港北区の文化・芸術の拠点に――区民が待ち焦がれた「区民文化センター」がいよいよオープン。
きのう(2024年)3月24日(日)に行われた開館記念式典や寄贈品の除幕式、ギャラリーで初めてスタートした展示会に約400人が集いました。
横浜市内で12館目の区民文化センターの設置となる港北区民文化センター「ミズキーホール」(綱島東1)の開館を祝す記念式典の開催に先立ち、まず新綱島スクエア4階入口付近のオープンロビーに設置されたステンドグラス「港北文化物語」の除幕式を実施。
港北区周辺で活動を行う5つのロータリークラブ(横浜港北・横浜日吉・横浜北・新横浜・横浜都筑)の会長らが除幕式に臨んだ後、製作した平山健雄さん(光ステンド工房=菊名4)が8枚の作品に込めたエピソードを披露していました。
続いて、同階奥に位置する日本画家の田所浩(ひろし)さんが制作した、奈良県長谷寺(桜井市)で写生した牡丹(ボタン)を描いたという絵画「牡丹」を寄贈した綱島地区連合自治会の会長・副会長らが除幕式に参加。
前会長で、2015年に設置された「区民文化センター基本構想検討委員会」の委員も務めていた故・大谷宗弘さん。
この日、除幕式に招かれた大谷幸弘さんは、「父(宗弘さん)は7年前(2017年7月)に他界しましたが、この作品を寄贈したいと所望していました」と語ります。
田所さんに代わり来場した妻・登与子さんによると、大谷さんが鎌倉のアトリエを訪問した際に、2004(平成16)年の日展に出品したというこの作品を「素晴らしい」と選んだとのこと。
「先進的な文化施設で多くの皆様にみていただけるということで大変光栄なこと」と田所さんも喜んでいるといい、「(父)宗弘とともに、(寄贈が実現し)心から感謝しています」との想いを幸弘さんは語っていました。
13時から行われた記念式典では、山中竹春市長や瀬之間(せのま)康浩市会議長(港南区選出)、港北区連合町内会の関治美会長(新吉田あすなろ連合町内会会長)や地元・港北区議員団の代表として神奈川県議会の嶋村公(ただし)議員があいさつ。
隣町に生まれ育ったという嶋村議員は、「綱島という地域は、かつてラジウム温泉が出たということで東急線が引かれ、綱島温泉駅ができました。綱島温泉を中心とした旅館街が繁栄し、大変賑やかな街づくりになった。先祖が旅館業をやっていて、隣町の樽町で経営していた仲間でした。幼少の頃は綱島にボウリング場や映画館もあり、小さい頃ゴジラやモスラの怪獣映画を見に行った記憶があります。綱島というのは人を呼ぶ地域であり、大変繁栄をしている町だと思っています」と語り、“次世代の想い出づくりの場”として語り継いでほしいとの想いを披露していました。
来賓として、横浜市会「市民・にぎわいスポーツ文化・消防委員会」委員長の鴨志田啓介議員(緑区選出)や、着任したばかりの港北警察署の笠佳孝(よしたか)署長、港北区内を選挙区とし活動する議員らを紹介。
ステンドグラスと絵画の寄贈者や「ミズキーホール」の命名者へ感謝状が贈呈され、式典の前半終了とともに、ステージ幕(緞帳=どんちょう)「ゆめの花を咲かせて」を初披露し、司会者でフリーアナウンサーの竹平晃子さんがその作品の解説を行います。
後半の「記念演奏会」では、企業共同体(JV)により、横浜市港北公会堂(大豆戸町)の指定管理業務を担っている一般社団法人アーツスプレッド(東京都杉並区)の代表理事で昭和音楽大学教授、ピアニストの三谷温さんが音楽監督を務める「アーツ室内オーケストラ」が登場。
指揮者に大友直人さんを迎え、チャイコフスキーの「弦楽セレナーデハ長調作品48」の第1楽章を披露したほか、地元・横浜市立大綱中学校合唱部(大倉山4、顧問:西川翔教諭)による、源田俊一郎作「合唱と弦楽オーケストラのための『ふるさとの四季』より『春』」を披露していました。
開館記念行事として、4階入口近くのギャラリーでは、「港北区ゆかりのスポーツチーム展」として、3月31日(日)までの9時から17時まで、横浜F・マリノス、横浜キヤノンイーグルス、そしてアイスホッケーの横浜グリッツ(GRITS)の3チームの選手サイン入りユニフォームやパネルなどの展示(入場無料)も行っています。
開館後の休館日は毎月第3火曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始を予定しており、開館時間は9時から22時まで(受付は21時まで)とのことです。
(※)この記事は「横浜日吉新聞」「新横浜新聞~しんよこ新聞」の共通記事です
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【参考リンク】
・横浜市港北区民文化センター ミズキーホールのサイト(指定管理者:港北結マネジメント)