「地域のコミュニティ力」向上がバックアップ、師岡地区が初の“無火災表彰” | 横浜日吉新聞

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地域のつながり盛り上がり「防災力」を向上させているのでしょうか。

横浜市内で火災発生が一定期間ない場合に表彰される制度「連続無火災」表彰。先週(2024年)6月21日、師岡地区連合町内会(師岡地区=師岡町)が、一昨年(2022年)6月5日から今年6月3日までの2年間(730日間)「無火災」を達成したことによる「港北区長表彰」を初めて受賞しました。

初めて師岡地区を対象とした「無火災表彰」が行われた。師岡地区連合町内会の鈴木会長(中央)、竹下港北区長(左)、長谷部宏光港北消防署長

初めて師岡地区を対象とした「無火災表彰」が行われた。師岡地区連合町内会の鈴木会長(中央)、竹下港北区長(左)、長谷部宏光港北消防署長

感謝状を受け取ったのは、同連合町内会で会長を務める師岡南町内会会長の鈴木大成(ひろしげ)さん

約1000世帯の同町内会をはじめ、約1100世帯の師岡打越町内会、約500世帯の師岡仲町内会、そして約1300世帯の師岡表谷町内会の4つの町内会で約3900世帯を抱える同連合町内会が、今回の表彰対象となっています。

師岡地区の受賞は初めてだという

師岡地区の受賞は初めてだという

「市民防災の日」港北区推進委員長(竹下幸紀港北区長)では、設置要綱を設けており、「日頃から積極的に出火防止活動を実践し、防災面で近隣の協力体制が確立している団体」に対して感謝状を贈呈するものとされています。

自治会・町内会の世帯数によりその表彰基準が設定されており、5000世帯未満の自治会・町内会は、区長表彰2年間(730日)、消防局長表彰3年間(1095日)、横浜市長表彰4年間(1460日)との基準になっているといいます(他に5000世帯から1万世帯未満、1万世帯以上で別途基準あり)。

「4つの町内会で活動を行っている。小さな自治会・町内会ですが、これからも無火災に向けて精一杯頑張っていきたい」と謙遜(けんそん)し語る鈴木会長

「4つの町内会で活動を行っている。小さな自治会・町内会ですが、これからも無火災に向けて精一杯頑張っていきたい」と謙遜(けんそん)し語る鈴木会長

今回の「無火災」達成の背景について、鈴木さんは「明確な理由は分からない」としながらも、「各町内会での防火・防災活動、また日々の“地域のコミュニティ”が実を結んでいる成果では」とその理由を分析します。

横浜市で最多の児童を抱える師岡小学校が2022年度(2022年4月~2023年3月)に創立50周年を迎え、大型商業施設「トレッサ横浜」(株式会社トヨタオートモールクリエイト)は昨年(2023年)3月に開業15周年を迎えています。

今年は師岡熊野神社創建1300年を迎える記念の年。神社総代会や氏子会、同地区連合町内会などが協力して組織された「祭礼委員会」による宮神輿の奉納や披露が行われるなど、地域のコミュニティが活発化しています。

「無火災」への感謝の言葉を述べる竹下区長

「無火災」への感謝の言葉を述べる竹下区長

横浜市では、1968(昭和43)年9月から、毎月15日を「市民防災の日」として定め、“市民総ぐるみの運動”として、地域・職場などでの防火・防災活動を活発に行うようになったとされています。

そして、過去おおむね100年から150年間隔で発生しているといわれる「東南海・南海地震」の防災対策を推進するための特別措置法が制定された2002(平成14)年度からは、市内の18区に「市民防災の日」推進委員会が設置されています。

港北区内13地区の会長が集う「区連会」に先立ち表彰式は行われた。商業・工業施設などが多く人口も多い地区は「無火災」そのものが難しい状況もあるが、それでも「火災ゼロ」を目指したい

港北区内13地区の会長が集う「区連会」に先立ち表彰式は行われた。商業・工業施設などが多く人口も多い地区は「無火災」そのものが難しい状況もあるが、それでも「火災ゼロ」を目指したい

2005(同17)年9月末時点では9957人だった師岡地区の人口は、今年3月末には1万455人まで増えています。

今回初の受賞(港北消防による)に至った師岡地区はもちろん、「各地区の無火災が長く続いてもらえたら」(竹下区長)との言葉通り、「無火災」を続けていくための地域コミュニティのさらなる醸成、また区内近郊での火災による被害を1件でも減らすための工夫と努力を継続していくことが望まれます。

【関連記事】

「無火災」3年の新吉田あすなろ地区を表彰、“高齢者”の火災に注意呼びかけも(2024年2月22日)※現在も「無火災」を継続している

【参考リンク】

師岡地区連合町内会の紹介(港北区連合町内会)

港北区内の火災・救急状況について(同・PDFファイル)※港北区では6月17日現在、対前年で死者は2人増えている

市民防災の日とは何ですか(横浜市消防局 予防課)


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