<機構が公表>相鉄・東急直通の進捗率30%、新綱島の軟弱地盤や地下雨水管に苦戦

横浜日吉新聞

予算ベースでの進捗率は30%――。2022年度下期の開通を予定する「相鉄・東急直通線」(神奈川東部方面線)の工事を担当する鉄道・運輸機構は、2016年12月付で「神奈川東部方面線事業に関する対応方針」と題した資料を公開し、開業時期延期の発表後初めて工事の進捗状況や今後のスケジュールなどの詳細を公開しました。

相鉄・東急直通線の新たな工事スケジュール(鉄道・運輸機構の発表資料より)

2022(平成34)年度までの相鉄・東急直通線工事の新たなスケジュール(鉄道・運輸機構の発表資料より)

これによると、2016年度までの予算ベースで見た工事の進捗率は30%だといい、「相鉄・JR直通線」の同65%と比べても相鉄・東急直通線側では建設が進んでいないことが明らかになりました。

その要因として「本線にかる用地取得や集合住宅の多数の居住者の転に時間を要し、工事着手が遅れた」といい、「新綱島地区において、着工前の地質調査結果当初想定よりも地質が軟弱であることが判明」したことをあげています。

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新綱島駅周辺では、当初想定していた軟弱地盤(沖積層)が約4メートル深かったことで、工事に遅れが発生した(鉄道・運輸機構の発表資料より)

新綱島駅周辺部は、「綱島トンネル」(箕輪町2丁目~新綱島駅間=1.1キロ)と「新横浜トンネル」(新綱島駅~新横浜駅間=3.3キロ)を掘削するための拠点となる重要な場所です。

当初の計画では、新綱島駅周辺の用地取得について2014年度前半までに終える予定だったものが、2015年度の中盤にまで伸びてしまったといいます。

その後、2015年度後半から土木工事を始めたものの、想定していた軟弱地盤(沖積層)が約4メートル深かったことが判明。水の流れをせき止める遮水壁を最大で17メートル深くまで伸ばすなどの対策が必要となりました。

加えて、鶴見川の真下にトンネルを掘削する時期は、ちょうど増水しやすい出水期(おおむね6月~10月)にぶつかってしまう見込みとなり、掘削の着手が2018(平成30)年度にずれ込む見通し。現在は「シールドマシン(掘削機)及びセグメント(トンネルの外壁となるブロック)の製作を進めているところ」としています。

地下を通る雨水管を回避するため、綱島トンネルを深くする計画に変更したという(鉄道・運輸機構の発表資料より)

地下を通る雨水管を回避するため、綱島トンネル(箕輪町2丁目~新綱島駅間=1.1キロ)を深くする計画に変更したという(鉄道・運輸機構の発表資料より)

さらに綱島トンネル区間では、地下を通る2本の雨水管(北綱島第2雨水幹線)とトンネルが接触する可能性があることがわかったため、トンネルの勾配を深くする必要が発生。新綱島駅付近でも同様の問題が明らかになり、雨水管を移設しないで済むような工法に変更したことで、工事費が増えたといいます。

「新横浜トンネル」(新綱島駅~新横浜駅間=3.3キロ)では、掘削するシールドマシン(掘削機)の製作が行われている(鉄道・運輸機構の発表資料より)

「新横浜トンネル」(新綱島駅~新横浜駅間=3.3キロ)では、掘削するシールドマシン(掘削機)の製作が行われている(鉄道・運輸機構の発表資料より)

今後の新たなスケジュールでは、2020(平成32)年度の中ごろまでにトンネル掘削などの土木工事をすべて終え、設備工事を行った後に、2022(平成34)年度(2022年4月以降)に訓練運転などを実施する計画です。

なお、現時点で相鉄・東急直通線について「運用車両が特定された」ことを明かしたほか、新綱島と日吉間の輸送人員について、開業時が1日あたり21.8万人、2030年には同21.3万人、2040年には同19.7万人になると試算していることもわかりました。

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【参考リンク】

神奈川東部方面線事業に関する対応方針PDF、鉄道・運輸機構)

神奈川東部方面線事業の再評価に関する総括表PDF、鉄道・運輸機構)

相鉄・JR直通線、相鉄・東急直通線のページ(鉄道・運輸機構)

シールドトンネルの工事手順を分かりやすく解説したページ(横浜北線(きたせん)ホームページ)


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