この春、日吉駅のリニューアル工事が始まります。
東急電鉄は来月(2024年)4月1日から日吉駅のコンコースや自由通路で天井リニューアル工事に着手すると発表しました。2026年春ごろまで2年ほどかけて改札階にあるすべての天井を一新する計画です。
現在の日吉駅は1991(平成3)年11月に竣工したもの。4年後の1995(平成7)年11月には「日吉東急百貨店」(当時、現「日吉東急アベニュー」)などが入る駅ビルもオープンしています。
1980年代後半に始まったこの改良工事では、将来の目黒線延伸に備え、線路を敷く路盤を掘り下げて“地下化”したうえでホームを拡張するとともに、上部には人工地盤を設置。駅ビルとともに、綱島街道(慶應大学日吉キャンパス側)と西口(商店街側)を行き来できる自由通路が設けられました。
自由通路のアトリウム(光を通す大規模空間)には、“銀玉”の愛称で知られる球体状のモニュメント「虚球自像(こきゅうじぞう)」が置かれ、駅構内の象徴的なスポットとなっています。
1998(平成10)年には「四層吹き抜けからやわらかな光が差し込む明るく開放感な駅」(認定銘板)として、東急電鉄では三軒茶屋駅に続いて2駅目の「関東の駅百選」にも選ばれました。
竣工から32年超を経た現在の日吉駅について、東急電鉄は「経年劣化に伴う将来的なリスクに備えるとともに、一部暗いイメージがあるため、明るく一新して利用者の方に快適に駅を利用していただきたい」として刷新を決めたといいます。
今回のリニューアル工事では、慶應大学日吉キャンパスの象徴的な風景で自由通路からも見える「イチョウ(銀杏)並木」をコンセプトにデザインや素材を選定。
半鏡面のアルミパネルには、イチョウ並木や人の往来を柔らかく映し込むような仕掛けづくりを行い、街との連続性を意識した計画にしていくといいます。
また、一部には神奈川県産材の杉を使用する方針で、「木材活用による居心地の良い空間や、高天井による開放感のある空間」(東急電鉄)を演出していく考えです。
2年後の春まで行われる予定の工事期間中は、仮設足場などが設置されることになり、「一時的に通路が狭くなる箇所があるため、掲示物やアナウンスでお客さまにご案内し、ご理解・ご協力をいただけるよう告知いたします」(同)。
1926(大正15)年から1世紀近い歴史を持つ日吉駅は、2008(平成20)年に目黒線が延伸するとともに横浜市営地下鉄グリーンラインも開業し、昨年3月には東急新横浜線の開業によって計4路線が乗り入れる東横線で有数の“要衝(ようしょう=重要地点)”となりました。駅開業からちょうど100年を迎える2026年には、重要駅にふさわしい新たな装いを見せてくれることになりそうです。
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・<日吉駅>目黒線・新横浜線と東横線が乗り換えやすく、列車の停止位置を移動(2024年1月4日、ホームでは新横浜線の建設工事にともなう変更が行われてきた)
・【過去記事】<日吉駅の商店街側>バスターミナルへの自由通路を一時閉鎖、駅ビル外壁工事で(2019年6月24日、5~6年前には駅ビルの工事も実施)
【参考リンク】
・東横線・目黒線・東急新横浜線日吉駅天井リニューアル工事のお知らせ(東急電鉄、2024年4月1日~2026年春ごろ実施)