日、28日 ※いずれも土曜日
・1、2年生:12時~13時20分(算数45分・国語35分)
・3、4年生:14時~15時30分(算数50分・国語40分)
・5年生: 16時~17時30分(算数50分・国語40分)
【見直し勉強会】
◆実施日:(2017年)11月12日(日)9時~
お申込み・詳細は、ひよし塾のお問い合わせフォームより直接ご連絡ください。
※全国統一テストは、四谷大塚サイトより別途お申込みください。
【参考リンク】
・ひよし塾サイト(株式会社タマダ運営)
・ひよし塾ブログ(アメーバブログ)
・ひよし塾へのアクセス(同社公式サイト)
(提供:中学受験ひよし塾~株式会社タマダ)