<ドンキがユニーに40%出資>2社店舗が並ぶ日吉・綱島では将来の“統合”に不安 | 横浜日吉新聞

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ひよしコラムアピタが「ドンキ」化することになるのでしょうか。ユニー・ファミリーマートホールディングス(ユニーファミマHD)は100%子会社のユニー(愛知県稲沢市)について、自社が持つ株式の40%をドンキホーテホールディングス(ドンキHD)に譲渡すると発表しました。

北綱島交差点付近にユニーが総合スーパー「アピタテラス(仮称)」(綱島東4=綱島SST)のオープンを予定し、至近の日吉側では「ドン・キホーテ日吉店」(箕輪町2)が営業しているという特異な環境下にある日吉・綱島では、今後の両社から目が離せません。

ユニーファミマHDとドンキHDの発表によると、

  • ユニーファミマHDが持つユニー株式の40%をドンキHDに譲渡する
  • ユニー店舗のうち、一部の店舗をドンキHDが運営する店舗(ドン・キホーテ)およびユニーが運営する店舗(アピタ及びピアゴ)のダブルネームで展開する新業態店舗へと転換する
  • 「アピタ」「ピアゴ」および「ピアゴ ラフーズコア」の店舗のうち、閉鎖予定の店舗について、ドンキHDが運営するブランドへ転換する
  • ファミリーマート店舗をドンキHDの子会社が運営する一部の店舗において展開する
  • 両社が展開するポイントの相互利用可能をはじめとして、電子マネー・ポイントカードおよび顧客IDの共通化などの金融サービスの導入を検討する

主に上記の点で両社が合意したといいます。

ユニー株式会社の企業紹介サイト

ユニーファミマHDは今回の提携について、「GMS(総合スーパー)事業を力強く成長させるためには、食品事業等、ユニーの従来の強みはさらに磨きをかけつつ、ドンキホーテHDが有する、若年層を含めた幅広い客層からの支持、アミューズメント性の強い時間消費型の店舗展開、ナイトマーケットやインバウンド市場への対応等のノウハウも活用していくことが、ユニーの中長期的な企業価値の向上に資する」(ニュースリリース)と説明。

ユニーは総合スーパーの中核を担う「食品事業」に注力し、他の部分はドンキに任せる、という意味にも読み取れます。

テレビや新聞による報道では、「資本業務提携 『ドンキ』流でユニー再生」(テレビ東京)、「ユニー、ドンキの集客力で再建へ 40%出資受け入れへ」(日本経済新聞)、「ユニー6店舗、ドンキ化 不振スーパー託す」(毎日新聞)などの見出しで報じており、今回の資本提携は、不振の総合スーパー事業をドンキHDのノウハウによって立て直す意図があると指摘されています。

今や「長崎屋」の店舗は全国に8店しか残っておらず、多くは「ドン・キホーテ」に転換した(長崎屋のサイトより)

ユニーファミマHDの“本体”の株式は譲渡せず、子会社であるユニー株式のみをドンキHDに譲る形としている点は気にかかるところ。いつしかユニーだけがファミマグループから切り離され、「長崎屋」(経営不振でドンキ傘下に入った元総合スーパー大手)のように、多くの総合スーパーがドンキ店舗に変わっていた、という状況にならないとも限りません。

日吉・綱島の住民にとって、これから綱島SSTに開店するアピタテラスも、ドン・キホーテ日吉店のどちらも欠かせない買物スポット。今後、何らかの形でユニーとドンキが“統合”し、至近にある店舗まで一緒にされてしまうような事態だけは避けてほしい、と願うばかりです。

そして、ユニーがファミリーマートと合併したことにともなってアピタテラスの開店時期が遅れたように、今回の資本提携によって、再度遅れるようなことがないことも……。

【関連記事】

ついにアピタは「ドンキ」子会社に、両社店舗が近接する日吉・綱島での思いと行方(2018年10月15日、その後、ユニーはドンキ子会社となった)

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【参考リンク】

ユニー・ファミリーマートホールディングスとドンキホーテホールディングスとの資本・業務提携に関する基本合意書の締結について(PDF、2017年8月24日、ユニー・ファミリーマートホールディングス)

「ユニー、ドンキの集客力で再建へ 40%出資受け入れへ」(日本経済新聞、2017年8月24日23:47公開)


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