港北区「ミズキーホール」に新鋭のジャズピアニスト、“綱島を音楽の街”に | 横浜日吉新聞

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港北区や綱島周辺に「ジャズの響き」を――新綱島に誕生した新ホールにジャズピアニストRINA(リナ)さんが初めて登場。新たな音楽文化を地域に育みながらの活動を目指すといいます。

新綱島駅の再開発ビル「新綱島スクエア」内に今年(2024年)3月24日にオープンした港北区民文化センター「ミズキーホール」(綱島東1)は、同館の「ホールアーティスト」として、ジャズピアニスト・作曲家のRINAさんが就任したと発表しました。

港北区民文化センター「ミズキーホール」の舞台で初めて演奏を披露したRINA(リナ)さん(5月6日)

港北区民文化センター「ミズキーホール」の舞台で初めて演奏を披露したRINA(リナ)さん(5月6日)

今月5月6日(月・祝)午後、一般公募した人々や関係者など約200人を招いた「就任記念コンサート・プレイベント」を同ホールで開催し、就任の報告やこれからの活動紹介、同館での初となる演奏披露を行いました。

「ホールアーティスト」については、「より一層の文化芸術の発展に寄与することを目的として、港北区民や横浜市民が、良質なプログラムに触れられる機会を増やすためにと設定しました」と、同ホールの小野明男館長

出身地の埼玉県川越市から「日吉の音楽教室に通っていました」と語るRINAさん。2022年9月の大倉山記念館での横浜初コンサートに始まり、横浜市や港北区でも演奏活動を行ってきた(2023年11月、歓成院観音会館)

出身地の埼玉県川越市から「日吉の音楽教室に通っていました」と語るRINAさん。2022年9月の大倉山記念館での横浜初コンサートに始まり、横浜市や港北区でも演奏活動を行ってきた(2023年11月、歓成院観音会館)

ミズキーホールに納品されたグランドピアノを弾き込みに訪れたRINAさん(2月16日)

ミズキーホールに納品されたグランドピアノを弾き込みに訪れたRINAさん(2月16日)

プロデュースを行うシカク(RINAプロジェクト)の皆さんと。右から2人目が原晋さん(同)

プロデュースを行うシカク(RINAプロジェクト)の皆さんと。右から2人目が原晋さん(同)

大倉山記念館(大倉山2)や大倉山の寺院「歓成院観音会館」(同)でRINAさんが近年コンサートを開催するなど実績を積んできていたことから就任が決定したといい、同ホールでのシンボル的な役割を期待しての就任になるといいます。

RINAさんは埼玉県出身国立音楽大学でジャズピアノを小曽根真氏に師事した後、アメリカ・ボストンのバークリー音楽大学に学び卒業。活動拠点をニューヨークに移し演奏を行うも新型コロナ禍の影響もあり日本へ帰国しています。

東京都内や首都圏近郊、神奈川県内では大倉山や横浜市内での演奏の実績も積み、“新鋭のアーティスト”としての役割も期待されているといいます。

約200人が訪れ、RINAさんの演奏やトークを楽しんだ(5月6日)

約200人が訪れ、RINAさんの演奏やトークを楽しんだ(5月6日)

トークセッションでは原さんも登壇。RINAさんのプロフィールの紹介から行われた

トークセッションでは原さんも登壇。RINAさんのプロフィールの紹介から行われた

バークリー音楽大学時代を過ごしたボストンの想い出も。アメリカではストリートジャズも街中にあふれていた。「作曲をする際には、色鉛筆で画用紙に色を描いて曲を作ります」とも語っていた

バークリー音楽大学時代を過ごしたボストンの想い出も。アメリカではストリートジャズも街中にあふれていた。「作曲をする際には、色鉛筆で画用紙に色を描いて曲を作ります」とも語っていた

この日は、RINAさんがオリジナル曲も含めたピアノでのジャズ演奏を披露したほか、RINAさんのプロデュースを行う原晋(すすむ)さんも登壇。

RINAさんが綱島の街を歩く活動をイメージさせるかの映像も会場で公開、ジャズ発祥の街の一つといわれる横浜に根付いた企画を行うほか、RINAさんの演奏力や作曲能力を活かす「仕掛け」を企画していくプランについても説明します。

音を出して一緒に楽しめる「ストリートジャズ」をホール内で体現する企画や、地元の学校などの教育機関やジャズ団体、クラシック音楽との「地元デイ」といったコラボレーション、「ジャズ教室」といったジャズの裾野を広げる活動についても視野に入れているとし、「地域とともに歩む」活動に力を入れていきたいとの思いを、RINAさんとともに熱く語っていました。

7月6日(土)15時から「ソロピアノコンサート」を開催予定。綱島などを題材とした「ミズキーホール」のテーマソングも披露する準備を行っているとのこと

7月6日(土)15時から「ソロピアノコンサート」を開催予定。綱島などを題材とした「ミズキーホール」のテーマソングも披露する準備を行っているとのこと

来場者からの質問にも笑顔で応えるRINAさん。演奏では港北区の木でもある一青窈(ひととよう)さんが歌った「ハナミズキ」のジャズバージョンも披露した

来場者からの質問にも笑顔で応えるRINAさん。演奏では港北区の木でもある一青窈(ひととよう)さんが歌った「ハナミズキ」のジャズバージョンも披露した

来場者から花束のプレゼントも。「撮影OK」タイムには、多くのスマートフォン撮影に対応していた

来場者から花束のプレゼントも。「写真撮影OK」タイムには、多くのスマートフォン撮影に対応していた

この日は、昨年(2023年)11月と先月4月にRINAさんを招いてのコンサートを行った大倉山「歓成院」の住職・摩尼(まに)秀法さんも来場し、「仏教儀式で経文を朗唱する声明(しょうみょう)とのコラボレーション演奏や、親子で参加できるコンサートなども大変好評を博しました。ニューヨークでの成功体験とは異なる日本の厳しさもあると思いますが、RINAさんらしいピアノの表現力や演奏の魅力で、港北区でもより多くの事にチャレンジしてもらえれば」との熱きエールを送っていました。

大倉山にある「歓成院」では、コンサート会場の観音会館の設計を手掛けた手塚貴晴さんや綱島在住の音楽プロデューサー檜山乃武さんとのつながりがあったRINAさんの出演による演奏披露が行われてきた(高野山真言宗「歓成院」・大倉山アソカ幼稚園提供)

大倉山にある「歓成院」では、コンサート会場の観音会館の設計を手掛けた手塚貴晴さんや綱島在住の音楽プロデューサー檜山乃武さんとのつながりがあったRINAさんの出演による演奏披露が行われてきた(高野山真言宗「歓成院」・大倉山アソカ幼稚園提供)

今後、RINAさんは「ミズキーホール」ためのテーマソングを作曲することも計画しています。

「綱島の街や歴史、ミズキーホールそのものに感じた想いをメロディにして、テーマソングとして作曲し披露します」とのことで、7月6日(土)15時(14時20分開場)から予定されている「ソロピアノコンサート」での演奏にも注目が集まりそうです。

)この記事は「横浜日吉新聞」「新横浜新聞~しんよこ新聞」の共通記事です

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<大倉山・歓成院>隈研吾さん設計の「客殿」が完成、落慶法要で厳かに祝う(新横浜新聞~しんよこ新聞、2022年10月4日)

【参考リンク】

「2024.03.29 ホールアーティスト就任のお知らせ」(港北区民文化センター「ミズキーホール」)

「2024.02.16 ミズキー瓦版4号」(同)※RINAさんの「ピアノ弾き込み」について


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